10.31狭山事件再審を訴える全国集会のお知らせ

著者: 中山武敏 : 狭山再審事件主任弁護人
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10月31日は狭山事件の石川一雄さんに第1審浦和地裁の死刑判決破棄し、無期懲役の有罪判決が第2審東京高等裁判所(寺尾正二裁判長)が宣告されてから満40年です。

当日午後1時から日比谷野外音で狭山事件の再審を求める集会が開催され全国から約4、000名の方が参加されます。

 

確定判決(第二審寺尾判決)は、被害者宅に届けられた脅迫状は石川さんが作成したもので脅迫状との筆跡の一致は、自白を離れて石川さんが犯人である客観的証拠の主軸としています。

狭山再審事件は現在第3次再審事件として東京高裁第4刑事部で審理されていますが、この第3次請求審でこれまで隠されていた150点以上の証拠が開示されました。

逮捕当日取調官から書かされた石川さんの上申書が47年も隠されていましたが、この上申書の開示によって脅迫状は非識字者であった石川さんが作成したもでないことが益々明白なりました。

第2審の1972年10月に私は弁護団に加入しましたが、石川さんから「ぜひ私の弁護人になっていただき、私の事件を通して根本的に部落問題にメ スを入れていただきたいと思います。」「部落民であったために国家権力の保身のための 道具として使われてしまった立場を今ふりかえって、何んとも悔しく思えてなりません 。貧乏だった故に、最低限の教育すらも受けることのできなかったことを恨むわけでは決してありませんが、教育を受けられなかった者に対する国家の仕打ちがあまりに憎く、 そのことは許せない思いで私の胸に強く残っているのであります。・・・」との手紙をもらいました。

父が靴修理業、母が廃品回収をしながら子どもたちを育ててくれ、働きながら夜の定時制高校、夜間大学で学んだ私の生い立ちとかさなりました。

 

第2審最終弁論で「部落に対する集中見込み捜査」を担当し、 亡き父の助言で弁論結びで水平社宣言を引用しました。

警察は被差別部落に対する見込み捜査で 石川さんをふくむ4人の部落青年を別件逮捕しています。

マスコミも「犯罪の温床四丁目部落――Yさん殺しの背景」「Yさんの死体が、四丁目に近い 麦畑で見つかったとき、狭山の人たちは異口同音に『犯人はあの区域だ』と断言した 。」

「石川の住む『特殊地区』には、毎年学校からも放任されている生徒が10人位いるという・・・今度の事件の捜査の過程で同じような犯罪を犯す危険性を持つ多数の若者 たちの存在が浮き彫りにされた」等と報道しています。

別件逮捕・再逮捕、長期勾留 、 警察留置場(代用監獄)で手錠をかけたまま長時間の取り調べ弁護士との接見禁止、「自白」強要の中で石川さんは犯人とされていきました。

ご都合のつく方は当日の集会に参加していただければ幸です。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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