たんぽぽ舎です。【TMM:No1670】
 2012年11月27日(火)-2 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
                                転送歓迎
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 ★1.原子力防災対策批判(その2)
     何をしたいからシミュレーションをするのか
     理解しない原子力規制庁の呆れた見直し作業(山崎久隆)
 ★2.「東電値上げの「不実と非常識」あなたの電気料金はこう使われる」
                     (サンデー毎日2012.11.18より)
 ★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
  ◇12月8日13時から、埼玉
   311から未来へ 見て聞いて味わうライブ講演
 ★4.新聞・雑誌から 2つ
  ◇原子力防災見直しを 一万人原告団、青森県に要請文提出
                       (2012.11.9 東奥日報より)
  ◇高浜2基 再稼働想定 関電の事業計画 13年度 黒字転換目指す
                     (11月22日 茨城新聞より)
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 ┗■1.原子力防災対策批判(その2)
  │   何をしたいからシミュレーションをするのか
  │   理解しない原子力規制庁の呆れた見直し作業
  └────(山崎久隆)
 原子力防災の場合は、地形の他に天候の影響が極めて高くなる。風よりも遙
 かに甚大な影響を与えるのは雨と雪だ。特に柏崎刈羽原発の場合、豪雪地帯の
 魚沼地方が広範囲に含まれる。
  新潟県地方は日本海上空を通る季節風に大量の水蒸気が入ると大雪になる。
 その場合、常に原発から内陸に向けた季節風が吹くことになるので、放射能も
 内陸に向かう。大雪と放射能拡散は同時にやってくる。
  大雪の中で避難するなど、自殺行為だし、大量の放射能を含む雪に閉ざされ
 避難できなければ累積100ミリシーベルトどころではない。雪が降り出せば
 自動的に防災対策は事実上不可能になる。そのような施設は柏崎刈羽原発だけ
 ではない。泊、東通、大間、女川、福島第二、六カ所再処理工場、志賀、島根、
 玄海などもそうなるだろう。
  もともと原発事故のシミュレーションは「起こる可能性がある」事故ではな
 く「実際には起こるとは考えられない事故」仮想事故を想定していた。それで
 すら8~10kmが対策範囲であった。如何に事故想定が甘かったかが分かる。
 放出放射能の割合がヨウ素でも炉内量の100万分の一程度でしかない。
  東電柏崎刈羽原発が、風下40kmを超えて防災エリアが拡大したことで大
 きな「事件」になっている。この原因は、世界最大の828.2万キロワット
 の発電所だからだが、それだけではない。卓越風が日本海から内陸に一直線に
 向かうからでもある。その季節が最悪の冬である。
  一週間100ミリシーベルトにもなると、その後の累積を考えなければなら
 ない。雪の季節はそのまま翌年春まで放射能が残り続けることを意味するので、
 減衰しない放射能環境に居続けることになる。
  ヨウ素131は半減期8日で減衰するがセシウムの半減期は年単位である。
  一週間100ミリでは、一ヶ月で400ミリ以上になるだろう。
  規制庁のデータで最もわかりにくいのは「97%値」の風向を採用したこと
 だ。本来ならば最も厳しい気象条件を選ぶべきだが、気象データから割り出し
 た97%値が使われた。
  「97%値」とは何か。例えば子どもの体重や身長記録データなどを小さい
 順に並べ、100人ならば3人目が「3%値」97人目が「97%値」となる。
 母子手帳にもある「乳児発育パーセンタイル曲線」のグラフである。ある子ど
 もについて全体の中での発育状況がわかる仕組みだ。
  しかしこの方法を使って出来るのは、例えば大気汚染のように長期間にわた
 る有害物質に曝露した影響が、どの地域により大きく出るかといったような
 ケースだ。
  これと「短期大量放出」である、緊急時の原子力防災では意味合いがまるで
 違う。
  突如、大量の放射能放出が発生したら、勝負は事故後10日程度、その間に
 どれだけ避難態勢が取れるかだ。
  例えば16方位で100%を割れば、平均出現率は6.25%である。まん
 べんなく風が吹くとしたら一方位あたりの確率は6.25%でしかない。時間
 にして548時間分である。それに対して3%で足きりを掛ければ、最大
 262時間分が切り捨てられる可能性がある。年間10日分に相当する。それ
 が全方位の内5方位で出現すれば50日分のデータが消えるかもしれない。そ
 の消えた方位で風が吹くとき事故が起きる可能性は無視できない。そうなった
 らまたしても「想定外」とでも言うのだろうか。風が回るときには様々な方位
 を経ていく。その経路全体が重大な放射線被曝を引き起こす可能性がある。
  また、事前評価において全方位にまんべんなく風が吹くような立地環境だと、
