韓国通信NO775
絶滅危惧種となった自民党の醜い後継者争いと、相変わらず吠え続けるトランプから逃げだすように炎天下、自宅を後に駅へ向かった。

戦争抑止のための軍備増強、核戦争抑止のための核保有という欺瞞と、核使用をちらつかせるロシアとイスラエルに怒りをこめた。
高校3年生の時、日本中が安保反対一色になった。高校では「安保改定は是か非か」というテーマでクラス討論会、全校討論会が開かれ騒然となった。大学受験を前に、よく学び、よくデモに行った。当時、戦争抑止なんてばかなことを言う人間はいなかった。
忘れられないことがある。『君たちはどう生きるか』の著者、吉野源三郎さんが学校に来て「君たち高校生だって徴兵されるかも」と話したことがある。「まさか」と耳を疑った。あれから65年たって、アメリカに「台湾有事」を焚きつけられ、わが国はすっかり戦争モードへ。徴兵制度がにわかに現実味を帯び始めた。
ついに日本も敵基地攻撃能力を備え、徴兵制が議論されるところまできた。平和と憲法が危ないと高校生たちに熱く語った吉野さんが思い出される。
スタンディングをしながら参政党の演説を聞く羽目になった。「次点でしたが、これからも頑張りまぁす」と彼女は意気軒昂で次の選挙の決意を語った。主張は真逆でも参政党の元気さはかつての共産党と似ていた。
<あきらめない人たち>
スタンディングを始めてから10年になる。ビラなし、演説なし、ただプラカードを掲げるだけの1時間。プラカードの在庫も増えた。憲法、選挙、地球温暖化、ガザとウクライナの戦争、金権政治、原発、福島と多彩である。ほとんどの人が素通りする無関心と関心が交錯する駅頭は、私にとって現在と将来を考える貴重な場所と時間になっている。「戦時体制」にでもなったら、甘っちょろいスタンディングは吹き飛ばされるだろう。
頼りにできる野党を求めた市民たちの間隙を縫って、民主主義と無縁なファッショ政党が支持を伸ばした今回の参院選挙。緊急事態条項(非常事態宣言)を持つ憲法改正は目前、治安維持法の復活の予感もある。蹴散らされる前に、静かに粘り強く闘っていくしかない。きょうは8月6日。広島と長崎と福島の記憶を心に留めて伝えていきたい。
<トランプのボタン>
アメリカの大統領が核の発射ボタンを持っていることはよく知られている。あの人のことだ。心配になりませんか。眠れなくなりそうです。
初出:「リベラル21」2025.08.12より許可を得て転載
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