SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】641 トランプが虐めるBRICSブリックス

 2025年7月9日、トランプ米大統領は新たに8か国に対する関税書簡を自身のSNSで公表しました。 関税率は、ブラジルが50%、アルジェリア、イラク、リビア、スリランカが30%、ブルネイとモルドバが25%、フィリピンが20%だそうです。 

 友好国?日本には7月8日、関税率25%と公表しましたが、TACOの異名を取るトランプ商会のゴッドファーザーは、また、コロッと変わるかもしれません、、

 TACOとは、「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもビビってやめる)」の頭文字を取った言葉で、フィナンシャル・タイムズ・コラムニストのロバート・アームストロング氏による造語らしいです。

① トランプ商会のマフィア式脅し商売:

 BRICS(ブリックス)首脳会議を主催するブラジルのルラ大統領は、7月6日の開会演説で、米国第一主義を掲げるトランプ米政権を念頭に、「多国間主義が攻撃を受けており、われわれの自主性も脅威にさらされている」と主張した。そして、BRICS(ブリックス)加盟国の結束の重要性を強調した。 リオ宣言ではイランに対する米国とイスラエルの攻撃に「国際法や国連憲章違反であり、中東でのさらなる緊張激化に強い懸念を表明する」と非難した。また、米国による各国への関税強化については「貿易をゆがめ、世界貿易機関(WTO)のルールに反する一方的な関税措置を深く懸念している」と批判した。

 7月6日と7日のBRICS(ブリックス)首脳会議には36カ国・地域の関係者約4,000人が集まった。 新興経済国で構成されているBRICS(ブリックス)は、世界人口の46%、世界GDPの37%を占める。 BRICS(ブリックス)当初の加盟国はブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国だった。さらにエジプト、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エチオピア、インドネシア、イランも加盟し11か国になっている。加えてパートナー国として、ベラルーシ、ボリビア、カザフスタン、キューバ、マレーシア、ナイジェリア、タイ、ウガンダ、ウズベキスタン、ベトナムが参加している。

 「BRICS(ブリックス)に加盟する国は、加盟しているという理由で10%の関税がかかる」と、ブラジル・リオ(リオデジャネイロ)BRICS(ブリックス)首脳会議を潰すため、トランプ商会のゴッドファーザーは脅しをかけた。リオBRICS(ブリックス)首脳会議を主催するルラ・ブラジル大統領は、と、トランプ商会の汚いマフィア商法を非難した。そして、「不法な関税をかけられた国だって、報復措置を講じることができるんだゾ」と、反発した。

ブラジル・リオデジャネイロBRICS(ブリックス)のロゴマーク

 トランプ商会のゴッドファーザーはSNS に、ルラ・ブラジル大統領への関税通知書を添付したうえで、「米国を含む世界から尊敬されるボルソナーロ元ブラジル大統領に対するブラジルの扱いは、国際的な恥だ。この裁判は行われるべきではない。魔女狩りは即刻やめるべきだ」と。言及した。ボルソナーロ元ブラジル大統領は一連の不祥事でブラジルの裁判にかけられている。トランプ・ゴッドファーザーが「裁判を止めろ!」と、ネタニヤフ・イスラエル首相の汚職裁判にも口出しをするのは、自分自身の名前が、ニューヨーク州裁判所所有の少女売春顧客名簿(別名エプスタイン・リスト)に載っているからだ。

 トランプのブラジル国内裁判への干渉にルラ・ブラジル大統領は、「ブラジルの司法機関の管轄事項であり、国家機関の独立性を損なういかなる干渉や脅迫にも服さない」との声明を出した。

 トランプ・ゴッドファーザーは、第一期の時も、ベネズエラの原油を狙って傀儡政権を作りマロウド大統領打倒を工作したが、失敗。今も執念深くベネズエラ原油を狙い続け、ベネズエラ移民をギャング集団だと決めつけ、エルサルバドルなどのメガ刑務所に送り込んでいる。

② 国連もリオBRICS(ブリックス)に参加:

 7月7日の国連定例記者会見で報道官は、「ハ~イ、今、事務総長はどこにいますか?」と、記者陣に問いかけ、「リオ」「リオ」と声が返ってくると、「ご正解!!事務総長はブラジルのリオデジャネイロにいて、BRICS(ブリクス)第17回サミットに出席している。事務総長は6日に開催される<多国間主義、経済・金融問題、人工知能の強化>に関する講演を頼まれ招待された。講演で「気候温暖化対策資金の拠出は<先進国の途上国に対する責任だ>」と、事務総長は強調した。 

