(メール転送など)川内原発のトラブル,「北茨城市、甲状腺がん3人 昨年度18歳以下検査」続報

1.川内原発のトラブル・続報3

皆さま

 

川内原発停止の署名に関連して、以下のメールが転送されてきました。重要情報と思います。ぜひ拡散していただければと思います。

 

このメールの中で、規制庁の担当者が、市民側に対して、「復水器は、発電上重要な施設だが、安全上重要な施設ではない」と言っていますが、これは、原子炉の安全というものを「正常運転」時の状態としてしか考えない、まったく虚偽の主張です。

 

誰が考えてもわかるとおり、停電や津波などにより海水ポンプが停止してしまう事態が生じれば、冷却・復水が行われなくなります。そうすると、復水器内の圧力は、タービンから流れて来る蒸気によって一気に上昇します。復水器内の圧力は、海水による冷却が行われるという条件の下で、またその条件下でだけ、非常に低く保たれているからです。その条件がなくなれば、加圧ポンプの圧力である最大およそ58気圧に向かって、急速に上昇していくはずです。

 

九電の説明どおり、ドレン口からの排水によって細管に穴があく程度に細管が劣化し脆弱化しているとすれば、この復水器内の圧力上昇により、チタン製細管が破断することは容易に想像できます。そうすれば、2次冷却水が、細管破断部を通って海水へと漏れ出す事態が生じかねません。このことは、容易に想定されます。

 

最悪の場合、これによって1次系の加圧154気圧程度が、厚さわずか1ミリプラス程度の蒸気発生器細管にかかることになり、細管が破断され、1次冷却水が2次系に漏れ出す事態を引き起こされる危険性があります。これにより1次冷却水による冷却が不備あるいは不能になり、原子炉が重大な事態に陥りかねないことは、誰が見ても明らかです。

 

それにもかかわらず、安全を規制する官庁の担当者が、「復水器は安全上重要な施設ではない」と公然と発言するのは、理解に苦しみますし、驚くべき危険な「安全感覚」というほかありません。ここにも政府・原発推進勢力の「事故は起こしてもよい」という「新」発想が原子力安全担当部局をも支配しているのが見て取れます。川内原発の稼働を止めなければ、取り返しの付かない事態になる危険性が大きいと言うほかありません。

 

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みなさまへ(拡散希望)

 

昨日行われた川内原発の即時停止を求める緊急署名提出と政府交渉について簡単にご報告します。誤認等あればお知らせください。

 

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

 

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8/26川内原発の即時停止を求めて/緊急署名提出と規制庁交渉

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8月26日(木)午後に、参議院議員会館にて、復水器の配管で海水漏れが見つかった川内原発の即時停止を求めて、緊急の署名提出と原子力規制庁との交渉が行われました。

 

規制庁側は、原子力規制部安全統括管理官(PWR担当)付総括係長の片野孝幸氏、同管理官補佐の高須洋司氏、同原子力保安検査官の菊川明広氏が対応しました。議員は、菅直人議員、福島みずほ議員が参加されました。

 

署名は、22日(土)から4日間に3,818筆が寄せられ、一次集約分とした原子力規制委員会宛てとして提出しました。賛同されたみなさんありがとうございました。署名は引き続き31日まで行う予定です。

 

◆復水器配管からの海水漏れ

復水器の配管から海水が漏れた件で、規制庁から説明があった事項は以下です。

・復水器はA~Fの6つの水室がある。各室には約13,000本の配管があり、全部で8万本余り。

・今回海水が混入したと九電が特定した5本はいずれもA水室。

・九電は問題の配管がA水室の給水加熱器非常用ドレンの入口近傍であることから、これが影響したと考えている。すなわち、配管内の海水側ではなく、配管の外側から損傷して穴が開いたということ

・5本のうち4本は再外周にあった。九電は、起動前の検査で、A水室の再外周1,353本について、渦電流探傷試験を実施していたが、見つけていなかったよう。この時の検査は直管部分だけを実施していた

・起動後、伝導率や塩分濃度の変化から漏えいが疑われ、A水室にて、フィルムを用いた検査(フィルムを張る気圧の違いから漏えいのある配管が特定される)を行い、漏えいがあることを確認し、改めて、渦電流探傷試験を行い、5本を特定した

