SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】670 AU 安保理選挙に西サハラ立候補

 UN(国際連合)のSC(安全保障理事会)に当たるのが、AU(アフリカ連合)のPSC(平和安全保障理事会)です。 名前も仕事も似たか寄ったかですが、大きく違うのは、UN が15の構成員を特権のある定席5議席と、残り10議席を半数ずつ2年毎に選挙で決めるという差別主義に満ちているのに比べ、AUは 議席全部を選挙で入れ替えます。 AUの方がUNより民主的で合理的です。

 AU年次首脳会議は、2026年2月に開かれます。 UN国連事務総長も出席します。

「エチオピアの首都、アジスアベバにあるAUアフリカ連合本部の平和安保理会議場、中国がAU本部を建設」

① <法の支配>を無視してトランプ米政権は国連関係の66団体から撤退:

 2026年1月22日、トランプ米大統領は正式にWHO世界保健機構から脱退した。

 2026年1月27日、トランプ米大統領は正式にパリ協定から脱退した。

 かくして、約66の国連関係組織からトランプ米大統領はアメリカを脱退させるつもりだ。

 屁理屈はどうとでも、ミラー・トランプ大統領次席補佐官がでっち上げる、、あるいはそれも面倒くさくて何も説明抜きで強行するのかもしれない。理由はただ一つ、金を出したくないのだ。困るのは国連で、大部分の組織がアメリカの分担金を当てにして、運営されてきた。

 殆どの国は、国連分担金を2025年末に払った。が、アメリカは払わなかった。年が明けて、国連定例記者会見でデジ中国TV 特派員が、「アメリカは滞納金を払ったか?」と、度々質問した。報道官は「国連分担金は加盟国が払わなければならない義務だ。滞納が続くと法に則って、国連総会での投票権を失う。アメリカも同じだ」と、答えた。

 が、国際法も国連法も法と名の付くものを無視するトランプ・アメリカは、払わない。1月26日の国連安保理でグテーレス国連事務総長が、「法の支配の遵守」を求めた。が、国連定例記者会見の常連だったデジ中国TV記者の姿が消えた。??

 1月29日、任期最後となるアントニオグテーレス国連事務総長の年頭記者会見が開かれた。事務総長の声明は国連安保理や国連総会でも紹介されたように、<法の支配、協力、平和>が軸になっていた。記者団との応答で、改革の必要性を指摘しつつ安保理の重要性を強調した。

 デジに代わって中国人記者が、「トランプは8つの紛争を解決したと自慢しているが、国連は紛争解決に貢献したのか?」と質問した。事務総長は、「とんでもない!我々は紛争解決にむけ、特使を派遣している。ロシアやイスラエルは特使を受け入れないけどね、、

 リビア、スーダン、南スーダン、ミヤンマー、、そして、ちょっと長引いているけど西サハラには個人特使を送り、和平交渉を急かせている」と、答えた。

 次期事務総長選挙には、ラファエル・グロッシーIAEA国際原子力機関事務局長が手を上げている。

② UN安保理常任理事国に、アフリカ大陸から一国もなし、侮辱だ:

 1月26日、AUアフリカ連合委員会のマフムード・アリ・ユセフ委員長が、ニューヨークのUN国連安全保障理事会で、アフリカ大陸からの常任理事国を認めるよう呼びかけた。<国際法の支配を再確認する:平和、正義、多国間主義の確立方法>というテーマの安全保障理事会の高官公開討論で、マフムード・アリ・ユセフ委員長は、国連設立80周年を迎えたにもかかわらず、アフリカはいまだに安全保障理事会の常任代表を持たないと述べ、「14億人の大陸が自国の運命を決定する組織に声を持たないのは、大陸に対する<侮辱>であり、大陸は理事会に対して信頼を失いつつある。」と、主張した。

 拒否権を含むすべての権限を持つ常任理事国の席を獲得する事は、国連憲章第8章に基づく、相互尊重、補完性、責任共有を確かなものにするし、UN 国際連合とAUアフリカ連合の パートナーシップ再構築にもなる。

 「アフリカが国際レベルで法の支配について語るとき、それは理論上の空論ではなく、法の支配が主権、尊厳、安定、持続可能な発展の基盤としている。」とアリ・ユセフ委員長は付け加えた。「アフリカの平和奉仕への関与は様々な国際舞台で証明されている、、 アフリカ諸国が、紛争を平和的に解決するために司法機構に頼る手段が増えていること、特に国際司法裁判所や地域管轄権裁判での活動は、法が力よりも重要であることへの信頼を反映している」と、アフリカ委員会のマフムード・アリ・ユセフ委員長は演説を締めくくった。

