高市総理、「自己都合」解散ですか。

  最近、ある小さな会で、初めて会った女性から「高市さん、いい人ですよ、私大好きです」と言われてしまった。いったい、何と返したらよかったのだろう。私としては、「もともと、あの人は、決していい人ではないはず、今は危険な人で、はっきり言って私はきらいです」と言いたかった。

高市首相が衆院解散を検討、23日通常国会の冒頭に…2月上中旬に投開票の公算
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260109-GYT1T00321/
2026/01/09 23:00

  読売新聞のオンラインで、上記の記事を見た時は、にわかに信じがたかったのだが、1月11日の朝刊では「国会冒頭解散論浮上 高市首相<一つの選択肢>」(朝日)、「通常国会冒頭解散論 23日召集 政府内強まる」(毎日)の見出しで報じられ、12日朝刊では朝日・毎日とも一面トップで「首相国会冒頭解散の検討」を掲げ、他の紙面でも詳しく報じている。NHKの1月11日の「おはよう日本」でも報じられていた。もはや、冒頭解散は真実味を帯びてきた。驚いたというより、あきれてしまうのだった。なんと無責任な!!

 「いま、なぜ、このタイミングで」の疑問で思い浮かぶのは、高市政権高支持率のうちに選挙をやってしまおうという「党利党略」なのか、あるいは高市首相個人の延命策なのか。ところが、ここに至って、高市首相周辺になにやら「不都合な真実」が複数報道され始め、それが広まらないうちにという個人的な都合なのか。「自己都合」解散?

「『高市総裁が天の願い』統一教会報告書」 『週刊文春』 2026年1月15日号)
「社説・冒頭解散検討 国民生活より党利党略」 『朝日新聞』 2026年1月12日 
「焦点・首相冒頭解散検討 官邸主導自民も動揺」 「毎日新聞」 2026年1月12日 

 もちろん、政策的にも、台湾有事発言をめぐっての日中関係の対応のまずさにより経済界への影響が拡大している。物価高がいっこうに収まらない「積極財政」の破綻、官邸幹部の核兵器保有論と防衛費の前倒し増額などをはじめ、国民生活の安心・安全への圧迫は目に見えている。トランプアメリカ大統領へのあからさまな追従に加えて、今回のベネゼエラへの軍事介入への対応などが追及される通常国会のはずである。それをみごとにスルーする魂胆なのか。
 維新との連立、国民民主取り込みの根拠薄弱な議員定数削減、半端な減税措置も、大方の国民の感情を逆なでしているようだ。

 にもかかわらず、TBS系列JNNの世論調査(1月10日、11日)によれば高市内閣支持率は78.1%だそうだ。2653人を対象に回答率38.3%というから、統計上、どれほどの精度なのかわからないが、高いこと確かなのだろう。しかし、冒頭解散が実現すれば、衆院選挙の行方はどうなるのだろうか。

  なお、高市首相「年頭所感」は、以下のように、冒頭で、昭和天皇の短歌を引用し「昭和百年」という認識のもとに「昭和は、戦争、終戦、復興、高度経済成長といった、未曽有(みぞう)の変革を経験した時代です。まるで昭和が激動の時代となることを見通していたかのように、移り変わっていく山々の色を詠まれています。」と述べている。天皇の政治利用であるばかりでなく、「我まつりこといかにかあるらむ」と、自分事のように読んでいるとしたら、議会や民意はどこへやらと、少しこわくなった。

「あけましておめでとうございます。 本年は昭和元年から起算して満百年を迎えます。
 「山やまの 色はあらたに みゆれとも 我(わが)まつりこと いかにかあるらむ」
 御即位後初の歌会始での昭和天皇の御製です。
   昭和は、戦争、終戦、復興、高度経済成長といった、未曽有(みぞう)の変革を経験した時代です。まるで昭和が激動の時代となることを見遠していたかのように、移り変わっていく山々の色を詠まれています。
https://www.kantei.go.jp/jp/104/statement/2026/0101nentou.html

初出:「内野光子のブログ」2026.1.12より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2026/01/post-6f28f3.html

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座  https://chikyuza.net/
〔opinion14618:260113〕