 また、「事務総長は、ブラジルが提案した国際熱帯雨林保護基金<トロピカル・フォレスト・フォーエバー・ファシリティー(TFFF)>に対する支持についても言及した。中国とアラブ首長国連邦(UAE)は同基金に資金を拠出する意向を示している。」と、報じた。

 さらに報道官は、「アントニオ・グテーレス事務総長が、私たちの環境があらゆる面で攻撃されていると警告した。各国政府が、COP(締約国会議)の進展、特に資金に関する前向きな合意に達することが必要であると強調し、COP30を成功させる必要があると付け加えた。今年はブラジルでCOP30が開催される。」と、宣伝した。事務総長懸案の地球温暖化問題が、国際会議で、しかも反米色が強いBRICS(ブリックス)で大きく取り上げられたことに、事務総長はご満悦だった。「首脳会議の最終日となった7日も、気候変動問題に集中して取り組んだ。」と、報道官は、事務総長の気候温暖化問題での活躍ぶりを報告した。

 が、民主党が支援してきた気候温暖化問題は、トランプゴッドファーザーにとって無駄な敵の物件で、容赦なくぶっ潰す方針だ。敵に与する国連事務総長への報復に、トランプゴッドファーザーはネタニヤフ・イスラエル軍によるガザ市民虐殺を煽った。

 7月10日朝、ネタニヤフ軍はガザ中部のデイル・アル・バラフで、栄養補助食品を手に入れようと診療所前で並んでいた子供たちを空爆した。15人以上が殺された。

③ トランプが西アフリカ首脳5人を昼食招待

 7月9日、トランプ・ゴッドファーザーは、米国のアフリカ人道援助大削減の一方で、ホワイトハウスのランチに、ガボン、ギニアビサウ、セネガル、モーリタニア、リベリア、と、西アフリカの大統領を招待した。

 トランプ・ゴッドファーザー は、コンゴ民主共和国とルワンダがホワイトハウスで和平合意をしたことを自画自賛し、平和の大統領をアピールした。コンゴもルワンダも西アフリカではない。が、5人の大統領はそのお門違いには触れず、西アフリカの経済協力、とりわけ未開発の天然資源を宣伝した。

 「テロと戦うにはアメリカの高性能兵器、道路や鉄道などの大型工事にはアメリカ製大型土木重機」と、トランプ・ゴッドファーザーは、米国製品を売り込んだ。

 抜け目のない記者が、「ノーベル平和賞ノミネートに関して、米大統領のご意見は?アフリカ諸大統領のご意見は?」と、水を向けると、トランプ・ゴッドファーザーの顔がほころび、5人の大統領はトランプの和平努力を褒め称えた。セネガル大統領は「世界一のゴルフコースを作り招待したい、、」と、オベンチャラ、、。

 リベリアのジョセフ・ボアカイ大統領が英語でスピーチをやると、トランプ・ゴッドファーザーは、「素晴らしい!どこで勉強したんだ?嬉しいね」と、誉め、ボアカイ氏は笑顔で礼を言ったが、英語がリベリアの公用語であることには触れなかった。

 リベリアは、1822年にアメリカから<解放奴隷>というレッテルを貼られた黒人奴隷が移住させられ、黒人奴隷の再定住先となった。1847年にリベリアは独立し、アフリカ大陸でエチオピアと同様に植民地支配を受けなかった。リベリア国旗も星条旗の変形で、ゴッドファーザーはリベリアのことをご存知なかったようだ。<無知>を<I don’t know 私は知らない>の一言でのりきる御仁は、ランチ招待した大統領たちに、アメリカの移民を受け入れることを提案したそうです??

 アフリカ諸国は、厳しい独立戦争を戦って、植民地支配国から独立を勝ち取りました。

 リベリアを除く、西アフリカ招待4か国の元宗主国と独立年を紹介しておきます。

 ガボンはフランスから1960年に、ギニアビサウはポルトガルから1973年に、セネガルはフランスから1960年に、モーリタニアはフランスから1960年に、夫々、独立しました。 

 心から敬意を表します!

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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。                                  著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、                    定価:本体1,800円+税、                                             発行人:松田健二、                                                         発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861

同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。

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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。                          「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc                        「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。                 「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo                    「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2025年7月14日                     SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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