韓国通信NO739
<桜咲く春の選挙>
能登半島地震のお見舞ありがとうございました。およそ300キロ離れたわが家が揺れるほどの大地震でした。大勢の人が亡くなり、住む家を失った多くの人たちがいまだに避難生活を余儀なくされています。都会の繁栄から取り残された人たちです。
今、わが家の近くにある木蓮が白い蕾をつけています。この土曜日あたりには咲く気配です。手賀沼公園の「河津桜」はすでに満開です。
総選挙を来月に控えた韓国は選挙一色の状況と拝察します。
日本と共通する所得格差、男女差別、少子化問題にくわえて、北朝鮮問題が関心事になっていることでしょう。尹大統領の発言は文字通り受け止めると今にも戦争が始まりそうです。南北の対立は日本人にとって決して「対岸の火事」ではありません。
尹政権の与党である「国民の力」が優勢というニュースには目も耳も疑うほどです。発足以来、不人気な大統領の与党が勝利するならまさに「青天の霹靂」です。野党である「ともに民主党」の相次ぐ議員と党員の脱退、候補者選びによる混乱が伝えられていますが、史上最も危険な大統領を前に野党が内輪もめとは本当に情けなく見えます。
争点は「戦争か平和か」「民主主義か独裁か」のはずです。
日本の主張を丸呑みして日韓間の懸案はすべて解決とした大統領。アメリカに急がされた1965年の日韓条約の二の舞。これでは日韓の真の相互理解は遠のくばかりです。韓国発の歴史改ざんが続くと考えるだけでもウンザリです。
<徐京植さんのこと>
昨年末に急死された在日の作家徐京植さんの著書『私の西洋音楽巡礼』を読み終えたところです。朝鮮にルーツを持ち日本で疎外されながら離散者(ディアスポラ)として生きた彼の音楽エッセーです。かつてないユニークな視点から生まれた西洋音楽への理解と彼の人生観が語られています。類まれな音楽に対する感性には脱帽するばかりです。人間は人との強い絆で素晴らしい人生を送れるが、「誰でも死を前にすれば孤独なディアスポラ」というのが私なりの結論です。死を強く意識しながら、突然の死を迎えた徐京植さんの印象が強かったせいかも知れません。来日の折に京植さんについてゆっくり語り合いたいものです。手元にあるもう一冊の著書『過ぎ去らない人々』を再読の予定です。
<あらためて原発を問う―眠れない夜のために>
不安が溢れる社会で不眠を訴える人が多い。私もその一人だ。死ぬことは絶対に避けられないので死ぬことを心配しても仕方ない。だから不眠の原因となる不安は「生きるという日常」から生まれると自己判断をしている。病気、貧困、地震や原発事故。想像すれば不安だらけだが、それは「生きている」証拠だ。不眠にはストレス解消に限ると昨夕3.11、日本原電本社前で「東海第二原発ヤメロ!」と仲間とともに叫んできました。薬を飲まずにゆっくり眠れた!
お元気にお過ごしください。 2024/3/12 小原 紘
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