「すべて問題ないと確認する必要がある。いったん停止するのが賢明だ」と、フーゴー・デ・ヨング・オランダ保健相が2021年3月14日、新型コロナウイルス英国アストラゼネカ製ワクチンの使用を最低限で3月29日まで停止したと、発表しました。 その理由は、デンマークやノルウェーなどでアストラゼネカ製ワクチンの接種後に、血栓が生じたからだとしています。 血栓(血液の塊)は、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓などの引き金になります。
中国製コロナワクチンのシノヴァクを手に記念撮影をする
ブラジル・サンパウロ知事ジョン・ドリア(中央)
① アストラゼネカのワクチン接種を停止したヨーロッパ各国:
英国の隣国、アイルランドは既に英国アストラゼネカ・ワクチンの接種を停止している。デンマークとノルウェー、アイスランド、ブルガリアも同様にアストラゼネカ・ワクチン接種計画を中止している。ドイツは15日、保健省医薬品規制当局パウル・エールリヒ研究所(PEI)の勧告に基づき、オックスフォード・アストラゼネカ製ワクチンを直ちに停止すると発表した。「アストラゼネカ製ワクチンの接種に関連した静脈血栓症の症例が新たに報告されたことが、今回の判断につながった」と、イェンス・シュパーン保健相は説明した。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、EMA(ヨーロッパ医薬品庁)から新しい提言があるまで国内での同ワクチンの接種を停止すると発表した。大統領は「我々には科学と保健当局からの情報を得て、ヨーロッパ戦略の一環として取り組むというシンプルな指針がある」と、語った。イタリアの医薬品庁はEMA(ヨーロッパ医薬品庁)の決定が出るまでの間、ワクチン使用禁止措置を全国に拡大した。スペインのカロリナ・ダリアス保健相は、少なくとも2週間はワクチンの使用を停止すると述べた。
EMA(ヨーロッパ医薬品庁)によると、ヨーロッパで約500万人がアストラゼネカ製ワクチンの接種を受けているが、3月10日時点で30件の血栓症の事例報告があったそうだ。
② アストラゼネカを擁護したWHOそして国連:
当然、製造販売元の英国は何も懸念はないと表明した。オックスフォード・ワクチン・
グループ代表のアンドリュー・ポラード教授は、BBCラジオで、「ヨーロッパにおける接種の大部分はここ英国で実施されている。そして英国では、血栓の発生件数が増えていない。これは非常に心強い証拠だ」と述べた。
ヨーロッパ以外では、タイが12日に接種中断を発表したが、この日、再開を表明した。
WHO(世界保健機関)のスワミナサン首席科学者は記者会見で、これまでところ新型コ
ロナワクチンと血栓性との関連性は確認されていないと言い、「パニックを起こしてほしくない」と述べた。ポーランドは「アストラゼネカ・ワクチンの恩恵はリスクを上回っている」と、WHO見解に倣っている。
アストラゼネカも当然「利点が副反応のリスクを上回る」と、WHO見解を強調している。アストラゼネカによると、ヨーロッパと英国では約1,700万人(?)が接種を受けており、3月上旬の時点で報告があった血栓の発生件数は40件未満だったという。
3月16日の国連定例記者会見で、ステファン国連事務総長報道官は、「本日ソマリアで、前日に届いた30万回分のアストラゼネカ・ワクチンによる接種が始まった」と、国連主導のアストラゼネカ・ワクチン接種をウキウキと発表した。記者が、「ヨーロッパで多数の国が英国アストラゼネカ・ワクチンの接種を中止しているが?」と国連事務総長の見解を質した。「詳細はWHOに聞いてくれ」と、報道官は答えた。エブリン記者が、「中国が国連事務総長に、国連PKO、特にアフリカに展開している国連PKOに、中国製ワクチン30万回分を寄贈すると言ってるが?」と聞いた。報道官は、「我々は中国の気前のいい申し出に、大変感謝している。詳細は中国国連代表に聞いてくれ」と、中国に謝辞を述べた。
