「私は、2週間お休みしま~す」と、ステファン・ドウジャリク国連事務総長報道官は、7月23日の国連定例記者会見室をニコニコしてバイバイしました。
イスラエル軍に包囲されたパレスチナのガザでは、この瞬間もガザ市民が砲弾と飢餓でなぎ倒されています、、国際社会の支援団体が、脅迫されたり拷問されたりしています、、
ニューヨーク国連の一部が、アメリカの拠出金未払いとアメリカの援助金大幅削減による資金不足で、ケニヤに引っ越しを迫られています、、
① 国連はパレスチナと西サハラの難民を見捨てたのか?:
1948年、祖国をイスラエルに追われたパレスチナ難民に、1967年、国連は二国家共存を柱にした<話し合いによる和平>を約束した。
1975年、祖国をモロッコに追われた西サハラ難民に、1991年、国連は西サハラ難民に<国連西サハラ人民投票>を両当事者の合意に基づいて約束した。
しかし、両当該地域で国連の和平解決は進展どころか大後退している。
パレスチナのガザでは、230万人のガザ難民を抹殺しようとする大虐殺ジェノサイドが、この瞬間もネタニヤフ・イスラエル軍の手で行われている。2023年10月7日に始まったネタニヤフ・ジェノサイドは2025年7月24日までに、509,029人を殺し、142,135人に重傷を負わせた。イスラエル軍は「テロリストを狙った」と、言うが、犠牲者の大部分は子供と女性と老人だ。
ネタニヤフは、空爆と砲弾と銃弾でガザ住民を殺すだけではない。盟友トランプと一緒にガザ住民殲滅飢餓作戦を強行中だ。ガザに入る全検問所はイスラエル軍の監視下にあり、ガザ住民への食料、水、燃料、医療、建材、その他、全ての物流をネタニヤフは止めた。そして、ネタニヤフ・トランプ軍団は国際社会の非難をかわすため、私兵を雇った民間企業が経営するGHF(ガザ人道財団)を創設し、トランプ流金儲けを企んだ。
GHF(ガザ人道財団)が、どれぐらい飢えたガザ住民に食料を届けたのか疑問だ。GHF(ガザ人道財団)の配給所では、2重3重のフェンスで作られた回廊を歩かされ、その間、私兵の一存で、狙い撃ちされる。7月24日だけで、食料を貰いに来た数百人のうち、約70人が殺された。
国連報道官は「トラックに近づいてくるガザの住民は、銃撃の的だ。イスラエル当局はOCHA(国連問題調整事務所)の職員に対して、懲罰的措置を下すと、ガザからの撤退を迫った」と、報告した。
7月23日、トランプが撤退したWHO(世界保健機関)は、「ガザの人口の大部分が飢えている」と発表した。
「ガザで生き残った人々は、歩く死体だ」と、フィリップ・ラザリーニUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)長官は、「ガザ市の子どもの5人に1人が栄養失調に陥っている」と、7月24日に警告を発した。トランプはUNRWA (国連パレスチナ難民救済事業機関) からも脱退している。109の援助団体は、「大量飢餓がガザ地区全土に広がり、援助団体で働く人々も栄養失調で衰弱している」と、連名で世界に訴えた。
子供たちは生ごみを探してゴミ捨て場をあさっている、、

食料と水を待つ少女、、この子たちを救おうヨ!
②「話せば分かる」か?:
7月24日の国連定例記者会見で、「イスラエル議会は、ヨルダン川西岸がユダヤ人の土地であることを示唆する法案を承認した。この法案について事務総長の見解は?」と、質問があった。「この承認は国際法的地位を持たない宣言だ。その地位はイスラエルとパレスチナの間の交渉を通じて解決されなければならない。領土の地位を変更または変更しようとする一方的な試みは許されない」と、副報道官が答えた。国連はイスラエルとパレスチナの直接交渉を勧める。が、イスラエルは話し合いたくない。
2025年7月28日、二国家解決策セミナーが国連安保理で開催される予定だ。国連事務総長が発言するそうだ。二国家解決策に反対のイスラエルは、話し合いに応じるのだろうか?
