2012年6月19日 連帯・共同ニュース第265号
■ 小雨の降る新宿駅には17日の福井市中央公園で開かれる大飯原発再稼働反対集会に出掛ける人々が続々と集まっていた。野田首相の再稼働決定を受け大飯原発3号機の再稼働のための作業に着手の報道が伝えられているが、人々の顔には緊張感が漂っているようだった。当初5台の予定だったバスは6台に増やし300人近い参加である。新幹線などで参加し、現地で合流する人たちもいる。バスの中では参加者の交流会などが開かれたと思われるが、バスは深夜の東名を経て一路北陸路を目指した。夜明けの北陸路は雨に濡れてはいたが、道端には紫陽花が目を和ませてくれた。美しい若狭湾、緑鮮やかなこの地には原発はふさわしくない。誰もが抱く思いだ。
■ 福井の現地では午前中に福井市市民会館で交流会が持たれた。司会はテントひろばの八木とたんぽぽ舎の柳田が務め、福島(原発いらない福島の女たち)、福井(さよなら原発福井ネットワーク)、伊方《原発さよなら四国ネットワーク》の報告を中心に集会は開かれた。途中で鎌田慧さんやマイクロバスで駆けつけた福島の人たちの発言もあった。また、経産省前テントひろばや反原連、反原発自治体議員・市民連盟などの力強いメッセージもあり、参加者は大飯原発3.4号機の再稼働が進められる中で、闘いはこれからだという決意を持った。地域住民の声を排除して原発の立地自治体(これもあやふやなものだが)の首長(町長や知事)の独断的決定に対する拒否の声は広がるだろうし、これから始まるのだと言っていい、政府の再稼働決定の後も広がる人々の行動や動き(官邸前などの抗議行動)でも感じていることだが交流会であらためて確認できた。午後12時からは福井市中央公園での集会とデモ(パレード)に参加した。6月4日にも緊急の集会が持たれたのだが、その時の何倍かの人が会場には詰めかけていた。主催者の発表では2200人の参加者であるが、実際はもっと多かったのではないだろうか。集会では一人一分のスピーチが80人を超えて続けられたが、一人一人の発言が胸に響きとてもよかった。儀礼的な挨拶でない生の声は素晴らしい。最近の傾向であるが、デモ(パレード)は参加者が増えるがそれは今回でも見られたのではないか。人通りの少ない印象の福井の街であるが、パレードはひと際目だった。影響は今後じわりと福井の街に浸透して行く。次はこの地で万の集会とデモだ。
■ 再稼働の政府決定に対する抗議行動は連日にわたり、官邸前や経産省前等で展開されている。テントひろばを拠点として防衛しつつ行動に参加して欲しい。山場は続くのだ。 (文責 三上治)