・長期の停止時は、復水器はドライ(乾いた状態)であったので、腐食などの劣化は進んでいないと考えている

・復水器は、発電上重要な施設だが、安全上重要な施設ではない。今回の事象も法令上の報告事象ではなく、規制委として停止指示を出すようなことは考えていない。

 

やりとりでは、原因が特定されているのかが問題になりました。九電が原因と考えている給水加熱器はA水室だけでなく、B~Fにもあります。規制庁は、A水室だけ位置が違うようにも述べていましたが、いずれにしろ九電の推測にしかすぎません。

 

九電は、次回定検時に、配管を切り出すことも含めて、詳細な原因調査を行う予定でいるということです。市民側は、今定検中であることから、直ちに止めて、調査を行うよう要求しました。また、美浜3号機の二次系配管破断事故で多くの作業員の命が失われたことから、二次系でも安全確保は重要であり、その意味でも直ちにとめるべきだと訴えました。

 

◆1次系冷却ポンプの軸振動計の異常について

起動前の8月7日に、1次系冷却ポンプの軸振動計が正常な値を示さなくなり、交換した問題について、市民側は、同じ振動系が3台あり、残り2台についても交換などの対応を行うよう求めました。

 

規制庁は、このポンプの異常が検知できない場合、冷却水喪失による重大事故に至る可能性が否定できないことを認めましたが、残り2台の交換の必要性については否定しました。市民側は、振動計は運転開始いらい30年以上使われており、耐用年数を超えている可能性もあり、引き続き問題にしていくと訴えました。

 

◆高経年化対策実施ガイドについて

前回8月4日の交渉時に、市民側が、高経年化の認可を受けずに30年を超過したことが、高経年化対策実施ガイド違反ではないかと指摘すると、規制庁の担当者が、必ずしも守らなくてもよいと述べた件について、改めて聞きました。

 

規制庁は、実施ガイドは遵守すべきだとし、長期保守管理方針の「始期」が規定されている実施ガイドの記述自体も、それは書かれている通りだと認めました。その上で、その「始期」は「長期保守管理方針」の始期であって、それは保安規定とは別であり、昨年の7月3日に九電が既に実施していると述べました。

 

九電が勝手に決めて勝手にやれというのでは、保安規定の認可制度に組み込んだ意味がありません。市民側は、従来の規制庁の説明や保安規定に組み込んだ趣旨に反すると指摘しました。それに対して明確な反論はありませんでした。

 

川内原発については出力の再上昇に取り掛かったと報道されていますが、次回定検で調査するつもりならば、いまやらせるべきです。引き続き即時停止を訴えていきましょう。

 

 

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2.「北茨城市、甲状腺がん3人 昨年度18歳以下検査」続報

以下お知らせします。

 

■(茨城)北茨城市、甲状腺がん3人 昨年度18歳以下検査

http://apital.asahi.com/article/news/2015082600002.html

 

原発事故を受け、福島県では国が甲状腺検査をしたが、隣接する北茨城市では実施されなかったため、親から要望を受けた市が独自に検査。13年度は事故当時4歳以下の1184人が受け、甲状腺がんと診断された子どもはいなかった。

 

14年度の対象は、18歳以下の計6151人(13年度に受けなかった4歳以下を含む)。このうち希望した3593人が受けた。その結果、異常なし1746人、経過観察1773人、要精密検査72人、至急要精密検査2人だった。このうち3人について医師と専門家で構成する「甲状腺超音波検査事業検討協議会」が甲状腺がんと診断。しかし、受けたとみられる放射線量や事故後の経過年数などから福島原発事故による放射線の影響とは考えにくいと判断した。

 

【北茨城市甲状腺超音波検査事業の実施結果について】

http://www.city.kitaibaraki.lg.jp/docs/2015082500032/files/koujousenn.pdf

 

27日夜の報道ステーションで報道(ツイキャス動画:津田先生のコメントあり)

http://twitcasting.tv/t2hairo/movie/196174807

 

OurPlanetTV(UNSCEAR2013リポートの付録 データをもとに作成した事故後1年間の1歳児の平均的な甲状腺吸収線量の資料付き)

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1968

 

きーこさんのブログ(下に関連記事があるので、そちらもご参考に)

http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4332.html

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5624:150830〕