SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】360 国際会議は電話で済ませ、一路2022北京冬季五輪

 3月19日、パリに住む親友のアレックスから、「殆ど戒厳令だ。食料も日用品も薬品も手に入らない」と、電話がかかってきました。 ところが、「俺は大丈夫」と、声が明るく弾んでいたのです。 なぜなら、「1年前に外出禁止令が出た時、缶詰と日用品を買い込んでアパートの地下室に貯め込んでいたからね。俺は毎日、缶詰の肉と缶詰の野菜で優雅にやってるよ。お前も缶詰を買っとけ」と、、 ただ、国際回線の状況が非常に悪くて、せっかくの助言も残念ながら途切れ途切れでした。

① WHOも電話で記者会見:
 国連はテレワーク(遠隔作業)を奨励し、その傘下にあるWHO(世界保健機関)の記者会見も、ジュネーブ本部でテドロス事務局長以下の4人が世界各地の記者からかかってくる電話質問に応じるという、電話記者会見の形をとった。3月20日の新型コロナウィルス記者会見で、テドロスWHO事務局長は、「連帯、連帯、連帯と連呼する我々の呼びかけに応えて下さって、ありがとう」と、連帯を連発した。そして、「経済首脳会議G20などの連帯に感謝する。クウェートはマスクや手袋や医療衣とともに、4千万$を寄付してくれた」と、各国の義援金連帯を促した。そして、彼の娘も学校閉鎖による自宅ネットワーク中だと言い、家庭待機を余儀なくされている人々のためにWHOが作ったガイドライン(指導要綱)を紹介した。それによると、「①体によい栄養価の高い食事を摂って、免疫力を付ける事、②アルコールや糖分を控える事、③禁煙する事、でないとビールスにかかった時酷い目に合う、④大人は一日に30分以上の、子供は1時間以上の運動をする事、外に出れる人は、他人との距離を十分とって歩く、走る、自転車に乗るなどをする事、外に出れない人は、音楽をバックにダンスやヨガや、階段を登ったり下りたりする事、⑤在宅作業をする人は長時間、同じ姿勢をとってはいけない。30分毎に3分間の休憩を取る事、➅隣人、家族、友人に気を遣う事、思い遣りは双方にとって何よりの薬になる。⑦本を読み(拙著<アリ>をお勧めします)、音楽を聴き、ゲームをする事、⑧あまりたくさんのニュースを読んだり見たりしない事、情報はWHOから得る事、、」と、WHO新型コロナウィルス・ガイドライン紹介した。お役に立ちました?
 質疑応答は、278の申し込みの中から10数件が採用された。そして、トップは中国国営通信新華社で、「さて、中国は昨日から一件も感染者を数えていないと、公式発表した。これは、中国にとって、又世界にとって何を意味するのか?」と、水を向けた。WHOは「それは、希望のメッセージだ。このビールスは退治できるという、何よりの証だ」と、返した。
新型コロナウィルスを欧米にうつして克服したとする中国は、WHOの援護を受けて、2022年冬季北京オリンピックに向け、着々と布石を打っています。(写真参照)

パンダと一緒に嬌声を上げる2022冬季北京オリンピック・パラリンピック
中国チーム(IOC提供)

