2017年「友愛政治塾」を開催しますー〈友愛を心に活憲を!〉をモットーに

著者: 澤藤統一郎 さわふじとういちろう : 弁護士
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友愛政治塾は、〈友愛を心に活憲を!〉をモットーに、季刊『フラタニティ』の執筆者を講師に招き、それぞれの専門領域での最新の知識を学ぶ場として開設されます。講師団と塾生によるシンクタンク=知的拠点としても活動し、時には講師団全員の賛同を得たうえで政策的提言を発することもあります。
私も、講師を担当いたします。ぜひご参加ください。

塾長:西川伸一 (明治大学教授)
開講場所 東京都内
第3日曜日午後
☆時間配分 午後1時20分から 講義:90分  質疑討論:70分
☆講師は確定。テーマと開講日は変更の可能性あり。
☆12月は番外、望年会も、自由参加。
☆受講料 通し1万円
単回は無し(途中からは別途割引)
登録受講者が欠席の場合にはその友人が1人出席可能。
受講手続き:事前申込必要→入金
主催:友愛政治塾 Fraternity School of Politics
事務局:村岡到
連絡先住所:〒113-0033 東京都文京区本郷2-6-11-301
ロゴスの会   TEL:03-5840-8525
Mail : logos.sya@gmail.com
郵便口座:00180-3-767282 友愛政治塾

2017年の講師団 (講義順)
西川伸一  明治大学教授
進藤榮一  筑波大学名誉教授
下斗米伸夫 法政大学教授
松竹伸幸  かもがわ出版編集長
丹羽宇一郎 元駐中国大使
伊波洋一  参議院議員
澤藤統一郎 弁護士
浅野純次  石橋湛山記念財団理事
岡田 充  共同通信客員論説委員
孫崎 享  東アジア共同体研究所所長
村岡 到  『フラタニティ』編集長
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2017年日程
① 1月22日(日)
西川伸一 明治大学教授 自民党の特徴と安倍政権
安倍晋三首相は繰り返し「憲法改正は自民党の党是」だと主張しているが、本当なのか。自民党史やこれまでの自民党大会の決議ではどのように書かれているのか。自民党の特質と安倍政権の特徴を明らかにする。

② 2月19日(日)
進藤榮一 筑波大学名誉教授 アジア力が開く新世紀
中国は今やGDPでアメリカに次ぐ第二位で第三位の日本の二倍となっている。アジア諸国の経済成長も目覚ましい。〈アジア力〉の台頭は、400年に渡る近代を超える世紀を切り開きつつある。この現実を直視する。

③ 3月19日(日)
下斗米伸夫 法政大学教授 ロシア革命と宗教(古儀式派の存在)
ロシア革命100年を迎えた。「宗教はアヘンだ」という教条に災いされて知られることがなかったが、実はロシア革命には「古儀式派」という宗教の流れが連綿として強く作用していた。政治と歴史にどう影響したのか。

④ 4月16日(日)
松竹伸幸 かもがわ出版編集長 日本会議をいかに批判すべきか
近年の日本政治の危険な右傾化の陰で強い影響を発揮している右翼勢力=日本会議への批判はどうあるべきか。単に彼らの「欠点」を暴くだけではない、柔軟で包摂的な批判こそが強く求められている。

⑤ 5月21日(日)
丹羽宇一郎 元駐中国大使 日本と中国の友好外交の道
「中国の脅威」がしきりに煽られているが、14億人の中国の歴史と現状を知らなくてはならない。そして、動かすことのできない隣国とどのように付き合うことが求められているのか。友好外交の道を探る。

⑥ 6月18日(日)
伊波洋一 参議院議員 沖縄の歴史的位置と課題
第二次世界大戦での日本の敗北のなかで、米軍基地の理不尽な押し付けは、どうして生じたのか。琉球王国いらいの沖縄の歴史を捉え返し、沖縄がどのように苦しんできたのか、その理解に踏まえてあるべき姿を展望する。

