●講師 加々美光行氏[愛知大学法学部名誉教授、愛知大学国際中国学研究センター・フェロー]
●期日 2021年11月6日(土) 13時30分~16時30分
●方式 ZOOMによるオンライン形式
●テーマ
巨大経済大国化する中国と党独裁国家
--習近平の夢と中国民衆のゆくえ--
●主旨
中国は、数十年以内に、アメリカを抜いて、世界一の巨大経済大国になろうとしている。西欧的民主主義政治を否定する一党独裁体制の国家が世界経済の最強国となるのは、史上初めてである。
毛沢東は、西欧・ソ連の「共産主義」と異なる「毛沢東思想」によって固められた党・軍によって国共内戦を勝ち抜き、中華人民共和国を実現したが、毛沢東にとって中華人民共和国は、毛沢東主義世界革命への通過点にすぎなかった。
毛沢東は、そのカリスマにより、自ら作った党・軍の官僚制(ビューロクラシー)を破壊して、大衆動員(「大民主」)により、毛沢東主義世界革命に突き進もうとした。そのけっかは、大躍進・文化大革命の失敗--中国人民にとっての大災厄であった。
鄧小平は、個人独裁体制の否定・集団指導体制と党・軍官僚体制(ビューロクラシー)の再建の上に、中国経済を西側資本主義経済に開放し、経済大国化の道を切り開いた。対外的には、「韜光養晦」に徹した。
習近平は、(台湾統一を最終目標とする)「偉大な中華民族の強国」の実現を自らの歴史的任務とし、党・軍に対する個人独裁体制の構築[集団指導体制からの再転換、ただしカリスマにはなれない]に向かっている。
そのために対外的には「一帯一路構想」による中国経済圏の拡張と軍事力の強化を進め、併せて、国際社会の承認を得るために、自然環境や国際テロへの対応に率先して尽力するとともに、既存の西欧的「民主主義」政治体制と異なる中国独自の「民主」「文明」を主張している。
対内的には「習近平思想の教育」と「共同富裕」による「社会主義化」を推進し、また、社会統治の手段としての個人監視体制を、最新のデジタル技術によって構築している。
こうした習近平中国に対して、西側からは香港・新彊ウイグル問題をはじめとして、「言論弾圧」「覇権主義」「人権抑止」の非難が強まっているが、中国大衆の大勢は、むしろこれに反発し、習近平政権を支持している。
習近平政権と中国民衆のゆくえについて考える。
●参考文献
【加々美光行著】『歴史のなかの中国文化大革命』岩波現代文庫 2001年『鏡の中の日本と中国‐中国学とコ・ビヘイビオリズムの視座』日本評論社 2007年『中国の民族問題‐危機の本質』岩波現代文庫 2008年『裸の共和国‐現代中国の民主化と民族問題』世界書院 情況新書 2010年『未完の中国‐課題としての民主化』岩波書店 2016年
●参加方法
(1)どなたも参加できます。参加費500円(あと払い)
(2)氏名(所属など)、オンライン参加する際のメール・アドレスを矢沢 yazawa@msg.biglobe.ne.jp 宛に、送信してください。
※参加申し込みされた方に、当日の資料をお送りすることがあります。早めに参加申し込みください。
(3)10月末頃までに、招待メール(ZOOMの接続情報)を、記載されたメー
ル・アドレス宛に送信します。
念のため、当日朝、招待メール(リマインド)を再送信します。
※万一、当日朝になっても招待メールが届かなかったら、
090-6035-4686矢沢 または
090-9828-2342安岡まで 電話ください。
(4)問い合わせ先 矢沢国光 yazawa@msg.biglobe.ne.jp
●参加費の振込先は、世界資本主義フォーラムhttps://www.worldcapital.online/ のトップページにあります。
■このあとのフォーラムの予定
11月27日(土) 伊藤誠 オンライン連続講座「『資本論』と現代世界」(全6回)
第1回 「1968革命」とマルクス・ルネッサンス(仮の題)