霊感商法から霊界商法へ=安倍国葬の危険性―郷路弁護士の警告

30年前から統一教会被害者を弁護・救済してきた草分けである札幌の郷路弁護士(霊感商法弁護団共同代表)は、今回の国葬によってかえって安倍は霊界で生き続け、「地上でのサタンの勢力と戦う統一教会を励ます存在」になるだろう、と危機感をもっている。

※郷路弁護士は元信者らが教団に対し損害賠償を求めた訴訟で原告代理人を務めてきた。2012年には札幌地裁で、教団の布教活動の違法性が認められ、教団に対し元信者ら56人へ計約2億7800万円を支払うよう命じる判決を勝ち取った。※

メディアによって旧統一教会と自民党とのズブズブベッタリについては暴露されてはきたものの、「統一協会=勝共連合=原理研の悪行」=反社会的カルト教団の犯罪性については、まだまだ解明も追及もなされはいない。むしろNHKをはじめメディア報道は、自民党の誤魔化しに歩調を合わせるだけで、独自の調査報道もなく追及は手ぬるいままだ。

そもそも、旧統一教会の犯罪性・反社会的カルト実態を暴かずして安倍の公的な弔いなど出来るのだろうか?名称変更問題しかり、赤報隊事件しかり。国会の議論、および政治と旧統一教会の法規制・精算が先決ではないか?どうしても安倍の弔いをしたいのなら、「自民党と統一教会の合同葬」でもやればいい。税金は一円たりとも使うな!反対から撤回へ(松元)

■「安倍元首相はまだ霊界で生きている」 国葬は旧統一教会に追い風か…弁護士ら118人が反対声明(弁護士ドットコム) https://www.bengo4.com/c_18/n_14920/

安倍晋三元首相の国葬(9月27日予定)は憲法に違反するなどとして、弁護士や学者らが8月26日、反対の声明を発表した。
声明の賛同者であり、旧統一教会の被害者救済にあたる郷路征記弁護士は、信者にとって安倍氏は「まだ霊界で生きていて、地上でのサタンの勢力と戦う統一教会を励ます存在」だと指摘。そのため国葬を実施すれば、教会を勢いづかせる可能性があると警鐘を鳴らした。

●国葬は安倍政治批判の自由を奪うものと主張
この声明は「23期・弁護士ネットワーク」が法曹界に呼びかけ、賛同者数は118人にのぼった。
この日、記者会見を開いたメンバーの梓澤和幸弁護士は「銃撃事件は心より残念だが、国葬は安倍政治の歴史に対する批判の自由を奪い、弔意を強いることで自由な良心に踏み込むことであり、賛同できない」と呼びかけた。

声明の柱は4つ。
・国葬は国民に弔意を強制するもの
・国葬は岸田内閣による政治利用
・法律の根拠を欠くもの
・旧統一教会による被害拡大に手を貸すもの

これらの理由から国葬の実施は許されないとしている。

●安倍元首相は天で生きていて、サタン勢力との戦いに加勢してくれる人…
旧統一教会に勝訴した「青春を返せ訴訟」の郷路征記弁護士もオンラインで参加し、国葬の開催に対する危機感を訴えた。

過去の裁判資料に基づき、旧統一教会と安倍氏の関係性を指摘しながら、「安倍元首相は統一教会にとっては、霊界で生きています。地上におけるサタンの勢力との戦いに天から助けてくれる人として位置づけられます」と説明した。
「したがって、国葬がおこなわれることは統一教会の違法な、あるいは社会的に不相当な行為を励ますために使われるのだろうという危惧を私は禁じ得ません」

●二階氏の「国葬やらなきゃバカ発言」は本気
澤藤統一郎弁護士は「国葬は国民全体をたばねて国が代表して、安倍晋三という特定の政治家を弔うもの。半旗をあげろとか礼をしろとか細かいことを言わずとも、国葬することが憲法に違反するもの」と主張した。

自民党の二階俊博元幹事長が8月24日、国葬を実施することについて「当たり前。やらなかったらバカ」などと発言したことを受けて、澤藤弁護士は「本気でそう思っていて、国策を今さら元に戻せるかということがあるのでしょう。かつての戦争もそうでした」と繰り返し、国葬の実施に警戒感を表した。(以上、

■郷路弁護士実際の発言箇所:「安倍元首相は、統一教会員にとっては、霊界で生きています。そして、地上におけるサタンの勢力との戦いに、天から助けてくれる人として、位置付けられるはずです。したがって、安倍元首相の葬儀が国葬として行われることは、統一教会員の違法な、あるいは社会的に不相当な活動、行為を励ますために、使われるのだろうという危惧を私は禁じ得ません。」(IWJより)

■郷路征記著作:『統一協会 マインド・コントロールのすべて』(教育史料出版会、1993)、共著:『自立への苦悶・統一協会を脱会して』第2章 統一協会のマインド・コントロールについて(教文館、2005)、マインド・コントロール研究所編『統一協会から愛する人を助けるために』人は機械ではなく心で生きている第16章「統一協会の伝道は憲法違反」(いのちのことば社、2010)青春を返せ裁判(東京)原告団・弁護団編著『青春を奪った統一協会-青春を返せ裁判(東京)の記録-』(緑風出版、2000)