(報告)福島第1原発1号機 原子炉建屋4階現場調査報告(田中三彦氏講演会:東電株主代表訴訟 公判報告会)

*下に添付しましたPDFは、素子が粗くてうまくコピーできませんでした。お詫びいたします。(編集部)

昨日、参議院議員会館講堂において、東電株主代表訴訟の事務局主催による田中三彦氏(元日立バブコック原子炉設計技師)の講演会が開催され、今般、2015年2月に田中三彦氏他の「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」の委員数名が東京電力職員同伴で、福島第1原発1号機の4階を現場調査した結果の報告がなされました。非常に興味深い講演内容で、会場いっぱいに駆けつけた参加者一同、かたずをのみながら田中三彦氏のお話を聞きました。別添PDFファイル、及び下記URLはその際の資料等です。

 

福島第1原発事故の実態解明や原因究明を棚上げにしたまま、原子力規制委員会・規制庁と安倍晋三・自民党政権とが平仄を合わせながら、出鱈目で強引な原発再稼働を推し進めようとしておりますが、今回の田中三彦氏の講演にもあるように、福島第1原発事故の深刻化は、単に津波による全電源喪失(SBO)だけが原因でも、問題でもないのです。原発のハードの問題のみならず、それを管理し使う側の人間のソフトの問題も含めて、たくさんのことが未解明のままであり、未解決のままです。田中三彦氏のお話は、現状展開している日本の原発政策の根本矛盾に鋭く突き刺さるお話だったと言えるでしょう。二度とフクシマの悲劇を繰り返さないためには、福島第1原発の事故実態や原因の究明を深堀りし、今後の教訓としていかなくてはならないでしょう。

 

(当日の仔細は、下記のVTR(BY:UPLAN・三輪さん提供)をご覧ください)

 

(参考)新潟県:新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会

http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/gijyututop.html

 

<関連VTR>

(1)▶ 20150430 UPLAN【院内集会】田中三彦「水素爆発は最初に4階で起きた!?」 – YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=j73wFWk3arg

(2)▶ 20150430 UPLAN【地裁前集会・記者会見】東電株主代表訴訟第17回口頭弁論期日+福島原発告訴団東京第5検察審査会へのアピール行動 – YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=KtqRiskCt1w

(3)東電株主代表訴訟

http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/

 

<私の質問>

講演が終了した後、若干の会場からの質問時間がありました。いい機会でしたので4つばかり質問をさせていただきました。上記VTR(1)の1時間25分以降のところに録画されています。

 

(質問1)(田中三彦氏は福島第1原発事故直後から、各種講演会等で、津波が来る前から1号機の非常用復水器(IC)が異常だった旨を訴えておられましたが、それを打ち消す目的で東京電力が「現場実査をしたけれど非常用復水器(IC)の配管等には異常はなかった」などと報告していたのは、いつ頃のどういう報告でしょうか?

 

(答え)2011年10月22日か23日の記者会見です。

 

(質問2)非常用復水器(IC)の配管図を見ると、圧力容器から出ていった配管が返ってくるのが、再循環ポンプの出入り口の部分になっているようだが、こうだとすると、地震の揺れによる配管破損は、非常用復水器(IC)の配管のみならず再循環ポンプの配管の可能性もないとは言えないのではないか?

 

(答え)VTRをご覧ください

 

(質問3)政府事故調やNHKスペシャルなどの放送では、非常用復水器(IC)は津波による全電源喪失(SBO)によって自動的に停止=配管がクローズになってしまったと説明されている。以後、非常用復水器(IC)は動いていない、との説明だが、これについて田中三彦さんはどうお考えか?

 

(答え)VTRをご覧ください

 

(質問4)講演の中で「主蒸気逃がし安全弁」(SR弁)がきちんと機能せず、圧力容器内の圧力を圧力抑制室(サプレッション・チェンバー:SC)へ設計意図通りに逃がしてやれなかった旨の説明がありましたが、更にお聞きしたいのは、格納容器内の圧力を同じく圧力抑制室(SC)に逃がしてやるための安全弁のようなものは正常に動いていたのか? 1号機については、早い段階でベントをやろうとして四苦八苦していた様子がある。

 

(答え)そのような安全弁はない。格納容器と圧力抑制室は配管を通じてつながっており、一旦は圧力抑制室に溜めてある水を通してではあるが格納容器内の気体は自動的に圧力抑制室に導かれ、基本的には格納容器内と圧力抑制室内とは同じ圧力に保たれている。従って、格納容器の圧力が上がってベントが必要になっていた時には、圧力抑制室内もまた、同じように圧力が上がっていたということだ。

t1t2〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5317:150503〕