⑦ 7月16日(日)
澤藤統一郎 弁護士 言論の自由の時代状況
そもそも言論の自由とはどのような権利なのか。今、日本の言論の自由はどのような状態ににあるのか。DHCから6000万円請求のスラップ訴訟被告とされた体験を通じて、「表現の自由」の本質を再確認しつつ、言論封殺の圧力に抗する方法について論じる。

⑧ 9月17日(日)
浅野純次 石橋湛山記念財団理事 マスコミの影響力と責任
マスコミは「第四の権力」といわれ、現代の政治を動かす大きな要因となっている。日本の現在のマスコミはどうなっているのか。市民の立場に立った情報源として有効に機能しているのか。その責任を問う。

⑨ 10月15日(日)
岡田 充 共同通信客員論説委員 日本・中国・台湾はどうなる
日中関係はどうなっているのか。実は台湾も視野に入れて総体的な関係を掴まなくてはならない。台湾の政治はどうなっているのか。マスコミの視野からは抜け落ちる諸関係を歴史的に明らかにする。

⑩ 11月19日(日)
孫崎 享 東アジア共同体研究所所長 日米関係の深層
「アメリカが日本を守っている」──多くの日本人がそう思っているが、本当なのか。真実は一つ。アメリカには日本を防衛する義務はない。敗戦後に作られた〈対米従属〉の分厚い壁からどうしたら脱却できるのか。

番外 12月17日(日)(自由参加)
村岡 到 『フラタニティ』編集長 日本左翼運動の軌跡と意味

左翼は依然として小さな勢力に留まっている。政治を動かす大きな力になれないのは何故なのか。新左翼として生きてきた自らの体験に踏まえて戦後左翼の歩みをふりかえり、その根本的欠陥・弱点を抉り出す。
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よびかけ
日本も世界も不安定さを増しつつ大きく変化しています。日本では、昨年(2015年)9月に安保法制が違憲であることが明確であるにもかかわらず強行採決され、今年(16年)7月の参院選の結果、民意を歪曲する選挙制度も作用して壊憲を進める自民党など与党勢力が総議席の3分の2を超えました。経済では、非正規労働者がほぼ2000万人で被雇用者の約40%に増え、子どもの6人に1人が貧困家庭となる深刻な〈格差社会〉となっています。また、福島原発事故の深刻な実害や今後の災害の可能性を顧慮することなく、原発の再稼働が進んでいます。〈脱原発〉も最重要な課題です。
世界では中国がGDPでアメリカに次ぐ第2位で、第3位の日本のほぼ2倍へと大きく成長し、アジア各国の成長も著しく、アジアの世紀が到来すると言われています。アメリカの衰退は不可避です。戦後の日本を一貫する〈対米従属〉から脱却し、友好と平和の創造をめざす〈東アジア共同体〉を展望しなくてはなりません。
森羅万象と言われるように複雑さを増し、その事象が瞬時に目の前に伝達される情報革命の進展のなかで、日本政治の劣化は著しく、基礎的な認識の獲得がいっそう求められています。
友愛政治塾は、〈友愛を心に活憲を!〉をモットーに、季刊『フラタニティ』の執筆者を講師に招き、それぞれの専門領域での最新の知識を学ぶ場として開設されます。講師団と塾生によるシンクタンク=知的拠点としても活動し、時には講師団全員の賛同を得たうえで政策的提言を発することもあります。
ぜひご参加ください。

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本日は、フラタニティの編集会議。その席上、ハーグ陸戦条約(正確には、「陸戰ノ法規慣例ニ關スル條約」及び條約附屬書である「陸戰ノ法規慣例ニ關スル規則」。1899年採択、1907年改定。日本は1911年に批准)が話題になった。伊波洋一さんが、参議院議員として有する国政調査権を行使して、米軍の沖縄に対する違法行為を洗い出す構想を持っているのだそうだ。

なるほど、ハーグ陸戦条約は戦時国際法として、戦争そのものを止められないとしても、無用の殺傷や戦争被害を最小限にすることを交戦当事国の義務としている。これに照らして、米軍が戦時中に行ったこと、占領中に行ったことの違法の有無を点検することは、今につながる意義のあることであろう。

