はや、もう四月、我が家に「新年度」という感覚はないが、3月22日、岸田総理は、閣議決定通りの新年度予算107.6兆円が成立したと頭を下げていた。税収65.2兆円に対して国債が36.9兆円という借金は増えるばかりだし、歳出では国債の償還と利払いで歳出全体の4分の1近い24・3兆円を占めるという最悪の財政が続いている。国債依存率は、補正でもっと増える可能性もあり、日本の国家財政における国債の占める位置は異常ではないか。
日本経済新聞(2021年12 月24日)より
報道では、新年度予算について、岸田総理は、デジタル、気候変動、イノベーション、科学技術、人への投資をはかり、「成長と分配の好循環」の持続可能性を自負しているらしいが、ケタの違う防衛費5.4兆円もわすれてはいけない。新年度予算のポイントとしての次の予算が、実際どのように使われ、あるいは使われずに残されるのかが、重要である。
①コロナ感染対策 95億
②看護・介護者賃金3%引き上げ 395億
③住民税非課税世帯学生らの授業料減免 6211億
④脱炭素 1468億
(電気自動車155億、省エネ住宅1113億、自治体支援200億)
⑤デジタル田園都市国家構想 1000億
上記は、目玉というにしては、②の看護・介護者賃金引き上げにしてもケタが違うし、③は授業料減免の申請条件や手続きがネックにならないか、④に至っては、関連企業の支援になっていても、生活困窮者には、まったく縁がない。⑤となると、トヨタあたりが熱心らしいが、地方の活性化の名のもとに、自然と人間との長い歴史をほんとに変えられるものなのか、私などは信じられない世界ではある。①のコロナ対策にしても、アベノマスク関連の無駄遣い、見切り発車のコロナ治療薬アビガンへの投資、自宅療養者の不安などは、仕方がなかったことなのか。本来の目的を果たす使われ方をするのだろうか、不安は尽きない。不祥事が起きれば、会社も、行政も、大学も、第三者委員会とやらが設置されるが、「自浄」作用が機能しないことが当たり前になってしまったのか。
旧聞に属するが、 お彼岸の中日だったか、やや肌寒い夜、自転車置き場に、黒い動くもの・・・。私の手を広げたほどの大きさだ。懐中電灯に驚く様子もない。ウシガエル? カエルなら近くの中学校のプール辺りでよく鳴いているし、遠くの田んぼに水が入る頃には、その声が聞こえてくるのは毎年のこと。しかし、ウシガエルの声は、ちょっとそれとは違う。それにしても愛らしい顔をしているではないか。ともかく、水辺がよかろうと、夫は、塵取りに乗せて、中学校のプール沿いの垣根の下にと置きに行った。我が家への珍客、彼岸の夜の訪問者だった。
初出:「内野光子のブログ」2022.4.2より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2022/04/post-d51c74.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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