総合学術誌『ネー チャー』でも報道された井上明久東北大学前総長の研究不正疑惑と大学運営における私物化問題は、東北大学関係者有志の4年にわたる徹底的な調査・研究によって究明され、その全貌が明らかにされた。研究不正と大学の私物化は、東北大学という一大学の問題ではない。日本の大学行政・研究費政策の歪んだ構造的背景に起因するものである。
この度、東北大学有志 による調査・研究を集大成した報告書が『研究不正と国立大学法人化の影』と題して近く刊行される。同書において、2004年の国立大学法人化によって、研究資金をめぐる大学間、個人間の競争が政策的に強化され、そのことが、研究不正発生の温床になった。さらに、大学と学会の「ムラ」的体質が、研究不正を隠蔽・継続させる要因であり、助成金という名で税金が投入されている大学の私物化の背景であることが解明されている。
日 時 : 2012年11月25日(日) 15時 ~ 17時30分
会 場 : 明治大学紫紺館(旧明治大学生協会館、リバティタワーの斜め向い側)
TEL.電話03-3296-4727
アクセス : http://www.meiji.ac.jp/koyuka/shikonkan/copy_of_shikon.html
JR御茶ノ水駅下車 徒歩5分、地下鉄神保町駅下車 徒歩5分
発言予定者
Ⅰ.「研究不正と国立大学法人化」
日野秀逸(東北大学名誉教授)、中井浩一(教育ジャーナリスト)
Ⅱ.「新たに発覚した井上の研究不正、名誉毀損裁判の最新現況」
青木清(北見工業大学名誉教授、同元副学長)、松井惠(弁護士)
Ⅲ.「東北大学再生への提言」
斎藤文良(東北大学名誉教授、前多元物質科学研究所長)
矢野雅文(東北大学名誉教授、前電気通信研究所長)
鈴木謙爾(東北大学名誉教授、元金属材料研究所長)
本講演・討論会は、以上の報告と問題提起を受けて、報道関係者を含め、出席者との間で質疑応答を行い、研究不正の全貌とその背景を明らかにして、大学再生への道を探る
主 催 : 東北大学フォーラム
会 費 : 500円
問合せ先 : 090-4592-2845(松田)