たんぽぽ舎です。【TMM:No1877】
2013年6月22日(土)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.米国で原発の廃炉相次ぐ 老朽化や「シェール革命」で採算悪化
全米104基の原発がついに100基を切る水準にまで減ってきた。
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.井戸川克隆さん(前福島県双葉町長)からのお便り 6月21日
★3.新聞・雑誌から 3つ
◆6月21日官邸前行動報告 「ここから」最終回
○叫び、思い・・・金曜デモ密着1年 (6月22日 東京新聞より抜粋)
◆何も進まぬ1年 子ども・被災者支援法期待したが・・・
政府に怒り 方針出して (6月22日 東京新聞より抜粋)
◆無視された原発慎重論 三木谷浩史・楽天社長ら
「再び事故 全産業終わる」 (6月13日 東京新聞より抜粋 )
★4.今週のたんぽぽ舎のお知らせ
「原発なしでも電気は大丈夫」という動画(2010年9月)
You Tube 「源八おじさんとタマ」シリーズ
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※6月25日(火)学習会にご参加下さい
福島県川俣町のこども保養キャンプから見えてきたこと
日 時:6月25日(水)18:30開会 参加費800円
講 師:門間淑子さん
会 場:スペースたんぽぽ ダイナミックビル4F
主 催:反原発自治体議員・市民連合
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┗■1.米国で原発の廃炉相次ぐ 老朽化や「シェール革命」で採算悪化
| 全米104基の原発がついに100基を切る水準にまで減ってきた。
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
全米の原発は電力の約2割を生産しているが、天然ガスが急速に延びてきて、
2006年には2割と、原発と同水準だったものが現在ではもう3割に達してい
る。
その反面、原発は廃炉になるものが次々に現れている。
○廃炉が決まった原発
ドミニオン社のキウォーニー原発(ウィスコンシン州)が2012年10月2
2日、デューク・エナジー社のクリスタルリバー原発(フロリダ州)が今年2月
5日に、そしてサンオノフレ原発2、3号機が6月9日に廃炉が決定された。全
米104基の原発がついに100基を切る水準にまで減ってきた。今後も増える
話は無く、2019年にエクセロン社のオイスタークリーク原発(ニュージャー
ジー州)を廃炉にすることが既に決まっている。
理由の一つは採算性の悪化である。数年前には原発の老朽化に伴う廃炉に対し
て、新設原発で埋める方針だった。それを米国の「原子力ルネッサンス」などと
称していた。およそ「原発の復興」にはほど遠く、元から廃炉になる出力分を補
填する程度の規模しかなかったのであるが、それに対しても採算性に問題が生じ
てきた。理由の一つには福島原発事故以後の規制強化、安全対策の見直しにある
だろう。さらにシェールガスの生産増大に伴う天然ガス価格の低下で、コストが
増大する一方の原発に対して、天然ガス火力の価格が急激に低下したことでも拍
車が掛かった。
採算性を失った典型例はキウォーニー原発で、もともと40年を超えて運転す
るための認可手続きを終えて10年延長された後に売りに出されていたが、買い
手が付かずに廃炉が決定された。
費用をかけて安全性の向上をしても買い手が付かなかったのである。
クリスタルリバー原発は格納容器にひび割れが発見され、2009年から運転
を止めていた。その補修にかかる費用を考えると採算に合わないことが明らかと
なり廃炉を決めている。
○シェールガスは見せ札か?
