2月26日、衆議院予算委員会で、身内の自民党小林幹事長から、「皇室典範の改正について」問われると、つぎのように答えている。
「男系でない方が皇位を継承したこと、皇位が女系で継承されたことは一度もない。有識者会議の報告でもそうなっているが、皇統に属する男系の男子に該当するものに限ることが適切とされている。政府としても私としても、この報告を尊重する」
しかし、2021年の「皇位継承に関する有識者会議」の最終報告書では、その会議の名前にもかかわらず、「皇位継承」には踏み込まず、「皇族数の確保」のためのつぎの二案を提示するにとどまったのである。
①女性皇族が結婚しても皇族の身分を保持する
②皇統に属する旧宮家の男系男子を皇族の養子とする
にもかかわらず、有識者会議の報告書に「皇統に属する男系の男子に該当するものに限ることが適切」などと断言しているかのような発言は、明らかに虚偽と言える。直ちに訂正、謝罪が必要な発言ではないか。
ところが、同日の記者会見で、木原官房長官は、首相の答弁は、上記②案の「養子縁組」を念頭に置いたもので、「将来的な皇位継承についての発言ではなかった」と苦しい説明をしている。しかし、首相が「皇統に属する男系の男子に該当するものに限ることが適切」との発言の直前には「男系でない方が皇位を継承したこと、皇位が女系で継承されたことは一度もない。」との発言もあるので、文脈上、「養子縁組」についての発言だったとするのには無理がある。
自民党と維新の会との連立に際しての合意文書には、以下のようになっている。両党の合意なるものが、あたかも「有識者会議」が「適切」との「お墨付き」を与えていたかのような、事実に反した前のめりの答弁だったのである。
「三、皇室・憲法改正・家族制度等
・古来例外なく男系継承が維持されてきたことの重みを踏まえ、現状の継承順位を変更しないことを前提とし、安定的な皇位継承のため、皇室の歴史に整合的かつ現実的である「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする」案を第一優先として、令和八年通常国会における皇室典範の改正を目指す。」
有識者会議の「皇族数確保」のための②案は、戦後80年を経た現在、「皇統に属する男系男子」なんてどこにいるのかと思うほど時代錯誤も甚だしいところをもって、自民・維新連立政府は、②案をもって、何年先になるか分からない皇位の継承の安定化を図ろうというのであるから、「無責任」極まりないともいえよう。
初出:「内野光子のブログ」2026.2.28より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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