「アメリカが国連と連携して、<モロッコ南部サハラ>和平協議を始めた。モロッコ、ポリサリオ、アルジェリア、モーリタニアも参加」と言うニュースを、MWNモロッコ世界ニュースが、2月8日に流しました。 日本で、衆議院選挙投開票が行われた日です。
<モロッコ南部サハラ>とは、西サハラのモロッコ式呼称です。
慌ててSPS(西サハラ難民キャンプ情報サービス)やAPS(アルジェリア国営情報サービス)を調べ、友人にも問い合わせました。 が、<マドリード協議>の情報に関して、不気味なことに、西サハラ側では何も出ていないのです。
① <マドリード協議>:
正確な情報がないなか、翌2月9日、国連定例記者会見で事務総長報道官が、「事務総長の個人特使スタファン・デ・ミストラを含む国連上級代表団とアメリカ合衆国がスペイン・マドリードでモロッコ代表、フレンテ・ポリサリオ、アルジェリア、モーリタニアの代表と、国連安全保障理事会決議2797(2025年)の実施について協議を促進したことを報告します。」と、述べた。
アブデル・ハミド・パレスチナ人記者が、「誰が出席しましたか? 会議を主導したのは誰ですか? モロッコとポリサリオの直接交渉だったのか?それとも4者間の交渉だったのか? 」と、聞いた。報道官は、「西サハラ問題は長年にわたり国連の議題に載ってきました。我々側と米国の上級代表団がこれらの議論を促進したということですが、結果や雰囲気に関してこれ以上の情報はありません。議論は続いています。確かな成果が出たら、喜んで皆さんと共有します。」と、詳細を避けた。
2月9日以降も、国連事務総長報道官は、西サハラ・マドリード協議の詳細報告を国連定例記者会見ではしなかった。それ以上の詳細など、なかったからだ。
② アメリカ介入を誘ったモロッコ:
モロッコはトランプ・ネタニヤフ戦争同盟に<西サハラ略奪>に介入してもらおうと、<西サハラ指導部テロリスト説>をテッド・クルーズ米共和党上院議員に吹き込んだり、元トランプ米大統領顧問のマイケル・ウオルツ米国連大使にしつこく迫った。モロッコのふれ込みは、「トランプ米大統領による9個目の和平合意」で、50年間続いた西サハラ紛争合意を、新しいトランプの自慢話にしてもらおうと売り込んだ。。
トランプ米大統領が自ら宣伝する8個の和平合意は全く終結していないが、とりあえずトランプ娘婿クシュナー・ユダヤ系アメリカ人が肩書なしで交渉を継続している。そこで、モロッコが目を付けたのは、トランプ次女テイファニーの婿の父親マサド・ブーロス・レバノン系アメリカ人だった。肩書は、トランプ米大統領のアフリカ特別顧問とした。血は繋がっていないが、身内ではある。
国連はマドリード協議の成果を発表できなかった。成果などなかったことを、仕掛け人モロッコのMWN(モロッコ世界ニュース)が2月13日の記事で明らかにしている。
「スペインの首都にあるアメリカ大使館が、2月8日(日)に同大使館で開催した非公開協議は、ドナルド・トランプ大統領のアフリカ特別顧問であるマサド・ブーロス氏、国連米国大使マイケル・ウォルツ氏、そして国連事務総長の西サハラ特使スタファン・デ・ミストゥラ氏によって組織・監督されたと発表した。」と、報じた。
そして、MWN(モロッコ世界ニュース)は、「この会合はスペイン側の参加もなしで、完全な秘密裏に行われ、予定通りに終了しなかったため2月10日まで延長された。会議は、米国国連代表団からの短い声明のみで終わり、協議が行われたことを認めただけで、共同声明も集合写真も、具体的な成果の発表もなかった」と、顛末を明かした。結局、成功しなかったようだ。
さらにMWN(モロッコ世界ニュース)は、「アルバレス・スペイン外相は、ナセル・ブリータ・モロッコ外相とアフメド・アタフ・アルジェリア外相との同僚モハメド・サレム・ウルド・メルズーグ・モーリタニア外相とも個別に会談した。また、国連個人特使スタファン・デ・ミストゥラとも別に会談している。が、ポリサリオ代表は明らかに除外した」と、言及している。
