たんぽぽ舎です。【TMM:No1869】
2013年6月14日(金)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.7月1日(月)再稼働阻止めざして公開討論集会
再稼働阻止全国ネットワーク事務局
★2.広瀬隆氏が「脱原発先進国」ドイツをルポ (上)
「廃炉でも地元経済は衰退しない」
「廃炉で地元経済が破綻する」は大ウソだった
★3.小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)インタビュー(中)その1
除染は「移染」のみ、放射能無毒化は不可能
東電福島第二原発敷地を核のゴミ捨て場に
★4.大間町も函館も、今以上の電気を必要としていない
故郷をなくしてしまった多くの人々(福島の人々)を思う
放射能が作る恐怖から子ども達を少しでも解放して下さい
第9回大間原発裁判の意見陳述 <下>2013.3.15
野村保子(大間原発訴訟の会)
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※6/16(日)トークイベントにご参加を!
「3・11以降の日本 原発・政治-想田監督と山内和彦さん、おおいに語る」
日 時:6月16日(日)13時開場、13時30分より
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:1000円
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┗■1.7月1日(月)再稼働阻止めざして公開討論集会
└──── 再稼働阻止全国ネットワーク事務局
原子力規制委員会は、パブコメの厳しい意見を無視して、新規制基準を前倒し
で決定し、閣議決定を経て7月上旬には施行し、待ち構えて電力会社が提出する
審査が始まり、早ければ年内に再稼働される可能性があります。
再稼働阻止全国ネットワーク事務局では、この重要な時期に如何にして再稼働
を阻止するか、如何にして大飯原発を止めるか、を考える公開討論集会を開催し
ます。是非ご参集願います。
日 時:7月1日(月)18:30開場、19:00開始、
会 場:スペースたんぽぽ(ダイナミックビル4F)
資料代:500円
テーマ:これまでの経過、原子力規制委、現地闘争、今後の取り組みなど
問題提起:柳田、天野、八木、岩下
主 催:再稼働阻止全国ネットワーク
問い合わせ:メール info@saikadososhinet.sakura.ne.jp
TEL 070-6650-5549
FAX 03-3238-0797(再稼働阻止全国ネットワーク宛と明記)
東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5Fたんぽぽ舎気付
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┗■2.広瀬隆氏が「脱原発先進国」ドイツをルポ (上)
| 「廃炉でも地元経済は衰退しない」
| 「廃炉で地元経済が破綻する」は大ウソだった
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「廃炉で地元経済が破綻する」と不安を抱く原発立地自治体と、その住民は多
い。作家の広瀬隆氏は俳優の山本太郎氏らとともに、日本に先んじて2022年の
「原発ゼロ」を決めたドイツへ赴いた。8基すべての廃炉を進めるドイツ北部の
グライフスヴァルト原発で、広瀬氏が目の当たりにしたのは地元経済の衰退では
なかったという。
見学後、われわれの目的である地元の雇用問題を尋ねると、「かつて原発運転
時には2000人ぐらいだったが、原発を受け継いだ現在の国営廃炉企業EWN社
(Energiewerke Nord)の従業員は700人余りなので、ほぼ3分の1に減った。社
内の労働者は、その分だけ解雇されたので、決して廃炉だけで地元の雇用が確保
されるわけではない」という。
しかし、次に廃炉コストを尋ねると、「現在まで20年間で、およそ20億~26億
ユーロが廃炉作業に投入された。したがって、20年間でおよそ2000億円、毎年
100億円ぐらいを要し、その大金が地元に落ちたことになる」という。
またほかの資料によると、東ドイツ側の原発の廃炉はすべてここEWN社がお