② モロッコがコロナウィルス対策で渡航禁止、路頭に迷う旅行者:
 モロッコの観光地、カサブランカやマラケシュの空港で数千人以上のアメリカ人観光客が、飛行機の運休で足止めを食っているのを、3月20日のCBSで特集した。駐モロッコ
大使館がツイッターで、「マラケシュからロンドン経由でアメリカの10都市に向けて、チャーター機が飛ぶ。片道、一人1,485$だ」と、情報を流した。しかし、この料金は通常料金の二倍で、貧乏旅行者や家族連れは手が出せない。ホワイトハウス・コロナウィルス・タスクフォース(機動部隊)記者会見でポンペオ米国務長官が、海外で足止めを食っているアメリカ人の救出作戦に言及した。トランプ大統領も横にいた。
 3月20日、モロッコは国家非常事態を施行した。MWNモロッコ世界ニュースが、「モロッコ健康省が3人の死者を含め感染者が115人に上ったと、発表した。そのうち一人だけが、モロッコ産のコロナウィルス感染者だった。モロッコでは新型コロナウィルス発生以来、512人のモロッコ住民を検査したが、この一人以外は陰性だった」と、報道した。「モロッコでの新型コロナウィルス感染者は、外国人あるいは外国から帰国したモロッコ人で、観光立国モロッコは汚染されていない。安全なモロッコへどうぞ」と、コロナウィルスを逆手に取り観光宣伝をした記事だった。

③ 西サハラ難民政府の国家非常事態宣言:
 2020年3月19日、「西サハラ難民政府の新型コロナウィルス検証防止国家委員会は、西サハラ全人民に対して、国家非常事態を宣告する。全人民とはアルジェリアの西サハラ難民、モロッコ占領地の西サハラ被占領民、そして西サハラ解放区の遊牧民、全員を指す。本日2020年3月19日から収束宣言の日まで、全ての境界を閉鎖する。兵士と必要不可欠な人民のみに、移動が認められる」と、SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)が表明した。新型コロナウィルス検証防止国家委員会は、これまでに新型コロナウィルス感染者は西サハラに出ていないと明言したうえで、「(難民キャンプに隣接する)アルジェリアのティンドゥフ市への出入りは禁止する。健康省と通産省は、基本的な物資を確保する。アルジェリア当局と協力して、両省は燃料も確保する。人が集まるイベントや公共施設は閉鎖する。五か所ある他のキャンプ群への移動は、禁止する」と、命じた。欧米では、国境を閉鎖し住民を半強制的に隔離しているが、西サハラ難民は砂漠に隔離されて45年間生きてきた。五つある難民キャンプ群は西サハラ難民政府センターから、夫々、25KM ,30KM, 40KM, 50KM, 160KMと離れて設置された。それは1975年にUNHCR 国連難民高等弁務官が疫病の蔓延を恐れて取った措置だが、約半世紀後に世界のお手本となっている。
 SPS(サハラ・プレス・サービス)は3月19日、「AU(アフリカ連合)は、アフリカ34か国で感染例が見られ、640人の感染者が出たことを確認した」と、報道した。
 
 2020東京オリンピック・パラリンピック開催の時期を巡って、3月22日10時からスイス・ローザンヌIOC国際オリンピック本部で電話によるIOC 臨時会議が開かれました。
 この電話臨時会議を皮切りに、約4週の間、電話会議が重ねられるそうです。 
 3月19日、♠アメリカ大統領は今年6月に予定されているG7サミットを、テレビ電話会議で行うと発表しました。 通常の会議にかかる多額な費用と膨大な人員を、新型コロナウィルス対策に回すそうです。 ごもっともです。 しかし、電話で済む国際会議を、これまではなぜ莫大な金と時間をかけて、それもひっきりなしに世界中で開催してきたのでしょうね? 過去に浪費した国際会議費用が各国民の税金で賄われてきていたのなら、我々庶民も一言、言わせてください。
 是非、国際会議予算の一部を、通じにくい国際回線の修復改善に回してください。

*「アリ 西サハラの難民と被占領民」の只今発売中です。
著者:平田伊都子、写真:川名生十、画像提供:李憲彦、川上リュウ、SPS、
造本:A5判横組みソフトカバー、4頁のカラー口絵、本文144頁
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、TEL:03-3814-3861
2020年2月3日 初版第一刷発行  定価 税抜き2,000円

*1月22日、「ニューズ・オプエド」で#1323<アフリカ最後の植民地>を放映しました。
YouTube オプエド平田伊都子 URL https://www.youtube.com/watch?v=citQy4EpU-I

Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)をご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2020年3月24日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9573:200324〕