ここでも、国連報道官の嘘がバレている。モロッコが仕掛けた<USとUNの西サハラ協議 >は、失敗した。
③ AU(アフリカ連合)執行評議会第48回通常会合:
2026年2月11日、AU(アフリカ連合) 執行評議会第48回通常会合が、エチオピアの首都アディスアベバにあるアフリカ連合(AU)本部で開会した。会合では、大陸が直面する重要な政治的、経済的、制度的優先事項について、2日間にわたり協議された。
この会合には、外務大臣モハメド・ヤスラム・ベイサットが率いる西サハラ代表団が出席し、AU(アフリカ連合)の西サハラ・アラブ民主共和国常駐代表ラミン・バーリ大使、副常駐代表マライニン・ラクハル大使、文化・メディア担当官ラキビ・アブドゥラが同行した。会合にはアフリカ連合加盟国の外相や上級職員が参加し、報告書や提案が検討された。2月14日と15日に開催予定の第39回アフリカ連合首脳会議の定例会合の準備も行われた。

第48回AU(アフリカ連合)執行評議会に参加するモハマド・ベイサット西サハラ外務大臣、後部は左がマライニン副大使、右がラミンAU(アフリカ連合)大使
執行評議会はアフリカ開発の重要な課題を幅広く議論し、大陸全体の平和と安全保障の課題、地域統合の進捗、アフリカ大陸自由貿易地域の実施、食料安全保障、気候回復力、公衆衛生準備、連合内の制度改革などにも焦点を当てた。また、AU(アフリカ連合)の予算枠組みを見直し、各専門機関や機関のパフォーマンスも検証した。さらに、AU(アフリカ連合)のプログラムに対する持続可能な資金確保の必要性を強調しつつ、良好な統治への意見調整、民主的プロセスの促進、憲法秩序の尊重を新たにすることに焦点を当てた。
そして、執行評議会は、AU 安保理理事国の選挙を行った。1月20日に北アフリカ地域からの立候補をSADR西サハラ・アラブ民主共和国は宣言したが、立候補をとり止めた。北部はリビアとモロッコの決選になった。中央部はコンゴ民主共和国とガボン、東部はコモロ、ジブチ、ソマリア、ウガンダ、南部はレソト、マラウイ、南アフリカ、西部地域の7か国が3議席を争った。公式発表は第39回アフリカ首脳会議でなされる。
執行評議会の結果は、2月14日と15日に開催されるアフリカ首脳会議に提出される。第39回アフリカ首脳会議では、来年度の戦略的優先事項を議論し、主要政策課題の最終決定を採択する。SADR(西サハラ・アラブ民主共和国)は、ブラヒム・ガリ西サハラ・アラブ民主共和国大統領兼ポリサリオ戦線事務総長の代行に、ブシュラヤ・ハムーディ・ベヨン首相を派遣する。
アントニオ・グテーレスUN (国際連合) 事務総長も、第39回AU(アフリカ連合)首脳会議参加のため、ニューヨークを出発した。
国連インナーシティー情報のマシュー・リー記者がメールで、2月12日の国連報告を送ってくれました。 「今日の国連は、ギスレーヌ・マクスウェルなどを焦点にエプスタインのファイルで追い回されている、、マドリード協議の失策をカバーする余裕などない」
とのことです
ギスレーヌ・マクスウェルは、少女売春売買主犯エプスタインの共謀者です。現在、服役中です。ハミド・パレスチナ記者によると、国連関係者もエプスタイン事件にからんでいるそうです。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 定価:本体1,800円+税、 発行人:松田健二、 発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―12―9、クランディ―ルお茶の水201 電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2026年2月14日 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエ「ーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/ 〔eye6115 : 260214〕