 全方位に距離が出るが、一ないし二方向に卓越する環境だとそれ以外の方位に
 は距離は出現せず「0」になってしまいかねない。前者は玄海原発、後者は東
 通原発と浜岡原発だ。玄海では15方位に距離が出ているが東通と浜岡は半分
 の8方位が0である。「一番遠くまで出た方位を基準に、全方位をその距離ま
 で対策する」という使い方がせいぜいだろう。それでも30キロ圏が最低保障
 になるのかどうか。今後の議論は重要だ。
  多くの原発では、30キロ圏までしか「緊急時防護措置準備区域」に設定し
 ないだろう。しかしこの外側でも優に一週間で数十ミリシーベルトに達するこ
 とになるわけだから、年間1ミリどころではない。一年間で20ミリシーベル
 トさえ大きく超える。仮想現実(シミュレーション)ではなく、そんな現実か
 らも目をそらさせない取り組みが必要だ。
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 ┗■2.「東電値上げの「不実と非常識」あなたの電気料金はこう使われる」
  └────
 ▽河野太郎衆議院議員「電気代が停止原発に流用される」
  ▽原子力ムラに1003億円支払いのカラクリ
   原子力ムラのルールは「何でもアリ」なのか。バカ高いコストの請求書を
   消費者に回す行為は、もはや許されない。電気料金値上げのウラには、
   いびつなカラクリがあった。
 今年7月に再稼働した関西電力大飯原発3、4号機を除き、全原発が停止中の
 日本列島。9月から家庭向け電気料金の平均8・46%値上げを実施した東京電力
 に続いて、今度は関西や九州で値上げの動きが顕在化している。関西電力は家
 庭向けで15%程度の値上げに踏み切ると見られる。
 「値上げは権利」と言い切った東電・西沢俊夫社長(当時)が国民の怒りを買
 ったことは記憶に新しい。まして、発送電コストに報酬を上乗せした金額を電
 気料金として算出する総括原価方式、すなわち「電力会社が損をしない仕組
 み」(永田町関係者)になっていることはよく知られる。
  東電の値上げを巡る議論では、電気料金の「原価」として一般家庭に請求す
 るにはあまりにも不適切な費目が上乗させられてきた。保養所の維持管理費な
 ど福祉厚生費、電力界社OBの天下り団体である財団法人「電力中央研究所」へ
 の寄付金などが批判を浴びた。
  値上げの動きが全国に広がる中、また非常識な電気料金の原価が発覚した。
 超党派の衆参国会議員94人が参加する「原発ゼロの会」中心メンバー、河野太
 郎衆院議員(自民)が憤る。
 「私たちが東電に払っている電気料金には、東日本大震災後に発電量がゼロに
 なった日本原電への支払い分が含まれています」
  日本原電とは、東海第2原発、敦賀原発1、2号機を保有する原子力発電専業
 の「日本原子力発電」(本店・東京都千代田区)を指す。ところが、敦賀2号
 機は1月26日から定期検査で停止)、東海第2が5月21日から停止し、同社の原
 発による発電はすべてストップした。(中略)
  東電は11年度(12月3日期)に「購入電力料」として日本原電に464億7400万
 円を支払っている。先述した通り、震災後ほどなくして全原発が運転を停止し
 ていたにもかかわらず、である。さらに奇妙なのは、原発がフル稼働していた
 震災前年度(11年3月期)の496億4600万円と支払額がほとんど変わらないこと
 だ。「発電量ゼロ」見込みの今年度も400億円程度になる予定という。河野議
 員が「売れるものがない日本原電から400億円超の買い物をして、請求書を消
 費者に回した」と激怒する理由はそこにある。(中略)
  すなわち、発電量がゼロであっても電力会社は基本料金を払い続けなければ
 ならない。そして東電は値上げ申請にあたり、この費用を堂々と原価に織り込
 んでいた。
  「東電や経産省は『基本料金だ』と言うが、それなら電力会社が身を削って
 賄うべきであり、消費者に押しつけるものではない」(河野議員)
  河野議員が11年度の日本原電の発電量で試算したところ、発電コストは83円
 /キロワット時程度になるという。(中略)河野議員は「東電の破綻処理をし
 ないまま、経営陣や株主の責任を問わず、消費者ばかりに負担を押しつけたの
 は枝野幸男経産相。値上げをすんなりと認めた枝野氏の責任は重大です」と指
 摘する。
  値上げを含む電気料金制度の議論には、東電単体のコスト削減だけでは不十
 分であり、日本原電のような仕入れ先を視野に入れた論議が不可欠だ。電気
 料金における原価を再度精査しなければならない。
 (サンデー毎日2012.11.18より)
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 ┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆311から未来へ 見て聞いて味わうライブ講演
    ~女性の目覚めと行動で内部被曝を乗り越え、世界を変える~
 他の講演会にはなかった、生き抜くための”今すぐ出来る術”を伝えます。
  生き方を、価値観を、問い直そう!内部被爆の悪影響を受けにくい免疫力の
  高い体を作る「食」と「意識」「身体のてあて法」を学ぼう!
