「トランプ米大統領以外にいない!」と、西サハラ難民大統領は記者会見で、トランプにラブラブコールを送りました。
その一方で、「トランプは世界の難民にとって大迷惑な存在だ」と、国連人権高等弁務官ザイド王子が憎々しげに糾弾しています。 「トランプは女性の敵だ」と、3月8日の国連国際女性デーでは、各地のデモ参加者たちが叫びました。 世界中の人権活動家たちや難民事業家たちがトランプを悪魔かゴキブリのように毛嫌いしています。 唯一、西サハラ難民だけが熱い眼差しをトランプ米大統領に向けているのですが?、、 西サハラが伝える<希望的観測>と、国連記者会見の模様を以下に報告します。
(1) アメリカ国務省の2016年人権報告書:
アメリカ国務省が2016年度世界人権状況の報告書を発表した。同書は、「最も顕著な人権問題は、西サハラ領域内で起こっている。モロッコ政府は、西サハラ住民の自由を侵害し、住民の独立を目指す政治的権利を剥奪している」と、報告している。さらに同書は、西サハラ政治囚人に対するモロッコ占領当局の非人道的な扱いに関して、「西サハラ政治囚たちは、狭い房にぎゅうずめにされ、拘留期間は理由なしで延期される。しかも、裁判所は権力から独立してないので、被告の人権も守られず正当性に欠ける」と、モロッコによる西サハラ人に対する非人道的政策を非難している。
(2) 「トランプがやってくれる」?西サハラ難民大統領:
2017年3月6日、アルジェリアのアル・ハバル紙のインタヴューで、ブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領はトランプ米大統領への想いを熱く語った。「ドナルド・トランプ大統領が率いるアメリカ新政権こそが、西サハラ紛争を正しく恒久的で民主的に解決することに貢献できるものと、大いに期待している。1991年に国連とAUアフリカ連合が約束した平和的解決策は、25年にわたって放置されたままだ。暗礁に乗り上げたこの問題を早急に解決できるのは、トランプ大統領以外にいない」と訴えた。さらにブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領は、「新政権になってもアメリカは、西サハラ紛争に関して国連事務総長と国連事務総長個人特使の努力を支援している。それに、アントニオ・グテレス新国連事務総長は、これまでの国連事務総長に比べてダントツに、西サハラ難民問題に精通している」と言及した。
トランプは何と応じる?それより、ホワイトハウスにこのラブコールが届くのかな??
(3) (3)アルジェのスペイン外務大臣:
2017年3月8日、アルジェリアの首都アルジェで、アルホンソ・ダスティ・スペイン外務大臣は、「スペイン政府は国連事務総長と国連事務総長個人特使による、正当で恒久的で双方が納得できる政治的解決を見つけようとする努力を支持する。その解決策は西サハラ人民の民族自決権を保障し、国連憲章に則り、国連安保理決議に従うものでなければならない」と、APS(アルジェリア・プレス・サービス)のインタヴューで語った。そして、「アルジェリアもスペインも、国連では西サハラの友人グループに属している。我々両国は、国連の重要性を尊重し、MINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)の存在と意義を支持している。
スペインは日本と共に、国連安保理で非常任理事国の席を温めている。スペインはモロッコ占領以前に、西サハラを植民地支配していた。西サハラ難民は未だに元宗主国のスペイン語を喋るし、スペインの影がチラついている。
アジアでも、元植民地宗主国の存在がチラチラしている。たとえば、暗殺された金正男氏の子息ハンソルさんは、中国植民地マカオ(中華人民共和国マカオ特別行政区)から元オランダ植民地・インドネシアを経由してアメリカに渡ったそうだ。元宗主国オランダがアメリカにハンソル氏を引き渡したようだ。二大国とユダヤ・コネクションの影がチラついてますね、、
(4) お~い!ロス国連事務総長個人特使!!:
2017年3月6日の国連記者会見で、「クリストファー・ロス国連事務総長個人特使が西サハラ問題から手を引くと、モロッコや一部メデイアが騒いでいる。この件に関してコメントが欲しい。グテレスは承知しているのか?」という質問が出た。国連副報道官は、「クリストファー・ロスは今のところ、喜んで任務に就いている」と、答えた。
二日後の3月8日、同じ国連記者会見室で同じ記者が、「再度、同じクリストファー・ロスに関してだが、一体、今、彼はどこにいるんだ?当該地域を去るのか?辞任を申し出たのか?辞任をお願いしたのか?ロスは現在、どこで何をしているのか教えて欲しい」と、質問を繰り返した。国連副報道官は、「今、現在、彼は西サハラ国連事務総長個人特使として、仕事を続けている。もし、何か変化があったら、お教えする」と、同じ回答を繰り返した。
直訴しかない、、 本当にトランプ米大統領に助けて欲しいのなら、ホワイトハウスの前で毎日座り込むことです。 トランプ米大統領は、「聞いたこともないような世界の隅っこに、アメリカが援助することなんかない」と、明言しています。 そんな人に、遠く離れたサハラ砂漠から、愛を叫んでみても、、どうなるんでしょうね?どうにもならないヨ、、
手段を選ばず直訴する、、 早くしないと、商売上手なモロッコ国王が、モロッコ占領地・西サハラの天然資源をトランプに売っとばしてしまいますよ!
西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2017年3月10日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6559:170310〕