SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】635 東ティモールで国連脱植民地会議

 5月20日の東ティモール独立記念日に合わせて、国連脱植民地化第4(24)委員会が開催されました。 未だに植民地支配下にあって理不尽な日常生活を強いられている17地域の人々が、同じように屈辱的な立場にあった東ティモールの人々から歓待を受けました。 

 委員会への参加者は、夫々、故郷の占領状況を訴えました。 そして、異口同音に、イスラエルの占領政策とその残忍な飢餓作戦を、強く、批難しました。

① イスラエル占領地・ガザでの<ガザ人道財団>大失敗、カオス(大混乱)工作大成功:

 国際社会の兵糧攻め非難を交わすため、ネタニヤフとトランプはガザへの援助物資提供で、米国が支援する民間企業の「ガザ人道財団(GHF)」偽善団体を2025年2月にスイス・ジュネーブででっち上げた。金儲けとカオス目的のこの団体は、「最初の90日間で約3億食を配布すると、豪語した。国連も他の国際支援機関も協力を拒否した。既に、国連の援助物資はイスラエル検問所に集まり、イスラエル軍が検問所を開けるだけで物資は届く状態になっているのだ。新たに援助物資商売を立ち上げる意義も余裕も、国連にはない。

 ところが、5月25日になって、同財団責任者のジェイク・ウッド事務局長は、「人道的原則に則った形で使命を果たすことはできないと判断し、辞任せざるを得ない」と、声明発表し退陣した。それでも「トランプ・ネタニヤフ・GHFガザ人道財団」は、5月27日、予定通りガザ南部のラファに、GHFマークが入った段ボールを送った。

 イスラエル軍が指定した配給場所はアメリカ民間軍事傭兵に固められていた。数千人以上の腹をすかせたガザの人々が砂煙をもうもうとあげて殺到した。イスラエル軍はヘリコプターから発泡した。この日イスラエル軍はガザ住民の3人を殺し46人に重傷を負わせた。

 GHF(ガザ人道財団)が、ガザの人々を助けるために段ボールを用意したわけではない。雀の涙にも満たない、ごくごく少数の選ばれた人だけが。段ボールにありついた。そして、GHFが5人家族三日分と宣伝する段ボールの中には、パスタが少量、コメが少量、食用油が小瓶一つ、豆少量、トマトが数個、中身が不明の小さい缶詰に小さい瓶詰、、「子供たちは、父ちゃん腹が減ったとしがみついてくるし、血を売ってしのいだが、もう、血を売る病院もなくなってしまった、食料を絶たれた俺たちは死ぬだけだ、、」ガザの父は、空段ボールを蹴飛ばした。ネタニヤフのGaza Aid Caos(ガザ援助大混乱)は、大成功した。

 餓死を待つガザ市民と対照的な太った大富豪トランプは、トランプ暗号資産(仮想通貨豪華晩餐会を開き、6月14日には税金を使って陸軍250周年を兼ねた大軍事パレードで自身の誕生祝いをする、、陸軍によると当日は車両約150台、軍用機50機のほか、約6600人の兵士が参加する予定だ。トランプによると、「たいした金ではない」そうだ。だったら、自分の誕生祝いぐらいポケットマネーでやってくださいよ!意外とケチだね!

② 東ティモール開催の国連第24(第4)脱植民地化委員会:

 アジアにある東ティモールは、約27年間の独立闘争を経て、2002年5月20日に占領国インドネシアから独立した。それ以前は1975年11月28日までヨーロッパのポルトガルに植民地支配されていた。西サハラも同様に、1975年までヨーロッパのスペイン植民地支配下にあり、その後、モロッコに占領され、現在に至るまで独立闘争を続けている。東ティモールも西サハラも石油と天然ガスなどの地下資源に恵まれている。

 5月20日に東ティモールの首都ディリで、<国連脱植民地化第24委員会による太平洋地域会議>が開幕した。会議には、MINURSOミヌルソ(国連西サハラ人民投票監視団)西サハラ側調整官のシディ・モハメド・オマル西サハラ国連代表とアバ・マエライニン駐東ティモール西サハラ大使が参加した。

       記念に貰ったマフラーを巻いてPTTL東ティモール国営放送に出演した、               オマル西サハラ国連代表

 「モロッコ占領国家は、占領した西サハラが<奇跡的に>地上の楽園に変わったと常に宣伝している。が、これは典型的な植民地主義者の嘘であり、<砂上の楼閣>に過ぎない」と、オマル西サハラ国連代表は会議で語った。さらに代表は、「モロッコ占領地・西サハラの西サハラ被占領民は、凶悪な人権侵害だけでなく、西サハラの文化的アイデンティティと遺産を略奪され、奴隷扱いを受けている」と、強調した。オマル国連代表による現地報告は、会議参加者たちの共感を呼び、西サハラ独立闘争に対する強い支援の声を巻き起こした。

