4月18日のNHKG7外相共同声明によると、「良質で信頼できる情報へのアクセスがカギになる、、」と、あります。 アメリカが草案した、あるいはアメリカに忖度した共同声明の言う<良質で信頼できる情報>とは、<アメリカが発信する情報>を暗示するようです。 4月10日にリークされてしまった<米国防総省の機密文書>によると、米軍は信頼すべきウクライナが流す情報を疑ってかかっているそうです。 米軍が待ち望んでいる情報とは、<プーチン暗殺>とか<プーチン政権崩壊>とかで、米軍の相乗りもやぶさかしないようです。 イスラエルの参戦を誘う方策も、待望事項の一つだそうです。
BBC—TVがリークの一部分をリークしていますが、できることなら全容を知りたいものです。
① BRICSブリックスに注目!:
「ロシアが、国際的な支持を得るために、偽の情報を使用していると強く非難」と、G7外相共同声明にバイデン米政権の意図が表明されている。
しかし、「米同盟国は下僕ではない」と、マクロン・フランス大統領は名言を発しているのだ。この言葉は、4月12日のオランダ訪問時でも繰り返され、「自分たち自身で考える権利がないということにはならない」とマクロンは念を押した。これは偽の情報ではない。
4月15日、ロイター通信はルーラ・ブラジル大統領が「アメリカは戦争を煽るのをやめて、和平を協議し始めるべきだ」と主張し、和平を仲介する国のグループの創設を改めて提言したと伝えた。これも偽の情報ではない。
4月17日からラブロフ・。ロシア外相は、ブラジル、ベネズエラ、ニカラグア、キューバを歴訪した。そして、妨害していたアメリカがやっとビザを下ろしたので、ニューヨークの国連本部に入る。4月24日には、「国連憲章の原則の擁護」と題した公開討論を国連安保理で主催する。4月25日にはパレスチナ紛争を中心に、中東問題の議長を国連安保理で務める。これもまた、偽の情報ではない。
さて、ウクライナ停戦仲介役の母体に、中国もブラジルもBRICSブリックスを念頭に置いているようだ。BRICSブリックスとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカが参画する政治経済外交組織だ。2001年にブラジル、ロシア、インド、中国の4か国の組織をBRICsブリックスと命名したアメリカ証券会社ゴールドマン・サックスは、人口が多く賃金が安く豊かな資源を持つこの新興国組織の台頭を予測して、BRICsに注目し続けた。2011年の南アフリカ参加で、BRICS現体制が確立された。BRICKSブリックスは、欧米主導の国際秩序や外交交渉に対抗するため、毎年首脳会議を開いてきた、2014年には第二次世界大戦後の世界経済・国際金融を支えてきた国際通貨基金(IMF)・世界銀行(国際復興開発銀行)と一線を画す、「NDB新開発銀行(BRICS銀行)」を創設した。NDBは、アジア、アフリカ、中南米など開発途上国のインフラ整備のための融資を目的としている。2022年には、イラン、アルゼンチン、アルジェリアがBRICS 加盟を申請した。
G7外相サミットの共同声明では、「<グローバル・サウス>と呼ばれる新興国や途上国を念頭にした支援」を、高飛車に唱えている。が、BRICS はその<グローバルサウス>を中心にした、G7の<グローバルノース>に対抗する新興勢力だ。2050年には<グローバル・サウス>と<グローバル。ノース>の逆転劇が見られると、BRICS名付け親の米証券会社ゴールドマン・サックスが予測している。
4月13日から15日にかけてコロンビアの首都ボゴタで開催された
「サンパウロ・フォーラム」のポスター
② BRICKSブリックスが支える、ラテンアメリカとカリブ海に注目!!:
2023年4月1日のSPS(西サハラ難民通信)が、ラテンアメリカとカリブ海担当西サハラ大使モハメド・アズルークの情報として、「コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領がSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)はオブザーバーメンバーとしてイベロアメリカサミットに参加する気はないかと、打診してきた」と、伝えた。SADRは「この招待を喜んで受け入れる」と述べ、スペイン政府の反対にもかかわらず、20か国が集まるイベロアメリカサミットにオブザーバーメンバーとして参加することを決定した。
イベロアメリカとは、狭義ではスペイン語やポルトガル語を話す、かつてスペインやポルトガルの植民地だった中南米諸国を指し、広義では、それにスペインやポルトガルや赤道ギニアも含まれる。
