DHCテレビの『虎ノ門ニュース』は、間もなく放送を終了いたします。

(2022年11月7日)
 今日は、少し嬉しいニュースのお知らせである。DHCテレビの『虎ノ門ニュース』が、11月18日(金)に放送を終了するという。その裏側はまだ分からないが、目出度い話ではないか。

 デマ(D)とヘイト(H)とチート(C)と、そしてスラップで高名となったDHC。「DHCテレビ」はその100%子会社、代表取締役会長が吉田嘉明。事実上、DHCの一部門と言って良い。DHCと吉田嘉明が金を注ぎ込んだ、極右メディアである。

 そのキャッチフレーズは、『“既存のメディアに満足していない”全ての視聴者をターゲットに、地上波メディアでは “伝えない”内容を深く掘り下げた番組製作』という。要するに、「右翼の皆さん、ウチは思いっきり右寄り目線で、右翼にご満足いただける番組作りますから、見てね」というわけだ。

 DHCテレビの看板右翼番組が『虎ノ門ニュース』である。常連の出演者が、百田尚樹・ケントギルバート・有本香・竹田恒泰などという面々。この連中を「日本で最高レベルの知性を集結」などと言ってのける、お恥ずかしい限りの図々しさ。その『虎ノ門ニュース』が本日、下記の社告を出した。

「真相深入り!虎ノ門ニュース」番組終了のお知らせ

 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。
既に番組内において発表させていただいておりますが、この度「真相深入り!虎ノ門ニュース」は11月18日(金)をもって最終回とさせていただきますことを謹んでお知らせいたします。

 2015年4月1日の番組開始から7年7ヶ月、これまで番組配信を継続してこられましたことは、ひとえに視聴者の皆様の温かいご支援のおかげでございます。
長きに渡り番組へのご愛顧を賜り、出演者ならびスタッフ一同、心より感謝申し上げます。

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 唐突な番組終了の理由は述べられていない。経営破綻ないし不振説・親会社(DHC)の資金投入打ち切り説・内紛説などささやかれてはいるが、経営的な逼迫がなければこうはなるまい。常連の出演者は飽きられて視聴回数が低下し、赤字続きをDHC・吉田嘉明が穴埋めしてきたと噂はされてきた。真偽のほどを確かめる術はないが、右翼メディアの衰亡は、右翼には「悲報」でも社会全体には悪いニュースではない。目出度いニュースと言ってよい。

 DHCテレビは、かつては「DHCシアター」の社名で、MXテレビやCS放送にも配信していたが、昨今はもっぱらユーチュブ配信のネット番組制作会社となっている。

 この会社がその本性を現して有名になったのは、情報番組「ニュース女子」のデマとヘイトによってのこと。BPOに指弾されたのは、まともな取材もせぬままの沖縄基地反対闘争と在日を誹謗するデマ。対沖縄・対在日ヘイトの姿勢あればこそ。「虎ノ門ニュース」は放送継続して今日に至っている。安倍晋三なども、居心地よくこの番組に出演していた。お似合いの場所なのだ。

 DHCテレビの「虎ノ門ニュース」の突然の終了宣言の理由の一つとして、「近々、DHCは大幅な会社再編を行うようです」「そのなかで、現状赤字経営の子会社DHCテレビの運営にメスが入ったというわけです」「吉田会長個人としては、なんとかして虎ノ門ニュースを続けたかったようです。しかし、吉田会長は今までのように会社の経営に関わることができなくなったため、経営面で虎ノ門ニュースの継続を断念せざるを得なかったようです」などの噂がネット投稿されている。真偽のほどは分からないが、いかにもありそうな話。

 安倍は世になく、虎ノ門ニュースも消える。そして、吉田嘉明の威も地に落ちようという。時代は確実に遷りつつある。

初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2022.11.7より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=20254

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion12524:221108〕