こない、ロシアの原子力潜水艦の解体もおこなって、さらに西ドイツ側の原発の
解体も引き受けているので、ここがドイツ全体の廃炉センターとなって、42億ユ
ーロを要した、という。つまりさらに大きな4000億円以上の金が地元に投入され
たことになる。毎年200億円という大金だ。
EWN社の廃炉ドキュメント映像をみると、廃炉解体とは、放射能のかたまり
を扱うので、それほど大変な時間と、労力と、資金を要する、われわれが想像す
るよりはるかに大規模な難工事なのである。
そのため、廃炉の解体に伴って成長した鉄鋼関連の機械工業が生まれていたの
である。したがって、経済崩壊と高齢化が進んできた東ドイツ側の中では、この
地域の雇用悪化はそれほど悪くない状態にあるという。
※(週刊朝日2013年6月21日号)より
(上、下2回連載。上記は、(上)の要旨。本文はこの3から4倍の文章。
詳しくは、本誌をお読み下さい。なお、(下)は来週6月28日号の予定)
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┗■3.小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)インタビュー(中)その1
| 除染は「移染」のみ、放射能無毒化は不可能
| 東電福島第二原発敷地を核のゴミ捨て場に
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小出裕章さんインタビューの2回目は、1.除染・被曝労働、2.廃炉・事故
対応体制、3.海洋汚染の実態について。
1.除染は、環境の循環によって効果は上がらないが、子どもの健康を守るた
めに、何度でもやるべきだ。集めた汚染ゴミは、できれば東電本社に返すべきで、
それができないのなら福島第二原発をゴミ捨て場にすべき。
2.事故原発収束作業は、小出さんも呆然としてしまうほど、困難な事業である。
3.海洋汚染は、太平洋全域に広がっており、その実態は識りようがないと語った。
小出さんの目線は、常に子どもの健康と被曝を引き受けて作業にあたる労働者
をいかに守るか?で一貫している。東電と政府が無視し続ける視点だ。(編集部
・山田)
編…除染作業の実効性と、作業労働者の被曝管理は?
小出…除染そのものができないと思います。除染というのは「汚れを除く」と書
くわけですが、汚れと私たちが呼んでいる正体は放射性物質です。これを消し去
ることはできないのです。「除染」の実態は、放射性物質を移動させる「移染」
です。しかも、環境は常に循環しています。雨が降れば流れていき、風が吹けば
飛んでいきます。一度除染をしたつもりでも、また放射能が戻って来るのは、当
り前です。
ただし私は、事故直後から「除染すべきだ」と言ってきた人間です。子どもた
ちは放射線の被曝に敏感だからです。子どもたちが集中的に時を過ごす学校の校
庭、幼稚園の園庭、地域の公園などは、移染をしなければいけない。「移染」で
すから効果は限定的ですが、何度でもやって、子どもを被曝から守らなければい
けない、と私は言っています。
では、汚染物を何処に移動させるのか?今は仮置場にフレコンバッグに入れて
積み上げていますが、すぐに置き場所がなくなります。政府は各県に一カ所、集
中的中間貯蔵施設を作る方針です。これは事実上「永久貯蔵施設」です。一度集
めたものを別の場所に移動することはありえないからです。それを覚悟で引き受
ける自治体があるかもしれませんが、引き受けて欲しくありません。
汚染の正体である放射性物質は、元々東京電力福島第一原子力発電所の原子炉
の中にあった物で、東京電力の所有物です。環境にばら撒かれた東京電力の所有
物を集めているのだから、東京電力に返せばいいのです。住民が何とかしような
んて思ってはいけない。
ただし、福島第一原発の敷地は、猛烈な被曝環境になってしまっているし、そ
こで日夜労働者が被曝しながら闘っているわけですから、そこに新たな放射性物
質を返すことはできない。だから、東京電力の本社ビルに返すべきだと思います。
私は本気でそうしたいんですけど、多分できない。そこで私は、現実的な案と
して、福島第二原発に集めるのがいいと思います。ここは4基の原子炉が停止中
ですが、東電は再稼動させたいと言っています。とんでもないことです。嘘をつ
