薄気味悪い悪役で数々の助演男優賞を取ったハビエル・バルデムと言うスペインの役者を知っていますか? そう、<ノーカントリー>の精神異常殺人鬼、<007スカイフォール>、<パイレーツ・オブ・カリビアン(最後の海賊)>などなど、、身の毛がよだちますね、、
しかし、ご本人は陽気なスポーツマンで、名門芸能一族の末裔です。
① ハビエル・バルデムって何者?:
ハビエル・バルデムは1969年にスペイン・カナリヤ諸島のラス・パルマスで生まれた。
祖父母の代から続く芸能一家で、叔父のファン・アントニオ・バルデムは映画監督、母は有名な大女優ピラール、自身も6才でデビューしている。牧場主の息子だった父は芸事に無関心で、<気まぐれな暴力亭主>とレッテルを貼られハビエルの誕生後すぐ出奔した。
役者ハビエルは、スペインでは敵役でなくもっぱら主役を務め、スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞を何度も受賞している。2000年の英語作品<夜になる前に>で、実在したキューバ出身アメリカ人作家でゲイのレイナルド・アレナスを演じ、ベネチア国際映画祭男優賞を獲得した。2004年のスペイン映画<海を飛ぶ夢>で実在の尊厳死活動家ラモン・サンペドロを演じ、下半身不随で寝たきり状態になった主人公の演技が再び絶賛され、二度目のベネチア国際映画祭 男優賞を受賞した。
そして2007年、<ノーカントリー>では、冷酷無比な精神異常の殺人鬼アントン・シガーを演じ、映画史に残る悪役として称賛され、スペイン人俳優として初めてゴールデングローブ賞助演男優賞、アカデミー賞助演男優賞を受賞した。2012年の007シリーズ第23作<スカイフォール>で悪役シルヴァを演じ、2017年の<パイレーツ。オブ・カリビアン>では無情な海賊ハンター・サラザールを演じた。
数々の主演作品でも、度々アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
2010年に結婚した大女優で超美貌のペネロペ・クルスと、夫婦揃ってアカデミー賞にノミネートされた。稀有な夫婦受賞は逃したが、一男一女を授かった。
② 国連記者クラブ賞って何?:
国連定例記者会見に参加する常連ジャーナリストは、特派員であれフリーランサーであれ、大部分がUNCA(国連特派員クラブ)に所属している。UNCA(国連特派員クラブ)は、国連および国連機関の最優秀ジャーナリスティック報道賞を、毎年、授与している。
今年の受賞者4人は、2025年12月12日、ニューヨークの国連本部で、アントニオ・グテーレス国連事務総長から賞を受取った。その一人に、役者のハビエル・バルデムが選ばれたのだ。国連は芸能興行に商売替えか?お祭り屋か?、、イイエ、ハビエルをジャーナリスト賞に選らんだのは、「環境保護活動への貢献:し特に海洋保護活動に熱心で、ドキュメンタリー映画の制作や広報活動にも積極的に参加し、。社会問題への意識:が高く、映画の中で社会的なテーマを扱い、観客に深いメッセージを届けてきた」と、審査当局は授与理由を延べている。
<ハビエル・バルデムUNCA(国連特派員クラブ)賞受賞>を速報したのは、スペインのウェブサイト<デイアリオ>で、<SPS>西サハラ難民キャンプのプレスサービスが即刻、転載した。ハビエルは受賞演説で、「西サハラの人々は重要な局面にあり、国際社会は彼らの自己決定権を、国際法と国連決議に基づいて再認識する必要がある」と、強調した。ハビエルはさらに、「報道と人権の擁護は占領下の人々の正当な大義を支援することと結びついており、自由な報道は違法を暴露し、犯罪に光を当てるという基本的な役割を果たしている」と指摘した。
「ジャーナリズムは単なるニュース伝達手段ではなく、遠く離れた人々の苦しみを伝え、遠く離れた場所で今、何が起きているのかを認識させ、現実をありのままに見る力を与える、媒体でなければならない。そして、苦しみの中で生きる人々の声に耳を傾け、彼らの人間的な物語を細部まで理解する義務があることを思い出させる道具だ」と、語った。
「真のグローバリズムは、人々の権利を認めることから生まれる。まずは、目の前にある、西サハラの人々が受けている迫害を暴露することから始めよう」と、ハビエルは呼びかけた。
③ <ラストコロニー>って、どんな映画?:
2012年12月14にニュースウィークで、「もう一本の映画にも注目して欲しい」と、バルデム自身が<ラストコロニー>を紹介していた。 11月に公開された、ハビエル・バルデムとアルバロ・ロンゴリアとが共同で製作したドキュメンタリー<ラスト・コロニー>は、2012年11月に一般公開された。

2012年に一般公開された、ハビエル・バルデム主演・監督・製作の{雲の息子たち・ラストコロニー」
13年前のニュースウィークは: 「映画のテーマは西サハラ問題。この地域はかつてスペイン領だったが、サハラ・アラブ民主共和国(亡命政府)とモロッコが領有権を主張して争い、10万人がアルジェリアの難民キャンプで35年以上も暮らしている。ハビエルは4年前にキャンプを訪問して、難民たちのテントに寝泊まりして以来、この映画を作り始めた。
映画では難民たちの厳しい暮らしとともに、この問題に世界の注目を集めて変化を起こそうとするバルデムとロンゴリアが、官僚主義の壁にぶつかり苦悩する様子が記録されている。
ただし<ラスト・コロニー>が見られるのは今のところTunes(アメリカ)のみ。世界80カ国以上で公開され、興行収入記録を塗り替えている<スカイフォール>とは大違いだ。
<ラスト・コロニー>はヒットを飛ばすためではなく、西サハラの人たちについてもっと関心を持ってもらうために作ったと、ハビエルは言う。彼らは考え得る最悪の状況にいる。でも彼らには信念があって、世界がこの問題を解決してくれるのを待っている」と報じた。
2012年5月初めの一週間、難民キャンプで難民映画祭が開催されていた。難民映画祭グランプリ「白ラクダ賞」は、後にニュースウィークで紹介された、「Sons of the Clouds- Last Colony(雲の息子たちー最後の植民地)」に与えられた。受賞へのメセージでハビエルは、「国連は自らが提案し、解決が可能なこの紛争に、どうして手を付けないのか?」と、国連を非難した。
2025年9月14日、エミー賞のノミネート赤絨毯上で、イスラエルに「パレスチナを解放せよ」と訴えた。アラブの伝統的なスカーフ・クーフィーヤを纏った助演男優賞候補のハビエル・バルデムは、「ガザにおける大量虐殺を非難するために私は今日、ここにいる。大量虐殺を徹底的に研究してきた大量虐殺研究者国際協会(IAGS)が、イスラエルのガザ戦争はジェノサイドであると宣言した。だからこそ我々は、イスラエルに対する通商・外交封鎖、および制裁を求めているのだ」と、拳を上げた。
2025年12月18日午前、国連総会は<植民地諸国および民族への独立付与に関する宣言>の65周年の式典を行いました。また、<あらゆる形態の国際植民地主義反対デー>でもあります。
そして国連総会は、「世界にはまだ、17の非自治領が残っている」と、付け加えました。最後のアフリカ植民地・西サハラはその一つです。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 定価:本体1,800円+税、 発行人:松田健二、 発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2025年12月20日 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/ 〔eye6082 : 251220〕