 アルジェリア、アンゴラ、ベリーズ、ボリビア、キューバ、ナミビア、ニカラグア、南アフリカ、東ティモール、ベネズエラ、ジンバブエ、エチオピアは、サハラの人々の自決と独立に対する不可侵の権利に対する強い支持を表明した。また、関連する国連決議に従って、西サハラ人民の民族自決権行使となる国民投票の実施を迅速化するよう迫った。サハラ占領地域における人権状況を案じる参加各国は、特別委員会に対し、西サハラへの公式訪問が1975年以降、行われていないことを踏まえ、状況を直接見て国連総会に報告するための訪問団を西サハラに派遣するよう要請した。

③ 東ティモール国連脱植民地委員会・大成功、モロッコ代表の大失敗:

 会議の閉会式では、東ティモール共和国のケイ・ララ・シャナナ・グスマン首相が挨拶し、「西サハラとの連帯に関する<アジア・太平洋地域会議>が開催されたことは、東ティモールの西サハラへの連帯を象徴するものだ」と、強調した。

 東ティモール首相はまた、会議参加者に、占領と植民地主義に苦しむ地域における植民地主義のあらゆる兆候を終わらせるため、国際的な連帯を呼びかけた。そして、ケイ・ララ・シャナナ・グスマン・東ティモール首相は、アフリカ最後の植民地の脱植民地化に対する責任を国連に求めた。

 西サハラ植民地支配国・モロッコも東ティモール国連脱植民地化委員会に参加した。いつものように、委員会潰しを企んだが、参加した国々がモロッコの悪巧みに反発し失敗!

 イスラエルから政治的軍事的外交的な工作指導を受けるモロッコも、今回ばかりはデマを撒き散らすことができず、MAPモロッコ通信は視点をずらせて報告せざるをえなかった。

 MAPは「-最近、東ティモールのディリで作業を終了した国連24委員会(C24)の地域会議は、2つの答弁権という形で、通常のモロッコとアルジェリアの口論によって特徴づけられた」と、50近い国と地域の代表による国連脱植民地化委員会の意義ある討論を、モロッコとライバル国アルジェリアの単なる口喧嘩と蔑んだ。

 MAPはヒラール・モロッコ国連大使の発言のみを取り上げ、「彼ヒラールは、<誰がポリサリオ>を作り出したのか?と問いかけ、それは<アルジェリア>と答えさせ、<どこにあるのか?>と問い、<アルジェリア>と言わせ、<誰が金を出しているのか?>と問い、<アルジェリア>との言質を取った」と、発表した。

 MAPは、「彼オマルは、<アルジェリアの物語は2000年に止まり、古いソフトウェアを使用している>と批判し、<なぜアルジェリアは2000年以降の物語を無視するのか?>と問いかけ、<それが国民投票の死を認め、モロッコの自治イニシアチブの卓越性を認め、アルジェリアに明確に責任を負わせ、その立場の基盤と矛盾するからだ>と、彼は答えた」

 MAPは、「彼オマルは、<現在、アルジェは不安定化のメッカだ。それはテロリスト集団、分離主義、そして自国に対して武器を取りたいと願う全ての人々のメッカだ、、アルジェリアのマグレブとサヘル地域における不安定化政策は、アフリカにおけるアルカイダとダーイシュ(ISISイスラム過激派)のテロリズムの広範な道を開いた」と、ヒラール・モロッコ国連大使の自作自演の自問自答ひとり芝居を紹介した。

 何の証拠も無しにテロリストのレッテルを貼るモロッコ国連大使の工作は、トランプ・ネタニヤフ連合軍にやり方にそっくりです。

 「プーチンはクレージー!」と、トランプ米大統領はクレージーに喚きました。

 「一人も、子供も、残すな!」と、ベン・グヴィル・イスラエル国家安全保障大臣は、5月26日<エルサレムの日>にイスラエル国旗を振ってクレージーなユダヤ教徒に、パレスチナ民族浄化をクレージーに煽りました。

 【主はあなたに油を注いでイスラエルの王とされた。そして主はあなたに使命を授け、つかわして言われた、行って、罪びとなるアマレクびとを滅ぼし尽せ。彼らを皆殺しにするまで戦え』(旧約聖書サムエル15章17節~)

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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。                                   著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、                  定価:本体1,800円+税、                                              発行人:松田健二、                                                     発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861

同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。

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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。                        「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc                        「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。               「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo                       「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2025年5月31日                   SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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