SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】644 二か国共存

 2025年7月25日、ネタニヤフ。イスラエル首相は「なんて大胆な嘘でしょう。(我々に)ガザ飢餓作戦などなく、ガザには飢餓などありません」と、白々とヌケヌケと<大胆な嘘>をつきました。 オープンした自分のゴルフ場宣伝にやってきたトランプ米大統領は、スコットランドでキーア・スターマー英国首相との会談中、ネタニヤフの<噓>について質問され、「あの子たちはとてもお腹が空いているようだ、、ガザには本当の飢餓がある」と、や~っと、認めました。  

 ガザの飢餓を認めたんだから、トランプ。ゴッドファーザー、一刻も早くネタニヤフのガザ封鎖を止めさせてください!  ネタニヤフの虐殺を止めさせてください!! マフィアにも<義侠心>という情けがあるんでは?  

① パレスチナ国家承認より、二か国和平実現より、まず、ガザの飢餓を救おう!:

 7月28日、国連安保理でトム・フレッチャー国連緊急救援調整官は、「エジプトからの食料、医薬品、燃料に対する税関障壁の緩和や、国連人道護送隊の安全なルートの指定など、1週間の援助拡大を支援するというイスラエルの決定を歓迎はする。7月27日には一部の移動制限が緩和されたようで、約100台の食料トラックが回収されたとイスラエルは自慢した。が、飢饉と壊滅的な健康危機を食い止めるには圧倒的に不十分だ。膨大な量の援助が必要だ」と、強調した。しかも、積み荷は略奪され、やせ細った飢餓の人々には届いていない。

 略奪の犯人は、飢餓作戦を諦めないネタニヤフだ。「ガザを実行支配するハマスの仕業」と、またもやネタニヤフは嘘をつく。「ハマスはやってない」と、ガザ住民は怒り、トランプ・ネタニヤフ連合軍がでっち上げた<人道援助財団>の配給所で働く雇用人は、「イスラエル軍や傭兵が食料を貰おうと集まってきたガザ市民を、狙い撃ちした」と、証言している。

 7月28日の午後、<パレスチナ問題の平和的解決と二国家解決の実施に関する国連ハイレベル国際会議(別名、二か国共存会議)>に関して、会議提案国のフランスとサウジアラビアの外相による記者会見が行われた。国連記者会見室は久々に超満員だった。

 サウジアラビアのファイサル外相は、この文書について「すべての人々に平和と安全を約束するものだ」と述べ、9月の国連総会に向けて各国の支持を呼びかけた。

 さらにファイサル・サウジアラビア外相は、「パレスチナ民族の自決権は不可欠だ、、パレスチナ国家は当然、世界中が承認しなければならない、、<平和の男>と自称するトランプ米大統領は、停戦と平和に向けて働き続けるべきだ、、<アブラハム合意>に基づイスラエルとサウジアラビアの二か国正常化は ガザが停戦しガザの人々が包囲から解放されパレスチナ国家が承認された後、交渉する。」と、述べた。

 会議をボイコットしたネタニヤフ・イスラエル首相は、「結局、国連会議は、ハマスが悪者と結論づけることになるサ!」と、嘯いた。

② 国連事務総長は1867年の国連安保理決議を強調

 この日7月28日に国連総会で始まった<二か国共存会議>の冒頭で国連事務総長は。「本日の会議は、貴重で不可欠な機会です。私たちは、それが善意のレトリックの出し物にならないよう、心しなければならない。会議は、決定的な転換点として機能しなければならない。我々は、(イスラエルの)占領を終わらせ、二か国共存の実現に向けた不可逆的な進展を促進させなければならない。二か国共存策は、国際法に根ざした唯一の枠組みであり、この総会によって承認され、国際社会によって支持されている。

 具体的には、イスラエルとパレスチナは、国際法、国連決議、その他の関連協定に沿って、エルサレムを両国の首都として、1967年以前の境界線に基づいて、安全で認められた国境内で平和と安全の中で共存している。

 すべての国に認められ、国際社会に完全に統合された、独立した、隣接する、民主的で主権のある2つの国家。それは、イスラエル人とパレスチナ人の間の公正で永続的な平和への唯一の信頼できる道だ。そして、それはより広い中東全体の平和の必須条件だ。

 イスラエル、パレスチナ、その他の国々は、難しい決断を下さなければならないだろう。大胆で原則に基づいたリーダーシップがあらゆる側面に求められるだろう。私たちはその取り組みを奨励し、支援するためにここにいます。」と、国連事務総長は語った。

 そして、「イスラエル、パレスチナ、さらに全人類の人々にとってこの重要な大義を推進するために団結してくれてありがとう。特に、フランスとサウジ、ありがとう」と、感謝の念を表明した。

