転居して、一年が経つ。住民票、年金のための住所変更はすぐにしたけれど、金融機関で住所変更の手続きを始めようとすると、「マイナンバーカード」も「車の免許証」も持っていない私は、いささか面倒がられてしまう。「ほかに、写真付きの本人確認できるものはないですか・・・」と言われ、「パスポート」ならといえば、「それと資格確認証をお持ちください」で、落着する銀行もある。ところが、銀行によっては、金融庁からマイナンバーカードの提示を求められているからと、カードの交付申請を強制するような口ぶりである。「法律上、任意で自由なはずなのに、おかしいですよ」といえば、個人番号通知書か、個人番号つきの住民票を求められた。何が何でも「マイナンバー」情報だけをゲットしておきたい強硬姿勢なのである。
2013年5月「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)が成立、2015年10月から「個人番号通知書」の交付が始まり、2016年1月1日からマイナンバー制度が実施された。その法律の第16条2では、マイナンバーカードは、「申請によって交付する」としか書かれていない。しかし、コロナ禍時代を含め、政府はニンジンをぶら下げるような必死の広報、普及に躍起となっていた。総務省の発表によれば、2027年1月現在、マイナンバーカード保有率は全人口の81.2%になったという。これはあくまでも保有であって、利用されているかは別である。たとえば、マイナ保険証として利用しているかの利用率となると、厚生労働省の2026年7月の調査によれば、45.9%だという。また、きょう2月21日の『朝日新聞』「be」欄の読者アンケートでは、統計的な意味はないと断りながら、2583人の内の73%が利用していると回答している。数には幅があるが、二つの調査から、3割から5割の人たちが、マイナンバーカードを「保険証」として利用しておらず、「資格確認証」を利用していることになる。先の読者アンケートでは、利用している人でも、57%近い人が「情報が集約されていて、なくしたら大変」、52%が「情報が流出しないか不安」と、マイナカードへの不信感が高まっているのがわかる。げんに、金融機関や法人からの大量の個人情報流出事件が相次いでいるではないか。
なお、パスポートに住所欄がなくなった2020年以降のものは、本人確認の証明にはならないという。私は、それ以前の10年更新を選択したので、ここ数年は、本人確認の証明になるらしいが、その先はどうなるか、このままだと確認の方法がなくなる。それまで「生存」して確かめたいものである。
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マイナンバーについては、2015年来、このブログでも何度か触れている。カテゴリー「マイナンバー制度」で検索の上、ご笑覧いただければ幸いです。

陽気に誘われて、近くの散歩に出る。十字路の傍らの要行寺の墓地、巨樹のもとの忠魂碑、昭和二十年十二月の戦没者まで刻まれている。清宮姓の多い地である。まっすぐ進むと佐倉順天堂記念館があるらしい。右に曲がると、選挙の投票所にもなっている中学校である。

初出:「内野光子のブログ」2026.2.21より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2026/02/post-babae0.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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