一方、22日にリスボンで会談した後、ブリタ・モロッコ外務大臣とポルトガルのランゲル・ポルトガル外務大臣が記者会見をした。「ムハンマド6世国王陛下の指導の下で生み出された国際的な勢いの一環としてサハラ砂漠(モロッコ独自の西サハラ呼称)に対するモロッコの主権と自治計画を、我々は支持している」と、共同発表をした。さらにランゲル・ポルトガル外務大臣は、「この紛争を解決するための最も信頼できる建設的な基盤として、モロッコの自治構想を全面的に支持する」と、表明した。しかし、国連規範によると、第三国との勝手な<領土の地位決定>は、<国際法的地位>にならない。<領土の地位>は、モロッコと西サハラという両当事者が交渉を通じて決めることだ。
モロッコに反発した西サハラ難民政府は、「モロッコは、1991年に締結された二国間協定を回避しようとする試みに加えて、国際法の無視、国連の決議、国際機関や裁判所の判決、等々に違反するモロッコに対して、世界各国の賛同を得ようとしている。しかし、国連とAUアフリカ連合は、平和的で現実的かつ合意に基づく解決策として、西サハラ人の人民投票を促している。」と、反論した。
さらに、西サハラ難民政府は、「東ティモール国民の自決権を支持する原則的かつ歴史的な立場、武力による領土の占領と併合の断固として拒否する立場、並びに管理軍としての地位と関連する国際的責任を維持する決意、などを元植民地宗主国ポルトガルに思い起こさせたい」と、声明をくくった
③ 「問答無用」のトランプ・ネタニヤフ連合軍:
ヘルツォーク・イスラエル大統領は、「わが国は<国際法に従って>人道支援を提供している、、イスラエルは米国とともに、GHF(ガザ人道財団) が運営する新しい援助システムを設立した」と、自画自賛した。しかし、食料は届いてない。
OCHA(国連問題調整事務所)によると、過去2カ月間、1,000人以上のパレスチナ人が食糧援助を受けようとした際にイスラエル軍によって殺害。766人は、米国の民間警備請負業者が運営し、イスラエルの軍事地帯内にあるGHFの4つの配送センターで殺された。
一方、アルジェリアの首都アルジェにある西サハラ大使館では、7月22日にアルジェリアのメディアを前にして、ヤスラム・ベイサット西サハラ難民政府外務大臣が、「モロッコには西サハラ問題の真の解決策を模索する誠実な政治的意志が欠けている」と、強調した。
そして、「SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)は、国連の努力や、紛争の法的性質を尊重し、国際法の原則と基礎に基づくその他の機関と積極的に協力していく、、モロッコ政府は、解決策を模索すると虚言する一方で、戦争をエスカレートさせ、弾圧を増大させ、天然資源略奪のペースを速め、西サハラの人々とその唯一の合法的代表であるポリサリオ戦線を悪者扱いすることに邁進している。」と、ヤスラム・ベイサット外務大臣は、モロッコを非難した。「モロッコの真の意図は、不法占領と植民地政策を合法化させることにある」と、外務大臣は言及した。
さらに西サハラ難民政府外務大臣は、「モロッコが本当に解決策を望むのであれば、国連安全保障理事会、国際司法裁判所、アフリカ司法裁判所、欧州連合司法裁判所、などの決議に含まれる約束を履行することだ。それが、最短の解決策だ」と、強調した。
7月23日の国連安保理で、のアマル・ベンジャマ・アルジェリア国連大使は、パレスチナ人の絶滅を目的としたイスラエルによる<残酷で意図的な>計画を、机を叩いて非難しました。 アルジェリアは、西サハラとパレスチナを変わらず支援しています。
ガザ難民の飢餓解決なくして、西サハラ問題の解決なし!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 定価:本体1,800円+税、 発行人:松田健二、 発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2025年7月26日 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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