ジャ-ナリス村上良太氏によれば「黄色いベスト」を扱ったフランソワ・リュファン監督(共同)が作製した映画”J’veux du soleil! ” (太陽が欲しい)の公開が始まったという(2019年 4月 5日)。
社会党のF.オランド大統領が新自由主義に舵を切った上に,元夫人のロワヤル大臣が米大統領選でヒラリー夫人を応援したのでフランス政治に興味を失って,しばらく遠ざかっていた。するとある日,黄色いベスト運動が起き,フランス全土はもちろんパリは燃え上がった。
黄の雨傘運動やオレンジ革命やホワイト・ヘルメット毒ガス捏造事件やパープル革命など「色」には気を付けろ!が小生の合言葉になっていた。「色」の背後に黒幕がいる。この「黄色いベスト」運動はどうもそうでもないらしいということが,パリ在住の女性の手紙で分かった(岩上安見氏のIWJに掲載された)。
事の発端はオランド大統領配下の経済大臣F.マクロンの労働条件改悪にあった。村上氏が紹介しているように,・・時の社会党政権による労働法の規制緩和法案で労働者の解雇が簡単にできるようになり、また労働時間が経営者の希望に沿ってよりフレキシブルに変更できるようにする改革である。さらに残業代も大幅に減らすことを可能にする改革・・
これらの諸改革が新自由主義による政策であることがすぐ分かるが,当時のフランスの労働者たちは見抜けなかったのであろう。
マクロンはロスチャイルドの「操り人形」である。しかし新自由主義者であることを隠して大統領に立候補したらしい。決選投票でルペン右翼党首に勝って大統領になった。パリ市民や一般の労働者は右翼を嫌ってマクロンに投票した。そのツケが今,「立ち上がる夜」や黄色いベスト運動者たちに回ってきているとも言えよう。
映画事情にも疎いが,YouTubeの”J’Veux Du Soleil!”は3分半。フランス語の美しい発音が耳に心地よい。主旋律はギタ-演奏である。ギタ-には何か意味があるのであろうか。
もう一つの映画「メルシ-・パトロン!」は,パリを中心にした市民の抵抗運動「立ち上がる夜 Nuit Debout」の起爆剤になった映画。こちらは映像をみることができない。2つの映画を全て観たいと思う。
問題は「選択」の問題であろう。共産主義か死か。ISISかアサド大統領か等々。最後に,現代フランスの政治状況を紹介してくださった村上良太氏に感謝申し上げたい。