 UN 国際連合本部はアメリカのニューヨークにあり、AUアフリカ連合本部はエチオピアのアジスアベバにある。アントニオグテーレスUN 事務総長はポルトガル人で、マフムード・アリ・ユセフAU委員長はジブチ出身だ。

③ AU安保理理事国の選挙に西サハラが立候補:

 UNSC国際連合安全保障理事会に当たるのが、AUPSCアフリカ連合平和安全保障理事会だ。AU平和安全保障理事会の構成は、モデルとなった国連安保理同様に、総数15カ国だが、国連安保理の様に、常任理事国と非常任理事国の様な決定権に関する不条理な差異は存在しない。任期2年で選出される10カ国と任期3年で選出される5カ国とに大別される。各理事国の選出は、AU首脳会議によって行われるが、地域の配分が考慮されることになる。任期2年の10カ国に関しては、西部アフリカから3国、北部アフリカから1国、東部、中部、南部アフリカから夫々2国ずつ選ばれる。任期3年の5カ国は、各地域から1国ずつ選出される。

 SADRサハラ・アラブ民主共和国は、2月中旬に予定されている<AU平和安保理>メンバー選挙の北アフリカ地域に立候補した。

 1月15日に掲載された記事で、アルジェリアのジャーナリストは、「西サハラ・アラブ民主共和国がモロッコと共に立候補を表明したという事実は、明確な西サハラの政治的・外交的勝利であり、選挙の結果がどうであれモロッコにとって先制的な敗北であると考えている。」と、書いた。彼は、「西サハラ・アラブ民主共和国が2026年から2028年のアフリカ連合平和安全保障理事会メンバーとして立候補したことは、非常に重要な政治的節目であり、この議席をアフリカ連合の現代史上最も繊細かつ影響力のある政治的権利の一つ」と、強調した。西サハラ・アラブ民主共和国は、北部地域の議席をモロッコ王国およびリビアと争うことになる。残りの4地域でも、その地域の国々が理事会の席を争う。

 投票の結果如何にかかわらず、アフリカの外交官や評論家は、SADR西サハラ・アラブ民主共和国が選挙に参加した時点ですでに政治的・戦略的成果を上げていると異口同音に語る。これまでSADR西サハラ・アラブ民主共和国の存在を否定してきたモロッコが、アフリカ連合内の公式選挙プロセスで直接対決せざるを得なくなったのは初めてだ。

 連日、西サハラ難民キャンプの論客たちは、AUPSCアフリカ連合平和安保理メンバー選挙の予想で姦しい。誰もが勝利は難しいとしつつも、不可能ではないと、希望を持っている。そもそも、SADR西サハラ・アラブ民主共和国は、1882年に正式加盟以来、真摯で忠実なAUのメンバーで、モロッコはSADRの正式承認が気に入らないと1884年に脱退したのだ。2017年にモロッコが復帰したのは、イスラエルのオブザーバー参加画策のためだと、もっぱらの噂です、、

 アルジェリアの天然ガスを、トランプ米大統領はしつこく狙っています。 1月27日、トランプ次女の義理の父でマサド・ブーロス・アラブ・アフリカ問題担当米国大統領上級顧問をアルジェリアに送りました。 

 ナイジェリアの運送会社で働いていたレバノン商人のブーロス氏はアラビア語も英語もフランス語もペラペラで、 アブデルマジド・テブン・アルジェリア大統領、アフメド・アタフ外務大臣、モハメド・アルカブ炭化水素・鉱山大臣、アマル・アッバ外交担当大統領顧問などなどを前に、アメリカを売り込んだそうです。

 が、マサドは、アルジェリアが支援するSADR西サハラ・アラブ民主共和国の排除を迫ったようです。

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 「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。                            著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、                定価:本体1,800円+税、                                          発行人:松田健二、                                                 発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―12―9、クランディ―ルお茶の水201               電話:03-3814-3861

同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。

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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。                      「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc                      「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。               「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo                    「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo  

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2026年1月31日                SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエ「ーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座  https://chikyuza.net/                            〔eye6108 : 260131〕