4月8日にチリ・サンティアゴで開かれた、PLACSO(ラテンアメリカおよびカリブ海諸国との連帯プラットフォーム) は、イベロアメリカサミットへのSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国) の参加を承認した。チリのPLACSOディレクター、エステバン・シルバは、<最後のアフリカ植民地>を招待することは、スペイン語を話すアフリカの人々との連帯を意味する。そして我々は、独立を目指し闘っている人々から熱い支持を受けることができる」と、述べた。
「次回のイベロアメリカサミットでは、SADRをオブザーバーとして含め、進行中の脱植民地化プロセスが取り上げ、西サハラ人の自決権を尊重し続けることを議題にする」と、PLACSOのディレクターは結論付けた。
4月15日から16日にかけてコロンビアの首都ボゴタで開催された<サンパウロフォーラム>の作業部会は、サハラ・アラブ民主共和国とラテンアメリカおよびカリブ海諸国の政府との友好関係を強化することを確認した。<サンパウロフォーラム>には、西サハラ・オブザーバーを含む、ラテンアメリカとカリブ海の27か国から数百の政治勢力が参加した、
元西サハラ植民地宗主国のスペインは、1975年に西サハラ植民地を、国連勧告にも拘らず無責任にも放り出した。1991年、国連安保理の努力で<国連西サハラ人民投票>という和平案が提案されると、国連和平解決を支持するようになった。が、2022年3月18日、突然、サンチェス・スペイン首相がモロッコ国王の賄賂と恐喝に屈し、<モロッコの西サハラ領有権>を認めてしまった。2022年末の<モロッコゲートEU汚職>事件以降、外交活動を規制されているモロッコ王室の代理で、習首席に会いに行かされたり、EUやUNやUSで働かされているようだ、、
③ イベロアメリカが支援する西サハラに注目!!!:
2023年4月19日午後, 国連安保理で、西サハラ紛争に関する非公開協議が行われた。詳しい状況を知りたくて、シデイ・オマル西サハラ国連代表 兼 MINURSO(ミヌルソ国連西サハラ人民投票監視団)代表に連絡を取ったら、「私は参加できない。国連安保理で行われるMINURSOの協議は非公開で、安保理理事国メンバー以外は参加できない」という返事だった。結局、当事者抜きで、国連事務総長西サハラ個人特使とMINURSO・PKO団長の二人による報告を聞いて残り半年の任務を任せるという、毎度お馴染み当たり障りのない結論でさっさと非公開協議を処理し、失敗したスーダン停戦に対処しないと、、しかも、21日の金曜日から断食月明けの祭日が始まる、国連職員は休暇を返上したくない、。
しかし、この職に就いて2年足らずのお二人が、47年間続いている西サハラ紛争を国連安保理で、どう語るのだろうか?、、国連安保理非公開協議をいいことに、MAPモロッコ国営通信は、「信頼すべき筋によると、国連安保理のモロッコ・サハラ地域紛争に関する非公開協議では、モロッコ領土内での地方自治案が、多くのメンバー国によって圧倒的に支持された」と、発表した。「信頼すべき筋によると、報告者スタファン・デミストラ国連事務総長個人特使は、3月にモロッコとアルジェリアとモーリタニアの関係者と会合し、和平合意に向けて関係者による円卓会議の設定について話し合った」と、MAPは西サハラを外して、続けた。モロッコ・サハラ地方自治案を強引に既成事実化しようとするモロッコの悪略だ。
半年前の2022年10月31日に、国連安保理は決議2654(2022)を採択し、「西サハラの人々の自決を可能にする公正で永続的かつ相互に受け入れられる政治的解決策に到達する」ことを目的として、前提条件なしで誠実に事務総長の後援の下6か月以内に交渉を再開するよう求め、経過報告を求めたが、国連事務総長西サハラ個人特使は未だに交渉を再開していない。それどころか、まともな報告もせず、記者会見もせず、無為無策に半年を過ごしてしまった。
国連事務総長も国連安保理も、イベロアメリカとBRICSブリックスが注目する西サハラを、もっと真摯に扱って欲しい。
断食月明けの72時間スーダン停戦は、守られなかったようです。
大部分のイスラム教諸国で、断食月が明け、楽しいお祭りム―ドに入りました。
「アッサラーム・アライコム!(あなたに平和が訪れますように!)」
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年4月22日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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