4月4日 小幡道昭「貨幣論と現代資本主義」 世界資本主義フォーラムのご案内

著者: 矢沢国光 やざわくにてる : 世界資本主義フォーラム
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経済学の基本は、「貨幣をどうとらえるか」です。ところが最近、「貨幣は商品交換の中から生まれる」という貨幣論の「常識」を揺るがす問題が、次々と出てきました。

昨年このフォーラムでもとりあげた「MMT(現代貨幣理論)」もその一つです。MMTの貨幣論に対して、「国家紙幣と中央銀行券を混同している」という指摘がありました。

国家紙幣と中央銀行信用券の違いとは何か。

 

MMTが脚光を浴びるようになったのは、デフレ経済からの脱却ができず、消費税・財政再建などの緊縮財政に対する批判が高まっていることを背景に、「アメリカや日本では、中央銀行の通貨増発で国債を増発すれば、財政拡張できる」という財政拡張論が現実味を帯びてきたことがあります。こうした現状を、経済学的にどう理解したらよいか。

これは、消費税は必要か不要か、「財政再建・緊縮財政かそれとも財政支出拡大・デフレ脱却か」、という経済政策論にも直結する緊急の問題です。

 

さらに、ドル・ユーロ・円・人民元といった「国民通貨」とは次元の異なる「電子通貨・仮想通貨」をみとめるかどうかが、世界的に大きな問題になっています。

米フェイスブックの暗号資産「リブラ」の発行には待ったがかかっていますが、中国がデジタル人民元の発行を急ぐ意向を示し、日欧などの中央銀行も、デジタル中央銀行通貨の研究に乗り出しました。これらの「仮想通貨」は、ドルや人民元に代わる通貨となりうるのか?リブラによる超国家的な国際決済機構が出来てアメリカの支配するドル決済システムに取って代わる、と考える人もいます。

「仮想通貨」の面から、あらためて、ドルや円や人民元の経済学的意味(国際通貨の面も含めて)を確認したい。

 

1970年代以降の金ドル交換停止、変動相場制への移行をどうとらえるか。「金本位制」の最終的停止によって、ドルや円は、商品貨幣・金と無縁になったのか。「貨幣は、受け取る人が貨幣だと思って受け取るから貨幣であるにすぎない」のか。それとも、ドルや円は、依然として、金によって規制される商品貨幣という特質から逃れられないでいるのか。

貨幣をどう理解したらよいか、経済学原理に詳しい小幡道昭氏に話してもらいます。(矢沢)

  • 主催 世界資本主義フォーラム
  • 日時 2020年4月4日(土)1330分〜17時(13時受付開始)
  • 会場 本郷会館 東京都文京区2-21-7 電話 03-3817-6618

http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=10136

アクセス 地下鉄本郷三丁目から徒歩5分 (下の案内図参照)

◆東京メトロ丸ノ内線「本郷三丁目」より徒歩5分。◆丸ノ内線「本郷3丁目」駅からの行き方:「春日通り方面」出口から出て左へ。大横町通りに出たら右折、100メートル行くと三菱UFJ銀行のATMがあります。ここを左折すると三河稲荷神社。その隣です。◆都営大江戸線「本郷三丁目」3番出口より徒歩6分

  • 講師 小幡道昭(東京大学名誉教授)
  • テーマ 貨幣論と現代資本主義
  • 参考文献 小幡道昭「口頭発表:仮想通貨の貨幣性・非貨幣性」

   http://gken.sakura.ne.jp/gken/wp-content/uploads/2018/09/aural-short.pdf

報告用スライドhttp://gken.sakura.ne.jp/gken/wp-content/uploads/2018/09/beamer.pdf

 

  • どなたも参加できます。資料代 500円 
  • 問合せ・連絡先 矢沢 yazawa@msg.biglobe.ne. jp  携帯090-6035-4686

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2020年5月以降の世界資本主義フォーラムの予定

 ■5月9日() 1330分―17時 本郷会館(予定)

  • 講師 北原徹(立教大学名誉教授)
  • テーマ「戦後アメリカの実体経済と金融経済――1980年代以降の金融経済の肥大化と変調と世界資本主義」(仮題)
  • 参考文献:北原徹「戦後アメリカの実体経済と金融経済――1980年代以降の金融経済の肥大化と変調」『福岡大学商学論叢』6312 平成31年[ネットで取得できます]

 

 

 ■6月 青山雫「世界恐慌とパクス・アメリカーナの成立」

 ■7月 矢沢国光「資本主義国家の成立(2)「東方問題」と第一次大戦」

 ■9月~河村哲二「アメリカ戦時経済とパクス・アメリカーナの成立」