(情報)12/25の原子力規制委・田中委員長、自民党議員との個別面会

長文になりますが、年末(12月25日)の原子力規制委、田中委員長の
定例記者会見から、「自民党議員との面談」に関する部分と、
関連報道を抜粋します。

特定の政党から要求を受け、結果それに応じるということは、今まで以上に
独立性を欠く行為ですし、規制委設立当初から、民間・市民サイドからは
相当の要請を行っていますがまともに応じてこなかった、それが、
とたんにこれ。
事業者や原子力業界への「配慮」を強めようする姿勢にしか受け取れません。

このような言動や方針に対してどんどん批判しましょう!
https://www.nsr.go.jp/ssl/contact/
(原子力規制委HP 原子力規制委員会への御質問・御意見)

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12/25定例会見速記録 全文は↓こちらか
http://www.nsr.go.jp/kaiken/data/20131225sokkiroku.pdf

以下抜粋

○記者
この後の予定ですが、自民党のプロジェクトチームの座長とお会いになられる予定ですけれども、これまで政治家との会談というのは、むしろ独立する観点から避けていたような気もするんですが、今回敢えて会われる理由は何でしょうか。

○森本次長
まず私の方からすみません。規制庁の次長の森本です。
本件の対応につきましては、事務方の裁量に任せていただいておりまして、事務方で委員長に面会をお願いして、了承していただいたと、こういう形になっています。理由につきましては昨日も申し上げたような形でございまして、官房長官に対して規制行政の強化ということで、長期に渡って国会議員の方が検討されたというものでございますので、政府内で検討するに当たって、その中身も含めて知っていただくということで、そういう形で事務方でセットさせていただいたものです。委員長自身が政治との関係について慎重であるというところについては、変わるものではないですけれども、お願いをしたということでございます。

○田中委員長
私の方から一言申し上げますと、多分その独立性とか何かって、独立性はやはり世界中、どこでも規制機関の命綱になっておりますので、これについて、いささかでも疑念を持たれるのは避けるべきだと思っています。ですから、今日も皆さんの前でオープンで会いましょうということで御了解いただいたということ。これは私の強い希望です。

○記者
提言を検討するのであれば、これまでどおり事務方が提言を受け取るだけでもよかったような気もしますけれども、新潟県知事さんがまた抗議するということも予想されますし、これはいわゆる方針を変えたのではないかととらえかねないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○森本次長
繰り返しになりますけれども、規制庁の次長の森本でございますが、方針を変えたということではございません。従来から別に一概に会わないとしていただいたわけではありませんけれども、今回については先程申し上げたような理由で、事務方からお願いをしたという趣旨でございます。個別に判断をする必要があろうかと考えています。(中略)

○記者
この後の塩崎座長との面談の関係なんですけれども、そうすると、政治家だったり、自治体のトップだったり、業界の関係者だったりと、様々な立場のステークホルダーと幅広く会って、意見を聞くという考え方に方針を変えたということなんでしょうか。そうでなければ、なぜ今回だけなのかというところを、改めて委員長から御説明願えますでしょうか。

○森本次長
再び事務方の森本がお答え申し上げます。
先程申し上げましたように、元々委員会として、国会議員の方に会わないとか、あるいは知事の方と会わないと、一概に決めているものではございません。被規制者との面会についてルールがあるだけでございます。
今回につきましては、先程申し上げたような理由で、お会いいただくということは、事務方の裁量に委ねられておりまして、事務方の方でお願いをして、委員長に御了解いただいたものでございます。従来の方針を変えたものではございません。

○記者
事務方がセットしたとはいえ、最終的に委員長が御了承されたんだと思うんですけれども、そこで委員長自身のお考えをお伺いできればと思います。

○田中委員長
すべからくタイミングの問題もあるんだと思います。例えば地元の方にも私自身が会うかどうかはともかく、説明をする責任はあると認識していますけれども、地元の方の関心と、今、審査会合を進めているところとのタイミングとか、そういうことがありますので、ケースケースでタイミングを図りながら、これからはそういう取組をしていく必要があると思っています。

○記者
タイミングというのもあるんでしょうけれども、よく分かりませんけれども、今回、与党の政治家にだけ会うというのは、他とのバランスを欠いているのではないか。いろんな立場の人と幅広く会いますという中での話なら分かるんですけれども、そうではなくて、与党のPTの関係者だけにお会いになるというのは、バランスを欠くのではないかという指摘があると思うんですが、その点について、委員長はどのようにお考えでしょうか。