米国の発電所は急速に天然ガス火力に向かっている。既に10年間で全米のシ
ェア20%から30%に躍り出た。既に原発を大きく追い越し、次の「ライバル」
は石炭の40%だ。しかしそれほどまでの規模でシェールガスの採掘が進んでい
るのであろうか。これは米国による「資源確保戦略」であると考えれ
ば、シェールガスは「見せ札」かもしれない。
もちろん実際にシェールガスを大規模に採掘しているのは事実だから、それ自
体にウソはない。しかしそのガスが米国をして将来「ガス輸出国」にするかどう
かは、まだ未知数である。
シェールガスの最大の欠点は「環境負荷」であろう。地層に高圧水を注入して
天然ガス成分とともに吸い上げるという手法は、一つ間違えば地域の地下水脈を
大きく汚染しかねない。
そのため、採掘できる地域は限定される可能性がある。また、ガス田の寿命が
従来型よりも短い傾向にあることもあり、見通しのように可採埋蔵量で米国のガ
ス消費量の100年分を賄うというのは「風呂敷を広げすぎた」話かもし
れない。
しかし米国にとっては、実際に100年分採掘できるかどうかは大きな問題で
はなく、世界がそれを信じるかどうかが重要だ。
3.11以後、日本の原発が順次運転を停止し、エネルギー需要が逼迫するだ
ろうとの観測で天然ガス価格が高騰した。しかし米国シェールガス開発のおかげ
で米国では急激に値段が下がっていた。安い天然ガスが大量に市場に出回るとし
たら、現在カタールやUAEなどが出している価格では、到底売れなくなると市
場では考えられるであろう。
結果として現在では、天然ガスの市場取引価格は一時期の高騰から、世界的に
も常識的な水準に落ち着いている。
今後も暴騰をしかねない天然ガス市場取引価格を牽制することも念頭に、オバ
マ大統領は「天然ガスブームが米国をエネルギー自給に導いている」と一般教書
演説で強調、さらに2017年にガスの対日輸出を解禁するという発表を続けて
いるのかもしれない。
従来の産出国は、顧客を奪われないためには今後、米国の出す価格と勝負でき
る程度の廉価販売をする必要に迫られる。
天然ガスの価格が低く抑えられれば原発を止めて天然ガスを主力にしている日
本の電力会社にとっても大きなプラスである。天然ガスと石炭ガス化燃料との混
合燃焼もコストをさほどかけずに出来る。最高熱効率67%を目指す石炭ガス混
合火力の「コ・ジェネレーションシステム」が世界中に建設されれば、今燃やし
ている資源から二倍のエネルギーが回収でき、廃熱は半分以下に、公害源である
窒素酸化物、硫黄酸化物、煤煙などはほとんどゼロに出来る。
エネルギーの安定供給を考えるならば「シェールガス革命」という「共同幻想」
は大いに使えるのではないだろうか。
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┗■2.井戸川克隆さん(前福島県双葉町長)からのお便り
└──── 6月21日
今晩はいつも情報有難うございます。
昨夜の報道ステーションでアメリカのNRCを詳しく説明していました。
日本の規制委員会はおもちゃのようですね、日本の行政の欠陥は法文系が仕切
るやり方が悪いようですね。法文は現場を知りません、分からないことを隠すた
めに隠蔽をしています。
専門家の認証制度があり(現場を10年経験するのは必須条件)、この人たちが制
度の起案に関わればもっと良くなるのではないでしょうか。
原発現場には第三者(当初はボランティア参加の)機関でダブルチェックするこ
とも必要です。
規制庁の主な職員は事故を誘発させた保安院達がいて大丈夫な訳がない。
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┗■3.新聞・雑誌から 3つ
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◆6月21日官邸前行動報告 「ここから」最終回
○ 叫び、思い・・・金曜デモ密着1年
原発再稼働への抗議行動が行われている毎週金曜日の首相官邸前。本誌では昨
年6月22日から、声を上げる人々の思いを取材し「ここから」と題して一年間、
紹介してきた。その中には、デモとは別の方法で社会を変えることを目指し始め
た人もいる。 一方で、今も初めて訪れる人もいる。官邸前は人々が変わるきっ
かけの場であり続けている。
○「ここから」社会を変える
体感したこと大きい–外国の友に伝えたい
「地域に根ざして,当事者意識を持って生きたい」初回に登場した鹿嶋隆文さ
んは1年前、人々がぎっしりと道路を埋め尽くした官邸前で、そう話した。(中
略)
「地域の中でどう動けば、子どもたちがハッピーに暮らせるかとか、自分を取り
巻く世界をちゃんとみるようになった。官邸前に行ってみて、分かったことや体
で感じたことは大きい」
何万人という単位で人が訪れた1年前に比べると、今の官邸前は静かだ。それ
でも雨となった21日も、初めて訪れた人がいた。
カナダ・バンクーバー在住で一時帰国中の主婦は、(中略)
「一般の人達が毎週集まって原発反対の声を上げるのは,すごいことだと思う。
来月バンクーバーに戻ったら、この日、デモに参加したことを周りの友人に伝え
たい」
(東京新聞 6月22日より抜粋)
※ 記事の写真に写っていたプラカードは傑作!