いて、周辺の住民を苦難のどん底に突き落としながら、自分は無傷で生き延び、
壊れかけた発電所を再稼動させるなんて有り得ないと私は思うし、福島第2原発
の広大な敷地を放射能のゴミ捨て場にすると、各県の中間貯蔵施設も必要なくな
ります。(続く)
☆出典、人民新聞1482号(5月25日)より、了解を得て掲載。
以下、その2、その3と続く。(下)もその1からその3で連載の予定。
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┗■4.大間町も函館も、今以上の電気を必要としていない
| 故郷をなくしてしまった多くの人々(福島の人々)を思う
| 放射能が作る恐怖から子ども達を少しでも解放して下さい
| 第9回大間原発裁判の意見陳述 <下>2013.3.15
└──── 野村保子(大間原発訴訟の会)
大間町に住む約6500人の住民、函館とその近郊に住む38万人の人達は、
今これ以上の電気を必要としているでしょうか? そうでないとするならば、な
ぜ、大間原発は作られるのでしょうか? 六ヶ所再処理工場で作られるプルトニ
ウムを日本国内に貯めておけずに、消費するためと言われています。大間原発で
作られた電気は、東京電力を始め全国の電力会社が使う契約になっています。全
国の原発から出る使用済み核燃料を再処理して出来るプルトニウムの責任を9電
力が引き受けるのです。20年を超える年月と3兆円に届く予算を使って、未だ
に試運転でつまずいている六ヶ所再処理工場。そこからまともにできるかどうか
も分からないプルトニウムのために、こんなに危険な大間原発を作るのは大きな
間違いです。
チェルノブイリ原発事故が起きてから、原発と核をなくしたいと活動してきま
した。27年が経ち、そのとき赤ちゃんだった私の娘が昨年5月、赤ちゃんを産
みました。新しい命の誕生はとてもうれしいものでした。でもうれしさと同時に、
申し訳ない気持ちでいっぱいでした。この小さな命はこれからの長い人生を、放
射能で汚染された中で生きていかなければならないのです。高線量も低線量も被
曝は被曝です。放射線で傷つけられた細胞が、いつガンになるのか、身体の中に
爆弾を抱えて生きなければならないのです。
知人の息子さんは福島原発事故以降、埼玉県から北海道、関西へと避難の旅を
続けました。高校生活も残り1年になった昨年3月、残りの高校生活を郡山で過
ごすと聞いた時、放射線量の高い福島県にどうしても戻って欲しくないと強く思
いました。おせっかいと知りながら、その男の子に福島から離れて欲しくて、何
度も話しました。そのために出来ることをするからと。何度かの話し合いの末、
彼は最後に静かに、本当に静かに言ったのです。「去年の3月にたくさん被曝し
てしまった。どうせ長くは生きられないから自分の好きなようにするよ」。この
言葉の前に私はもう、何も言うことは出来ませんでした。
福島原発からはいまも放射能が出続け、福島県からは16万人とも言われる人
たちが避難しています。福島を離れることが出来ない人も、遠く離れた人も、故
郷をなくしてしまったことに変わりありません。例えようのない苦しみの中にあ
るとき、昨年5月5日、定期点検で日本の原発はすべて止まりました。原発の作
った電気のない暮らしがこんなに気持ちよかったのかと改めて思いました。こど
もの日に本当にささやかな子どもたちへの償いのように感じました。でも、作り
出した原発のゴミは消えません。新しい命を前に、54基もの原発を作り出して
しまった大人の一人である自分を痛感しました。
これから生きるたくさんの子ども達に汚染された世界と原発のゴミを残してし
まった。この後悔は新しい原発の建設を止めて、これまで出来た原発を廃炉にし、
放射能の影響を最小限にすることでしか償えないものです。どうぞ裁判官の皆様、
たくさんの未来をつくる子ども達のことを思い、放射能が作る恐怖から子ども達
を少しでも解放してください。それが私たち、大人に出来る最善のことと信じます。
私の陳述を終わります。
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【編集部より】
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