○森本次長
すみません。繰り返しですが、規制庁次長の森本です。
今、委員長がおっしゃったように、タイミングというものがあろうかと思います。今回に関しましては、先程の繰り返しになりますけれども、規制行政の強化という形での提言を長期に渡って検討していただき、かつそれを官房長官に提言された。規制委員会というのは、三条委員会であるとともに、行政組織でありますので、それについて耳を傾けるということをお願いしたものでございます。

○記者
最後にします。委員長御自身にお伺いしたいんですけれども、塩崎座長たちの主張というのは、まず幅広く会って、意見を聞いた上で、独立の立場から判断すればいいのではないかという主張なんですが、そういうことは可能だとお考えでしょうか。

○田中委員長
いろんなお考えを持っている方がいるかと思うんですが、今回の提言では、確かにそういうことが書いてありますけれども、私どもは私どもなりに、独立と中立と透明性を持ってやっていると思っていますので、それについて、いろんな御意見があるんだろうと思いますが、それはそれで、いろんな立場でいろんなお考えがあると思います。ここにいる方も考えは同じではありませんから、そこはいいとか、悪いということを申し上げるつもりはありません。規制委員会、規制庁としての1つの考え方で今まで進めてきたし、今後もそんなに大きく変わることはないと思っています。
—–会見の抜粋ここまで—–

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12月24日 原子力規制庁の定例ブリーフィング
[IWJ] 田中委員長、与党議員と面会へ ~原子力規制庁定例ブリーフィング
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/117867

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関連報道

◆田中俊一原子力規制委員長、自民・塩崎氏と異例の「個別面談」/TBSニュース(12月25日 20:51)

原子力規制委員会の田中俊一委員長が自民党の原子力規制に関するプロジェクトチームの座長・塩崎恭久元官房長官と面談し、「あらゆる関係者の意見を聞くべきだ」とする提言書を受け取りました。「政治からの独立」を掲げる規制委員会の委員長が国会議員と個別に面談したのは初めてです。

原子力規制委員会は福島第一原発の事故を教訓に、科学的、技術的な観点から独立して判断するとしていて、田中委員長はこれまで、原則的に政治家と個別に面談することは避けてきました。しかし、原子力規制のあり方を考える自民党のプロジェクトチームが「孤立に陥るのではなく、原子力事業者などを含め、あらゆる関係者の意見をきくべきだ」とする提言書をまとめたため、25日、座長を務める塩崎元官房長官と面談し、提言書を受け取りました。
(中略)

原子力規制庁は今回の対応について、提言書は官房長官にも提出され、政府内で相談するために内容を知っておく必要があり、「事務方から委員長に面談をお願いした」と説明しています。田中委員長は「独立性は規制機関の命綱で、疑念を持たれるのは避けるべきだ」として、面談の様子を報道陣に公開しました。

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◆規制委員長、議員と異例の面会(12月25日)

(中略)これまで田中委員長は「規制の独立性」を理由に政治家などとの面会を避けていて、今回は異例の対応となりました。

(中略)25日の面会について、原子力規制庁の森本英香次長は記者会見で、「規制行政の強化について官房長官にも提出されている提言であり、内容を把握する必要性があると判断した」と説明しています。

また、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「独立性は規制機関の『命綱』で少しでも疑念を持たれるのは避けるべきだと思い、きょうの面会は公開で行うことを強く希望した。私なりに『独立性』を持って進めてきたし、今後も変わることはない」と述べ、「きょうの面会で規制委員会の独立性が揺らぐことにはならない」と強調しました。

一方で、田中委員長は「原子力の安全の確保には、電力会社の社風や経営者の考え方が大事だ」と述べ、今後、電力会社の経営陣とも個別に面会していく考えを示しました。

田中委員長がこれまでに電力会社の経営陣と個別に面会したのは、ことし10月、汚染水漏れが続く福島第一原発の安全管理について、東京電力の廣瀬社長を呼び出し話を聞いた1回だけです。田中委員長は「電力会社にも安全を最優先させる考え方をしっかりと定着させてほしい。そのために、会社のトップに会い認識を確認していきたい」と話しました。