昨日(2016年9月14日(水))、第24回「福島県民健康調査検討委員会」が開催さ
れ、子ども甲状腺ガンの検査結果が公表されました。以下、速報でコンパクトにお知
らせいたします。
<概要1>
ガン及びそのほぼ確実の疑い(人) ガン確定(手術済み)(人)
1巡目検査 115 (-) 101 (-)
2巡目検査 59(+2) 34(+4)
合 計 174(+2) 135(+4)
(注1)上記で( )内は前回対比
(注2)「ほぼ確実」とは「穿刺細胞診」(甲状腺の細胞をほんの少しだけ切り取っ
て顕微鏡で見てガン細胞かどうかを判断している)により検査された結果なので、ほ
ぼ確実に甲状腺ガンと判断されたもの
<概要2>
「福島県民健康調査検討委員会」の座長・星北斗や県小児科医会の一部の医者、あ
るいは福島県立医大の一部医学者など、原子力ムラ・放射線ムラに踊らされて福島第
1原発事故による放射線被曝の健康影響を頭から否定せんとする福島県の医者・医学
者どもが、子ども甲状腺ガン検査の縮小を画策して動いていたが、逆に、「福島県民
健康調査」や甲状腺をはじめ各種検査や診断の拡充と、被害者本位の検診および医
療・治療を求める声が高まり、その悪だくみは退けられた。ひとまずは「やれやれ」
である。
今後は、この「福島県民健康調査検討委員会」にいる原子力ムラ・放射線ムラの御
用人間と思わしき委員たちを退任させ、真の意味で県民の命と健康を守ってくれる人
を委員に任命し、「健康検査」や診断の拡充、健康調査対象者や検査対象疾患の拡大
(全年齢、様々な疾患)、あるいは医療体制の充実と医療の無料化など、取り組まれ
なければならない課題は多い。福島第1原発事故による放射能と被ばくの危険性が高
まりつつある今、この委員会の抜本的な改革が望まれている。
<懸念>
2巡目の検査の受診率は、対象者が381,281人に対して受診者が270,378人で約71%
だった。受診率の低さが目立つ。また、受信した子どもたちのうち2次検査対象者が
2,271人、そのうち二次検査結果が確定した子どもが1,379人で約61%だった。残り4
割が未だ二次検査を済ませていないことになる。従って、今回の悪性ガンが2人増え
ただけにとどまったことについては決して安心できるものではなく、今後、二次検査
の進捗により悪性ガンの子どもの数がさらに大きく増えてくる可能性は否定できな
い。それにしても、何故、二次検査の結果判定が遅れているのだろうか?
<福島県HPより>
(1)第24回「福島県民健康調査検討委員会」HP
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-24.html
- (1巡目結果)(前回第23回資料)県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果
概要【平成 27 年度追補版】
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/167944.pdf
- (2巡目結果)資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】」
結果概要
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/182576.pdf
- (3巡目実施状況)資料2-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回
目)】」実施状況
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/182577.pdf
(関連)資料5 第2回学術研究目的のためのデータ提供に関する検討部会 開催報告
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/182602.pdf
(関連)資料6 放射線被ばくの影響に関する調査研究について
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/182604.pdf
(関連)資料7 「県民の声」とりまとめ
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/182606.pdf
(関連)資料8 福島とチェルノブイリにおける甲状腺がんの発症パターンの相違に
ついて(高村委員提供資料)
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/182609.pdf
(関連)資料9 福島第一原子力発電所事故後の外部被ばく線量に基づく3地域にお
ける小児甲状腺がん有病率の比較
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/182615.pdf
<OUR PLANET TV>
- 【アーカイブ動画】第24回福島県「県民健康調査」検討委員会、記者会見 関連資
料 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2059
- 【アーカイブ動画】「3・11 甲状腺がん子ども基金」設立記者会見
OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
<『週刊金曜日』より>
(1)東京電力福島原発公害、甲状腺がんを追え(藍原寛子『週刊金曜日
2016.9.9』)
(2)がんおよび疑いが172人:異常な多発は放射線の影響を否定できない(まさの
あつこ『週刊金曜日 2016.9.9』)
(3)悪性リンパ腫の死亡率が福島県で増加中(明石昇二郎『週刊金曜日
2016.9.9』)
(4)首都圏でも健康被害が増加?:求められる「予防原則」に立った徹底調査(成
澤宗男『週刊金曜日 2016.9.9』)
<福島民報>
(1)甲状腺検査「維持」が大勢、「県民健康調査委」 今後の在り方議論(福島民報 2016.9.15)
http://www.minpo.jp/news/detail/2016091534598
(2)(別添PDFファイル)県民に寄り添う対応を 健康調査、福島で検討委 県
内ニュース 福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2016091534599
(3)放射線教育など基本 県安全安心推進計画 改定素案示す 県内ニュース 福
島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2016091534613
(4)甲状腺がんの有病率、被ばく線量と関連性なし、福医大発表(福島民報 2016.
9.9 他)
http://www.minpo.jp/news/detail/2016090934440
<その他>
(1)自主避難者置き去りの福島県、復興五輪もくろむ国と思惑一致(東京 2016.9.13)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016091302000130.html
(2)福島避難者 「再び通学」28%、震災5年半、解除5町村の小中(毎日
2016.9.11)
(3)【井戸川裁判 第4回口頭弁論】「私の自宅も放射能に不法占拠されている」。
新弁護団で再開。当時の双葉町長が決してやめない「けじめをつける闘い」 – 民の
声新聞
http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-44.html
(4)20160911 UPLAN おしどりマコ&ケン「福島の真実─今いのちを守るために
知っておくべきこと─」 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=o-AFQx9QGxQ
(5)甲状腺検査縮小も検討を 福島県小児科医会が要望 – 共同通信 47NEWS
http://this.kiji.is/141480622388215816
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6265:160920〕