 【日時】2012年12月8日(土)13:00~18:00
 【会場】パトリアおがわ 生きがいホール(埼玉県比企郡小川町)
 【参加費】3,000円  【定員】300名
 【内容】
  展示 世界ヒバクシャ展(写真展)
  講演 13:00~森下美歩(世界ヒバクシャ展代表)
   14:00~橋本俊彦(福島セルフケアレポート、快医学)
   15:00~ゆみこ(つぶつぶ、大谷ゆみこ) ★雑穀料理の試食あり★
 詳細は、http://311karamiraiesaitama.blog.fc2.com/
 【主催/問合せ】311から未来へライブ講演小川町実行委員会 岩崎信子
  tel・fax 0493-73-2211 E-mail: 311karamiraieogawa@hotvision.biz
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 ┗■4.新聞・雑誌から2つ
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◆原子力防災見直しを 一万人原告団、青森県に要請文提出
  (2012.11.9 東奥日報より)
 燃料サイクル阻止一万人訴訟原告団(代表・浅石絋爾弁護士)は8日、県に
 対し、原子力防災の見直しを求める三村申吾知事宛ての要請文を提出した。県
 は3日、東北電力東通原発で原子力事故が発生した-との想定で、初めて広域
 訓練を含めた防災訓練を行ったが、同原告団は、「事故想定が曖昧で、参加住
 民も少なく、極めて実効性が薄い」と批判。要請の内容を、来年3月までに県
 が修正する予定の地域防災計画原子力編に反映させるよう求めた。
  要請文では、昨年3月の東京電力福島第1原発事故の教訓から、
  1)住民避難を最優先に防護対策を抜本的に見直す
  2)福島原発事故を超える過酷事故を想定する
  3)最大積雪時など最悪の条件下で住民の避難訓練をする-ことなど
 を要望。その上で、防災体制が確立されるまで県内すべての原子力施設を稼働
 しないよう求めた。
  県原子力安全対策課の担当者に要請書を手渡した後、記者会見した浅石代表
 は「早急に防災訓練を多方面から検証すると同時に、何度も訓練を行わなけれ
 ばならない。六ヶ所村の核燃料サイクル施設の事故を想定した訓練も必要だ」
 と述べた。
◆高浜2基 再稼働想定
  関電の事業計画 13年度 黒字転換目指す
  (11月22日 茨城新聞より)
 関西電力が取引金融機関に融資を要請する際に提示した事業計画に、保有す
 る原発11基のうち4基の稼働を盛り込んだことが21日、明らかになった。
 7月に再稼働した大飯原発3,4号機(福井県おおい町)に加え、高浜原発
 3、4号機(同県高浜町)の再稼働を想定している。
  これを前提として、来年4月から家庭向けで平均10~15%程度、企業向
 けで同15~25%程度の電気料金値上げを申請する方向で最終調整。経営合
 理化も行い、2013年度の黒字転換を目指す。
  ただ、政府や原子力規制委員会は再稼働の見通しを示しておらず、関電の想
 定通りに進むかどうかは不透明な情勢だ。再稼働が進まない場合は、再値上げ
 の可能性もある。
  9月に家庭向け料金を平均8.46%値上げした東京電力も、来年4月以降
 に柏崎刈羽原発(新潟県)を順次再稼働させることによる収益改善を織り込ん
 でいる。しかし、再稼働の見通しは立たず、再値上げが取りざたされている。
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