③ 二か国共存は西サハラにも:

 「ニューヨーク宣言」と題した成果文書も発表された。宣言には「2国家解決案の実現は国際法に従い、イスラエル人とパレスチナ人両方の正当な願望を満たす唯一の道だ。パレスチナ暫定自治政府によるヨルダン川西岸とガザ地区の統一の必要性を強調し、イスラム組織ハマスに対し、ガザ地区の支配をやめ武器を引き渡すよう求める。さらに、イスラエル政府に対しては東エルサレムを含む占領地でのすべての入植活動を直ちにやめるよう求める。」と、明記されている。
 今回の2か国共存会議の発案者マクロン・フランス大統領は、9月の総会でパレスチナ人の民族自決権を認め、パレスチナ国家の承認をするそうだ。 

 パレスチナの民族自決権を認める、そのマクロン氏が、2024年7月29日、モロッコ国王即位の祝辞に、<西サハラはモロッコ国王の物>と明記し、西サハラの民族自決権をはっきり否定した。モロッコ国王は大喜びし、ヨーロッパ諸国やアフリカ諸国にフランスを見習えと、モロッコ植民地の承認を促した。モロッコ占領地・西サハラの承認の見返りに、フランスは占領地の経済開発権を優先できるようになった、、

 2025年7月30日<即位の日>の前日にモロッコ国王は、即位26周年を記念して、<忠実な国民>に向けて演説した。西サハラについて、「モロッコのサハラ砂漠(西サハラのモロッコ呼称)をめぐる紛争の唯一の解決策と考えられている自治提案に対する国際的な支持が高まっていることを誇りに思っている。私は、サハラ砂漠に対するモロッコの主権の枠組みの中での、自治提案を支持する立場を示した友好的な英国とポルトガル共和国に感謝と配慮を表明する。」と、語った。

 アルジェリアに関してモロッコ国王は、「新興国としてのモロッコの地位を強化するという私たちの関心は、地域環境、特に兄弟のアルジェリア国民との近隣地域に対してオープンであり続けるというのが、私が繰り返すコミットメントだ」と、語った。

 モロッコ国王の目標は西サハラの略奪で、世界に先駆けモロッコ自治州案を認めたトランプ前期の<アブラハム合意>が礎になっている。ここにきて仇敵アルジェリアにすり寄るモロッコ国王と並行して、十ランプ氏はアルジェリアに接近してきた。

 <目立ちたがり屋のエマニュエル>と、エマニュエル・マクロン氏を馬鹿にしたがる、彼以上に目立ちたいトランプ氏は、9月の国連総会でパレスチナ国家承認を呼び掛けるマクロンを無視した。国家承認に向けた「パレスチナ問題の平和的解決と二国家解決の実施」の国連セミナーも、ガザ飢餓作戦主犯のネタニヤフともども不参加を決めた。国連全加盟国193のうち125か国が参加したセミナーは、7月30日に閉会した、各国が、ネタニヤフ・トランプ合同軍のガザ飢餓作戦を非難した。

 そして、トランプ氏は、フランスと仲が悪い天然ガス産出国アルジェリアに目を付けた。

 トランプ米大統領はアルジェリアに20%の関税をかけると脅しつつ、7月28日、マサド・ブロス・アフリカ中東アラブ問題担当上級顧問をアルジェリアに送り込んだ。彼は、トランプの次女テイファニーの義父で大金持ちの商売人である。このレバノン・アメリカ人は、紛れもなくトランプ・ファミリーの一員だ。

国連二か国共存会議で、パレスチナ民族自決権を支持し国歌承認を明言するアマル・ベンジャマ・アルジェリア国連大使

 トランプ米大統領は世界の非難をかわすため、ゴルフ仲間の不動産屋。スティーブ・ウィトコフ米大統領補佐官を再びイスラエルに送りました。 7月31日、ウィトコフ補佐官とマイク・ハカビー駐エルサレム米大使はイスラエル軍に守られてトランプ・ネタニヤフ合同軍が設置した<人道援助財団>の配給現場を視察しました。 「事故もなく援助作業は順調」と、また大嘘をつきました。 

 しかし、真実は、2023年10月7日に始まったガザ・ジェノサイドで、ネタニヤフ・イスラエル軍が殺したガザ住人の数は8月1日までに60,332人に上りました。傷つけた人は 147,643人を超えました  8月1日のBBCによると、ハマス経営のガザ保健省が発表しだそうです。 

 これは、戦争ではありません。 一方的な、大虐殺です。 大犯罪です!

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 「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。                                    著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、                  定価:本体1,800円+税、                                               発行人:松田健二、                                                    発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861

同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。

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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。                            「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc                          「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。                  「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo                        「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2025年8月2日                 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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