同条約から、関係あると思われる条文を抜き出してみた。(なお、訳文はネットに掲載されている神川彦松,横田喜三郎共編『国際条約集』を適宜補い句読点を加えた。)
「陸戰ノ法規慣例ニ關スル條約」
第三條 前記規則(各締約国が国内法化した本条約に適合する訓令)ノ條項ニ違反シタル交戰當事者ハ、損害アルトキハ之カ賠償ノ責ヲ負フヘキモノトス。交戰當事者ハ、其ノ軍隊ヲ組成スル人員ノ一切ノ行爲ニ付責任ヲ負フ。

「陸戰ノ法規慣例ニ關スル規則」(條約附屬書)
第二款 戰闘
第一章 害敵手段、攻圍及砲撃
第二二條 交戰者ハ、害敵手段ノ選擇ニ付無制限ノ權利ヲ有スルモノニ非ス。
第二三條 特ニ禁止スルモノ左ノ如シ。
イ 毒又ハ毒ヲ施シタル兵器ヲ使用スルコト
ロ 敵國又ハ敵軍ニ屬スル者ヲ背信ノ行爲ヲ以テ殺傷スルコト
ハ 兵器ヲ捨テ又ハ自衛ノ手段盡キテ降ヲ乞ヘル敵ヲ殺傷スルコト
ニ 助命セサルコトヲ宣言スルコト
ホ 不必要ノ苦痛ヲ與フヘキ兵器、投射物其ノ他ノ物質ヲ使用スルコト
ト 戰争ノ必要上萬已ヲ得サル場合ヲ除クノ外敵ノ財産ヲ破壊シ又ハ押収スルコト
第二五條 防守セサル都市、村落、住宅又ハ建物ハ、如何ナル手段ニ依ルモ之ヲ攻撃又ハ砲撃スルコトヲ得ス。
第二七條 攻撃及砲撃ヲ爲スニ當リテハ、宗教、技藝、學術及慈善ノ用ニ供セラルル建物、歴史上ノ記念建造物、病院竝病者及傷者ノ収容所ハ同時ニ軍事上ノ目的ニ使用セラレサル限之ヲシテ成ルヘク損害ヲ免レシムル爲必要ナル一切ノ手段ヲ執ルヘキモノトス。
第二八條 都市其ノ他ノ地域ハ、突撃ヲ以テ攻取シタル場合ト雖、之ヲ略奪ニ委スルコトヲ得ス。

第三款 敵國ノ領土ニ於ケル軍ノ權力
第四三條 國ノ權力カ事實上占領者ノ手ニ移リタル上ハ、占領者ハ、絶對的ノ支障ナキ限占領地ノ現行法律ヲ尊重シテ成ルヘク公共ノ秩序及生活ヲ囘復確保スル爲施シ得ヘキ一切ノ手段ヲ盡スヘシ。
第四六條 家ノ名譽及權利、個人ノ生命、私有財産竝宗教ノ信仰及其ノ遵行ハ之ヲ尊重スヘシ。
私有財産ハ之ヲ没収スルコトヲ得ス。
第四七條 掠奪ハ之ヲ嚴禁ス。
第五五條 占領國ハ敵國ニ屬シ且占領地ニ在ル公共建物・不動産・森林及農場ニ付テハ其ノ管理者及用益權者タルニ過キサルモノナリト考慮シ、右財産ノ基本ヲ保護シ且用益權ノ法則ニ依リテ之ヲ管理スヘシ。

日本の皇軍が占領地で行った無法ぶりを免責することができないことは当然としても、そのことが米軍の行為を正当化することにはならない。「銃剣とブルドーザー」で、島民の土地を強奪する行為が違法であることは明らかではないか。伊波さんには、頑張っていただき成果をあげていただきたい。
(2016年12月17日)

初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2016.12.17より許可を得て転載

http://article9.jp/wordpress/?p=7850

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/

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