3月11日には、東京五輪参加者へのワクチン提供を中国が国際オリンピック委員会(IOC)に申し出て、IOC から感謝されています。
③ シノファームにします?それともシノヴァク?、新製品もありますよ!:
中国は国営シノファーム・ワクチンや民営シノヴァクに続いて、2,3種の新ワクチンを
治験中で、ほどなく市販する予定だ。(BBC TV やロイターなどなど参照してください)
「中国製ワクチンは他国製ワクチンに比べて、遥かにお得です!」と、中国は宣伝する。
1-米国ファイザー・ワクチンがマイナス70度、モデルナ製はマイナス20度で保管する必要がある。しかし中国ワクチンやオックスフォードのアストラゼネカ・ワクチンは、摂氏2~8度という通常の冷蔵庫の温度で保管できる。超低温環境で大量のワクチンを保管するのが難しい発展途上国では、手がかからないお得なワクチンだ。
2-ワクチンの効き目に関して、どの国のワクチンも即席製造を先行させ、薬品に必須とされる臨床実験を省いておりブッツケ人体実験中で同じレベル。中国産は治験がやや長い。
3-ワクチンの副反応や後遺症など、どのワクチンもブッツケ本番現在進行中で、結果は未だ出ていない。遺伝子組み換え人間に関しては、中国産も含めて子や孫の代まで検証が必要で、中国産とはいっても占えない。
4-中国製ワクチンは無料だ。他国のワクチンは誰かが金を払う。正にお得なワクチンだ。
習近平国家主席は先に、アフリカ大陸に20億$、中南米諸国に10億$のワクチン融資を行うと発表したそうだ。
以上、貧しい庶民には中国ワクチンがよさげに見えます。
シノファームは、UAE(アラブ首長国連邦)やバハレーンなどの承認を受け、モロッコでは3月17日までで中国製とインド製ワクチンにより、4,244,651人が第一回目の接種を受けたと発表している。シノファームはアルゼンチンが承認し、2月4日付け「ラ・ナシオン」ネット紙が、「中国は3,000万回接種分の契約とし、ワクチン2回接種分の定価は、ロシア製ワクチン<スプートニクV>の2倍で40$(中国払い?)」と報じている。
新製品シノヴァクもシンガポールやマレーシアやフィリピンなどと契約を結び、トルコも緊急使用向けに承認している。このほか、ブラジルやチリとも、供給契約を結んだ。2021年1月からインドネシアで、シノヴァク・ワクチンを使った大規模なワクチン接種作戦が始まっている。
シノヴァクは死んだウイルスの一部を使って体の免疫系を刺激するもので、接種しても深刻な症状が現れることはまずないと、同社では宣伝している。シンガポール・南洋理工大学のルオ・ダハイ准教授はBBCの取材で、「コロナヴァクは狂犬病ワクチンなど、よく知られたワクチンで使われ成功している、伝統的な手法を使っている」と語っている。
シノヴァクの会長は毎年3億回分のワクチンを生産すると、公言している。
新型コロナウィルスを世界中に蔓延らせた中国では感染が抑えられ、今度は中国製コロナワクチンで世界を制覇しようとしています。 さらに新型コロナウィルス変異種を流行らせ、旧コロナワクチンでは間に合わないよと警告を発し、新型コロナ変異種ワクチンの開発に手を染めています。 一方、旧新型コロナワクチン・アストラゼネカの副反応で、ワクチン生産国英国やその営業担当WHO(世界保健機関) はヨーロッパ市場で足踏みをしています。 この間、次々と新しいワクチンが産声を上げています。 インド血清研究所は、英国アストラゼネカとのライセンス契約に基づき<コビシールド>を生産しています。
コロナワクチン戦争の真っ最中、大英帝国は3月16日に突然、「核弾頭の上限をこれまでの180発から260発に引き上げる」と、発表しました。 「英国にも最低限の核抑止力が必要」だと言い訳をしていますが、、その心は??
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2021年3月18日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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