君に贈る 3本の矢
1再稼働 矢めろ
2輸出は 矢るな
3改憲も 矢めろ
◆ 何も進まぬ1年
子ども・被災者支援法期待したが・・・政府に怒り 方針出して
東京電力福島第一原発事故の被災者を救うはずの「子ども・被災者支援法」が
無力のまま、二十一日で成立してちょうど一年を迎えた。超党派の議員提出で、
衆院、参院とも全会一致で可決したのに、政府は具体化のための基本方針さえ作
らない。今月には復興庁担当者のツイッターでの暴言も明らかになった。同日、
東京・永田町の参院議員会館に集まった被災者や支援者は、怒りと落胆の声を上
げた。
○公聴会も開かれず
国として原発事故事故被災者をどう救うか、その理念を定めたのが子ども・被
災者支援法だ。
事故では福島県外にも放射線量の高い地域が広がったことから、支援対象を地
理的に限定せず、一定の基準以上の放射線量が測定された地域の被災者とした。
その地域に住むことも、避難することも、避難先から戻ることも、自分で決める
権利があり、国は必要な支援をする。
支援策を具体化するのが復興庁が取りまとめる「基本方針」。支援対象とする
放射線量の基準や健康調査の方法などを、被災者の意見を聞きながら決めること
になっているが、ヒヤリングや公聴会は今まで一度も開かれていない。
(東京新聞 6月22日より抜粋)
◆無視された原発慎重論 三木谷浩史・楽天社長ら
「再び事故 全産業終わる」
民間議員10人のうち、原発再稼働に慎重論を唱えたのは三木谷浩史・楽天社長、
竹中平蔵・慶大教授や新浪剛史・ローソン社長ら。三木谷氏は会議後、原発再稼
働が明記されたことに「非常にリスクが高いので慎重にやってほしい。両論併記
にすべきと主張したが、難しかった」と悔しさをにじませた。
三木谷氏は今年1月の会議発足以降、再稼働に慎重な対応を取るよう繰り返し
主張してきた。1昨年の東京電力福島第一原発の事故を受け「もう1回、福島のよ
うな事故が起こったら、全ての産業が終わってしまうのではないか」と指摘。原
発の存在自体に疑問を投げかけてきた。
三木谷氏は「原発は事故発生時の被害が極めて大きい。成長戦略に記載するのは
適当ではない」と素案の見直しを求める見解を文書で提出した。
・原発再稼働に慎重な産業競争力会議民間議員の発言
三木谷浩史 楽天社長
○もう一回福島のような事故が起こってしまったら、全ての産業も含め終わって
しまうのではないか。福島の場合でも安全だと思っていたわけで、人間のやるこ
とには限界がある(→2月18日、同会議で)
○原発は事故発生時の被害が極めて大きいので、再稼働は慎重に考えるべきだ。
成長戦略に記載することは適当でない (→6月5日、同会議で)
竹中平蔵 慶応大教授
○原発の議論になると、エネルギー源確保の議論に偏るのは、組み立てが違う。
電力システム改革からスタートしてほしい (→2月18日、同会議で)
○原発については慎重な対応が必要(3月29日、同会議で)
新浪剛史 ローソン社長
○(原発再稼働は)慎重に慎重を重ねてやっていかなければならない。安全基準
のみならず、地元の方々の理解も大変重要だ(→3月29日、終了後記者団に)
( 6月13日 東京新聞より抜粋 )
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┗■4. 今週のたんぽぽ舎のお知らせ
| 「原発なしでも電気は大丈夫」という動画(2010年9月)
| You Tube 「源八おじさんとタマ」シリーズ
└──── 鈴木千津子(たんぽぽ舎)
広瀬隆さんの講演データを素材にして、中村徹さんが、初めて作成。
第5弾目で津波をテーマにしたものを作成・・・想定以上の高さの津波が押し
寄せ、堤防を乗り越え、浜岡原発の建屋が津波にのまれ、流されるというストー
リーで作ってからわずか数ヶ月で福島原発で地震と津波による甚大な被害に見舞
われた。それも大量の放射能とともに!!
国は想定外だったと言うが!!絶対大丈夫なことは、絶対無いということをし
っかり証明した!
この動画はNo6まで続いた。
今度、あらたに「憲八おじさんとタマ」と題して1 憲法改正、2 96条、
3 日本国憲法と3作を制作、配信中です。 ぜひご覧下さい。
『憲八おじさんとタマ001』 http://youtu.be/DueYPXbJsUk
『憲八おじさんとタマ002』 http://youtu.be/AvjyR_jnf9A
注:「源八おじさんとタマ」はこちらを参照下さい。
http://www.youtube.com/playlist?list=PLDA56915BC468184E
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【編集部より】
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