2025年に続き10年ごとに国際協同組合年

国連総会が決議

2025年は国連が設定した「国際協同組合年」であった。12月31日付をもってその設定は解除されたが、日本の全ての協同組合が加盟している日本協同組合連携機構(JCA)によると、12月15日に開かれた国連総会の本会議が、今後、10年ごとに国際協同組合年を設けるとの決議を採択したという。

国連が推進する国際年とは、各国に共通する特定のテーマに国際社会が1年間を通して集中的に取り組む企画。最初の国際年は1957年の「国際地球観測年」。その後、「国際婦人年」「国際児童年」「国際平和年」などが設定された。そのテーマに協同組合が初めて選ばれたのは2009年の国連総会で、そこで「2012年を国際協同組合年とする」との決議があった。

世界には農業、漁業、林業、信用、保険、保健、旅行、住宅、エネルギー、消費者、労働者などあらゆる分野の協同組合があり、国際協同組合同盟(ICA)に結集している。ICAの本部はジュネーブにあり、現在、世界105カ国の全国組織301組織が加盟しており、ICA傘下の組合員は10億人を超える。

2009年の国際協同組合年に関する国連決議は、以下の3つの目標に向けて国連、各国政府、協同組合関係者が活動するよう奨励していた。
①協同組合についての社会的認知度を高める
②協同組合の設立や発展を促進する
③協同組合の設立や発展につながる政策を定めるよう政府や関係機関に働きかける

つまり、国連としては、資本主義とは異なる経済システムである協同組合が、世界経済と各国国民の暮らしを向上させる上で重要な役割を果たし得ると考え、協同組合を一層発展させるための方策の一環として「国際協同組合年」を設定したものと思われる。

以上のような経緯から、2012年には「国際協同組合年」が世界的規模で実施された。
ところが、その後、国連は2015年に「2025年を再び国際協同組合年に」と決めた。特定の国際年が再び繰り返されるのは、国連史上でも異例と言ってよかった。

国連はなぜ2回目の国際協同組合年実施を思い立ったのか。その最大の理由は、国連の国際目標であるSDGs(持続可能な開発目標)を達成するために世界経済上一定の実績を積んできた協同組合の力を借りたいということではなかったか、と私は思う。

SDGsは、2015年の国連サミットで採択された17項目の目標で、2030年までに達成しようという壮大な地球規模の目標である。いわく、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」「安全な水とトイレを世界中に」「人や国に不平等をなくそう」「平和と公正をすべての人に」……

かくして、2025年には全世界で「2回目の国際協同組合年」が実施された。日本でもJCAの主導により、全国各地で協同組合を振興させるための集会、フェスティバル、シンポジウム、フォーラム、講演会、研修会、講座、祭りなどが展開された。

だが、スタートから10年たつSDGsの達成度はどうか。
2025年7月5日、「見て、聞いて、体験 協同組合フェスティバル」と題するイベントが、2025年国際協同組合年全国実行委員会とJCAの共催で東京で開かれたが、そこで「SDGsと協同組合~実践状況、達成への課題と期待」をテーマとするシンポジウムがあった。その席でパネラーの慶応大学政策メディア学部修士2年の落合航一郞氏は「SDGsの達成度は15~16%で、難しい、苦しい状況だ」と述べ、やはりパネラーの恵泉女学院大学名誉教授の大橋正明氏も「SDGsは危機的な状況にある。2030年目標達成に赤信号が灯っている」と話した。

次回3回目の国際協同組合年は2035年
国連もこうした状況を踏まえて、今後も繰り返し「国際協同組合年」を実施することにしたのではないか。要するに、これからも引き続き協同組合の協力を得て、SDGsの目標達成を目指そうということだろう。

JCAが12月24日に発表した報道向け発表文には、こう書かれている。

<2025年12月15日、国連総会本会議は、決議「社会開発における協同組合」を圧倒的賛成多数で承認し、10年ごとに国際協同組合年(IYC)が設けられることなりました。

この決議は、人びとの参加、貧困や飢餓の解消、脆弱な立場の人たちの包摂、気候変動への適応と緩和、食料安全保障、仕事の創出、女性・若者・高齢者・障がい者、先住民族などを含むすべての人の経済的・社会的発展、金融へのアクセス拡大など、社会と経済の持続可能な発展・開発に資する協同組合の役割を高く評価し、各国政府・国連やその他の関係者に対して18の呼びかけを行いました。

そして、呼びかけの5つ目として、「社会と経済の発展・開発を推進するために、協同組合の事業体モデルの効果的な活用を奨励する目的で、2025年の国際協同組合年に続き、10年ごとに国際協同組合年を宣言することを呼びかける」と述べ、今後10年ごとにIYCが実施されることになりました。次回のIYCは2035年となります。

この決議を受け、山野徹JCA代表理事会長は次のように述べました。

「国連が、持続可能な社会づくりにおける協同組合の貢献を評価し、10年ごとの国際協同組合年(IYC)を宣言したことを歓迎いたします」>

「リベラル21」2026.01.05より許可を得て転載
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-6947.html

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座  https://chikyuza.net/
〔opinion14603:260105〕