●ルネサンス研究所第22回定例研究会
◇日時2015年3月9日 18時半開始
◇テーマイタリア・オペライスタ群像(承前)
◇報告者 中村勝巳
◇場 所:専修大学神田校舎7号館763教室
イタリアの政治哲学者アントニオ・ネグリは、2013年4月に初来日した際に私が行なったインタビューにおいて、60~70年代イタリアにおける新左翼理論潮流オペライズモ(労働者主義)と、フランスの哲学者ミシェル・フーコーの仕事には、明らかな同時代性があると指摘していた(『現代思想』2013年7月号参照)。国家・資本・科学技術・医療・学知・文化産業などの権力が相互に緊密に連携しながら社会総体に充満し、人びとの生活全体を包摂するという事態を、フーコーなら規律権力=生権力として、ネグリたちオペライスタなら資本と国家が傾向的に同一化した融合権力として把握していたのだと。こうした生権力への抵抗・闘争の場を生政治として捉えるならば、どのような社会理論と運動が構想されるだろうか。この問題意識に沿ってイタリア・オペライズモの理論の軌跡を追いかける。第3回目は、マリオ・トロンティの1970年代の転回、〈政治的なものの自律性〉に関する議論を取りあげる。
●第23回予定2015年4月13日18時半開始 報告者伊吹浩一 場所未定