来電福島第1原発の大事故から、2年が経過しようとしています。今でも5万人以上の母と子を中心とする人々が県外避難を余儀なくされています。福島に残った人々も放射能と将来の生活を巡って恐怖と不安の中での生活が強いられ、30万人以上の人々が仮設住宅や借り上げ住宅での生活です。放射線量は福島の大部分で東京の10倍以上、「放射線管理区域」に該当する地域が福島の3分の2です。帰宅困難区域や居住制限区域への帰還は5年~30年先のこととされています。
政府や行政の多くは除染すれば故郷に帰還できるとして、既に1兆円以上の予算付けをしています。殆ど効果のない除染に加えて、多くの「手抜き除染」も明らかになっています。また除染によって生まれる放射性廃棄物の最終処理施設の見込みが全く立たないために中間処理施設も目途はたたず、袋に詰めた「放射性廃棄物」があちこちに放置されているのが実状です。結局、1兆円を超える除染費用に関係業者、大手ゼネコンが群がっている、そしてそこでは、単なる「放射性物質の移動」が行われているにすぎません。
さらに重要なことは、こうした除染、除染という騒ぎのなかで、福島の子どもたちの命や被災者の生活が全く顧みられてはいないということです。一時的な除染によって無理矢理20ミリシーベルト/年に放射線量を下げて、「さあ帰還せよ、帰還しない者には補償もうち切る」という動きが進んでいます。一刻も早く避難すべきこの地域に何故強制的に帰還しなければならないのか?学校とその周辺だけを1mSV/年に下げれば、それで子どもたちの健康は保たれるのでしょうか?
また、この冬の寒さのなかで、仮設住宅の窓ガラスは凍り付き、早くも建物自体のイタミも進んでいるそうです。
地震と津波による東電福島第1原発の大事故は福島県民を中心に筆舌に尽くしがたい被災をもたらしました。事故後の来電や政府の対応も極めて不十分なものでしかありませんでした。昨年12月の総選挙で出てきた安部総理は早くも「(原発Oを)見直す」と明言しています。
経産省前テントは「福島原発大事故・災害」の原点に還りつつ、脱原発、反原発の持続的な闘いの共同のひろばとしての役割を果たしていきたいと改めて決意しています。福島を忘れてはならい、福島を風化させてはならいと思います。
私たちは来る3月3日(日曜日)13時30分から「3・3福島・首都圏の集い一福島原発災害から学ぶー」を計画しています。
私たちは原発災害の原点に立ち返り、福島の現実を理解することが重要だと思います。福島県外への避難者、仮設住宅・借り上げ住宅の方々、福島の農・漁民の方々など「福島の現実」に生き抜く人々の様々な声を真剣に聞きたいと思います。原発いらない福島の女たち、ふくしま集団疎開裁判の会、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、希望の牧場、飯館の新天地を求める会、大熊町の明日を考える女性の会、井戸川前双葉町町長などの発言も予定されています。
日 時 : 2013年3月3日(日曜日)13時30分~17時(13時開場)
場 所 : 明治大学リバティーホール
主 催 : 現代史研究会、経産省前テントひろば、たんぽぽ舎、福島原発事故緊急会議、反原発地方自治体議員・市民連盟
協 賛 : フォーラム平和一人権・環境、首都圏反原発連合
連絡先: 経産省前テントひろば(070-6473-1947)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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