知恵 カモメさん、コメントありがとうございます。具体的なご報告ありがとうございます。コメントの返信は、少し長くなりましたので、記事といたしました。最近の社協の広報誌から、簡単な報告をしたいと思います。 佐倉市社会福祉協議会の広報誌『社協さくら』186号(2015年12月1日、データは、同年4月1日現在)社協の人事・給与などの状況」によれば、人口18万弱の佐倉市社協の職員は、正規職員15人、嘱託職員18人。人件費(手当・社会保険料・退職掛金含む)は、1億9079万、その資金源は、以下の通りですが、広報誌では「平均月額給与」「同給料」しか発表されていません。約1億9079万円を職員数で割って、年俸額を見て驚きます。正規職員の諸手当は市職員に準じています。採用試験の実態は、となると・・・。
<人件費の資金源>
佐倉市補助金: 3935万円
佐倉市受託金: 5934万円
県社協補助金・受託金 1070万円
自主財源: 8140万円
合計 1億9079万円
また、平成26年度(2014年度)決算報告(『社協さくら』184号、2015年12月1日)の「事業別資金収支計算書」によれば、事業活動支出計4億3213万の内人件費は2447万、57%を占めています。事業活動収入の方では、会費収入2221万は、収入計4億0572万の5%にも満たないことになります。社協は、自治会を通じて、大方は1世帯500円を収めると300円が地区社協に還元されるという触れこみで、必死で会費徴収させているのが実態でしょう。年度初め、自治会長を集めての地区代表者への説明会では、自治会ごとの会費納入額を発表するという、社員の営業成績を競わせるようなことをしているのです。そもそも、善意による寄付金は競われるものなのでしょうか。
それでは、地区社協では何をやっているかというと、広報誌ではイベントの写真と役員や福祉委員の名前は、ものものしく掲載されるけれども、数年前から、決算報告が掲載されなくなってしまったようです。市社協から還元される補助金や佐倉市からの配分金で実施される最大のイベント敬老会やその他の事業への参加者は少なく、敬老会ですら、市内、どの地区社協も参加者は30%内外に過ぎないことは、佐倉市ホームページで高齢者福祉課も公表しています。 これからもこんなイベントを続けていくのでしょうか。コメントの知恵 カモメさんがおっしゃるように、住民の税金、社協募金が、一部の住民の恣意的な福祉(リクレーション)になりかねません。佐倉市では、かつて評判の悪かった記念品に代えて、敬老の日前後に後期高齢者に千円分の「地域敬老商品券」なるものをばらまいています。本当に必要なところに届ける福祉への努力が見えてきません。
規制緩和、民間委託、指定管理者制度などによる、政府と自治体の手抜きによる質の劣化が日増しに露わになる福祉事業です。もし、とりあえず社会福祉協議会を存続させるのであれば、正規職員を丸ごと自治体の補助金でまかない、市民は半ば強制的な会費納入を横行させているようでは、ほんとうのボランテイア精神にはつながらないと思います。一民間の社会福祉法人として、自治体との蜜月を断って、自立した社会福祉法人となるべきだと思っています。自治体は、厄介な事業を人件費で釣って丸投げしているようでは、福祉の質の向上は望めません。
一市民として理不尽なことがあれば、一つ一つの自治体、一つ一つ社会福祉協議会、自分の属している自治会に向けて、異議を申し立てなければと思うのです。同じような考え方を持つ人は必ず、身近にいるに違いないと私は信じながら、仲間と動くことができればと思っています。一昨年の朝日新聞「私の視点・自治会と寄付金」や先日の「自治会は今」の記事を見たという方からの新聞社を通じての問い合わせを受けたり、ブログのコメントを通じて、各地の実態を知ったりすることもあります。
各地で声を上げる多くの方々と情報交換をし、少しづづ共感の輪が広がればと思います。先日も市内の、来年自治会長を務める羽目になったという方からの問い合わせがありました。役員会や班長会議での丁寧な話し合いや合意形成ができればいいな、と思ったところでした。
・平成27年度佐倉市社会福祉協議会事業計画(簡易版は『社協さくら』183号(2015年5月1日) http://www.sakurashakyo.or.jp/kokai/H27jigyouan_yosan.pdf
初出:「内野光子のブログ」2016.02.28より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2016/02/post-608e.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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