在メルボルンの田中利幸さんの最新ブログの紹介です。
日英「立憲君主制比較 ― 「土地の権利」と「血の権利」のギャップ ―
http://yjtanaka.blogspot.com/2022/12/blog-post.html
◆今月札幌では<12月17日(土)エルプラザ>にて女性史研究家の鈴木裕子(早稲田大学ジェンダー研究所招聘研究員)さんによる講演【「天皇制を考える」主にジェンダーの視点から】があります。(開場13:30/開演14:00、参加費:800円高校生以下500円 主催:日本の戦後責任を清算するため行動する北海道の会)
ちなみに、「退位する明仁天皇への公開書簡」で注目を集めた田中利幸さんは3年前の、2019年8月に札幌の同じ会場で「いま考えよう、万人平等と天皇制―天皇制廃止に向けての第一歩」の講演会に駆けつけて来てくれました。この日は、思想家の花崎皋平さんをはじめ、植村隆さん増田都子さん安積遊歩さん谷百合子さんキムシガンさんの発言もありました。
ちょうどその年、田中さんは「わたしたちはなぜ、戦争責任問題を解決できないのか」という副題の『検証「戦後民主主義」』(三一書房360ページ 2019)を上梓したばかりでした。来年1月にはそれを大幅に増補した英語版がスイスに本部を置く国際出版会社Peter Langから出版されるそうです。ご参考に、ジョン・ダワーの推薦文と出版社の紹介文を掲げておきます。新著英語版は、田中利幸著 『Entwined Atrocities: New Insights into the U.S.–Japan Alliance』(『絡みあう残虐行為:日米同盟の新たな洞察』とでもいうのでしょうか。松元)
◆ジョンW.ダワー・レビュー「Yuki
Tanaka(田中利幸)の今回の著書は、これまでの彼の研究にとって重要な要素であったいくつかの枢要な問題を密接に関連づけるという点で、真に独創的である。一つは、日本の残虐行為と戦争犯罪である。もう一つは、米国の戦略的核攻撃による民間人殺害の犯罪性である。第三は、天皇の戦争責任に関する戦後直後の日米両国による隠蔽工作(そしてこれがアメリカの空爆の非道な性質の隠蔽工作とどのように結びついているか)である。第四に、この二重の隠蔽体質が、いわゆる平和憲法(1947年施行)に固有の矛盾を生み出し、それが現在も改正されずに残っている。最後に、このダイナミックな連関を理解することで、現在の日本の民主主義の欠陥と失敗をよりよく理解することができるという点に焦点を当てる。このような複雑かつ密接な比較分析は、現代の日米研究において前例がない。これは間違いなく、真剣に耳を傾けるに値する。」—マサチューセッツ工科大学人文科学部名誉教授ー、ちなみに英訳本の「前書き」にもなっている。出版社より
◆出版社紹介文「広島と長崎の原爆投下をテーマにした本は、これまでに数多く出版されています。しかし、米国が無差別爆撃の犯罪を正当化し、裕仁の戦争責任を隠蔽するための日本の原爆利用との関係という文脈で、都市空襲と原爆投下について書いた人は誰もいません。さらに、昭和の戦争犯罪の隠蔽と米国の責任との間の日本の平和憲法の根本的な矛盾を分析した人は誰もいません。
読者は、日米の公式戦争記憶がそれぞれの戦時中のパフォーマンスを正当化するためにどのように作成されたかを学び、日米の現在の民主主義の欠陥と失敗を明らかにします。また、本書は、日本の伝統芸能である能をはじめとする様々な形態の芸術作品を用いて、日本人が戦争の真に強力な文化的記憶をどのように作り出すことができるかを探ります。歴史家(近代アメリカ史と日本史の専門家)、憲法学者、学生、平和と反核活動家、知識人、そして一般の読者など、多くの読者にアピールするはずです。」(これは機械翻訳)
ついでに、8月14日の「国葬は民主主義を破壊する」もどうぞ。」
http://yjtanaka.blogspot.com/2022/08/blog-post.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion12610:221206〕