私の辺野古物語

韓国通信NO688

<民謡酒場で>
 那覇の民謡酒場にぶらりと入った時のこと。
 「おすすめ料理は?」とたずねたら、「自分で選びなさい」とまるで命令口調なのがおかしくて、店の女主人と予想もしない長話しをすることになった。夜8時過ぎというのに舞台のある大きな店の客は私ひとりだけだった。
 娘が三線を習っていると言ったら、とても打ち解けて、家族の話をしてくれた。彼女の親は石垣島から売られてきた。弟は当間武三という知られた芸人だという。印象深かったのは島による差別がとても多いこと。沖縄県ではないが奄美に対する差別は特にひどいという。
 食べものは山羊料理、それと古酒しか思い出せない。酔いが回ったころ、本土による沖縄に対する差別の話になった。
 「最低でも県外」という鳩山首相の発言は沖縄の人たちから大歓迎された。「こんな立派な首相はいない。」ギロリという言葉がぴったりの彼女の眼光と話し方に圧倒された。 
 それから3か月後の2010年5月、突然、首相が前言を撤回した。とっさに首相官邸前へ抗議にかけつけたのは沖縄を訪ねた余韻が残っていたからかも知れない<写真上/辺野古現地/左/官邸前抗議/撮影筆者>。