昨年末から本年始めにかけて既視感のある出来事が続いています。 最初は、その重大性においては問題にもなりませんが、この国が実質的に捕鯨を継続している処から国際的に孤立しつつあり、遂にIWC(International Whaling Commission:国際捕鯨委員会)を脱退したことが、平成の国際連盟脱退と準えられた訳でした。 商業捕鯨を復活するのだそうです。
しかし、そもそも今頃、鯨を食べている人がどれ程居るのでしょうか。 私自身が、鯨を食べたことは、数十年程の時間を遡った昭和30年代に牛肉の代用として臭い、固い安物の鯨の部位を臭いに我慢しながら喰い千切った覚えがある程度なのです。
加えて、十数年程の昔に、その頃に行きつけの居酒屋で冷凍ケースに入った鯨肉を見かけましたが、幼少期の惨めな思い出が頭を過り、顔を背けたことがあるのみです。 言い方は悪いのですが、あんなものを今頃食べる気はありません。 もっとも、大阪市内の数少ない鯨肉料理を出す料理屋ならば美味しいのでしょうが、昭和の時代に両親が夕食に出した鯨肉料理は、今の大阪市内の料理屋が出すものとは違ったことは自明のことです。
統計的に見れば、鶏肉・豚肉とは消費量が比較することも叶わない程なのが分かります。 態々、国際的な非難を受けてまで捕鯨をする利益が何処にあるのでしょうか。 仮にその利益があるとすれば、関連省庁の省益と関連企業と関連業者の利益でしょう。 そして、そのために無駄に国税も失われる訳でしょう。
コラム:グローバルとローカル:世界は今
鯨から豚、そして鶏へ… 三石誠司 宮城大学教授 JAcom
https://www.jacom.or.jp/column/2017/04/170407-32445.php
お次は、韓国海軍艦艇の海上自衛隊機に対するレーダー照射「事件」ですが、これには、笑いました。 「ああ、そうか。 トランプさんのおかげで、困った時の北朝鮮と行かない訳ね。」と。
旧日本軍が犯したでっち上げ事件の数々は、余りにも明々白々でしたので国際連盟ならずとも見破るのは容易であった訳ですが、今回もアベ政権ならずとも代々の自民党政権の常套手段である「困った時の北朝鮮からのミサイル発射」が望めないので、韓国を相手にしたのでしょう。
統一地方選挙勝利と憲法改悪を成功に導くのには、何等かの危機を演出する必要がある訳ですから、北朝鮮のミサイル発射と同等の危機を演出する必要があったのでしょう。
ごく一般的な軍事知識があれば、敵対国でない国を相手に何を騒ぐのか、と言いたいのです。
思想的には、右派とされても、流石に航空自衛隊の高官でおられたので、田母神俊雄氏は、その点を明言されています。
田母神俊雄手記「レーダー照射、韓国軍の実力では自衛隊と戦えない」
『田母神俊雄』 2018/12/29 ironna
三つ目がこの国にとっては弱り目に祟り目になるかも知れません。 あの「強欲」ゴーン氏の逮捕事件です。 しかし、いくら強欲であっても逮捕されれば即有罪ではありません。
年末の逮捕には驚きましたが、時間を経て特捜検察のみならずこの国の刑事司法手続の実際が国際的非難に晒されるのではないのか、とも思えて来ました。
それは、ゴーン氏の容疑が、刑法に定められた古典的刑事罰では無く、特別刑法と呼ばれる分野の罰条に係るものである処から、技術的な側面も存在し、特捜検察の解釈とは相違する解釈も存在するからです。 其処から、この国のマスコミが揃って報道をしている内容よりは、数少ない海外のマスコミ報道が値千金にも思えるのです。
毎日、毎日、報道されるこの国マスコミの行政庁垂れ流しの報道よりも、国際的ジャーナリストが書かれた数頁の報道が貴重と思える訳です。
その中の特筆されるものがWSJ(Wall Street Journal)に載った「不思議の国のカルロス・ゴーン」でした。
「不思議の国」のカルロス・ゴーン The Wall Street Journal Diamond On Line
https://diamond.jp/articles/-/190641
ゴーン氏の声明自体は、以下のとおり。
情報BOX:ゴーン日産前会長の声明 Reuters 2019年1月8日 / 12:59 / 6日前
https://jp.reuters.com/article/nissan-ghosn-text-idJPKCN1P206Z
ゴーン氏を外国企業の傀儡並みに観て排除せんとされた今回の一件は、戦前の治安維持法関連事件を彷彿とさせられます。
諸外国からの日本への投資案件は如何になるのでしょうか。 日本で成功すれば、危ない、となれば投資家も逃げるでしょうからアベ氏も困るのでは?
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion8305:190115〕