「もう一度サハラへ」と、、篠塚建次郎さんが、70歳になる節目にアフリカ・エコ・レース(2018年12月30日~2019年1月13日)に参加しました。 篠塚さんは、日本人として初めてWRC世界ラリー選手権とパリ・ダカール・ラリーで優勝したそうです。 70才の節目とか、かっての栄光だとか、、それはそれで個人的にご立派なことかもしれませんけど、篠塚さんが走った<西サハラ>はどんな所か?ご存知でしょうか?、、西サハラは、アフリカ最後の植民地でモロッコが占領支配している紛争地です。
(1)モロッコ国連大使・オマル・ヒラールの挑発:
2019年1月10日にモロッコ国連大使オマル・ヒラールが、「モロッコ王国政府に代わって、あなたにご注進申しあげます。実は、ポリサリオ戦線(西サハラ政難民政府軍)がゲルゲラト緩衝地帯などで違反行為をし挑発をしているのです。さらにモロッコサハラ防御壁の東側を脅かしています」と、ポリサリオ西サハラ難民政府の軍事パレードと地雷除去を停戦違反だと噛みつく手紙を、国連安保理と国連事務総長に送った。さらにヒラールは、「ポリサリオは2台の軍用車をゲルゲラト緩衝地帯に展開させ、モロッコ・ラリー(別名アフリカ・エコ・レース)参加車を威嚇した」と、2018年1月のモロッコ・ラリー(別名アフリカ・エコ・レース)偽装威嚇事件を再現しようとした。昨年、ヒラールは西サハラ停戦違反をでっち上げ、国連事務総長と報道官を手なずけたという前科がある。さらにヒラールは国連報道局にねじ込み、西サハラ問題の取材を続けているマチュ―・リー記者を国連から追放させるという、裏工作にも成功している。
ヒラールが主張する<ポリサリオ軍事演習地域>とか<地雷防御壁の東側>は、モロッコ占領地区内ではなく、ポリサリオ西サハラ政府解放区だ。
篠塚さん、<西サハラ>とはこんな所です。地雷を踏まず砂の壁を超えることができて、まずは、おめでとうさん!
(2)ヒラールが操るモロッコ雇われ記者:
1月10日と11日の定例記者会見で、ヒラールに雇われた記者が「私はモロッコ大使の手紙を読んだ。ポリサリオ西サハラ難民政府の停戦違反に関した見解を示せ」と、報道官に迫った。フランス人の報道官は明らかにモロッコ贔屓だったが、この誘導尋問にはひっかからなかった。2019年になって安保理に南アフリカが加わり、安保理はモロッコを支持するフランス主導から西サハラ人民投票を支援するアメリカ主導に変わりつつある、、この老獪な国際官僚は用心深くなっていた。
報道官は、「そのことに関して、特別なコメントはない。我々はあなたも見た手紙を受領したこと、モロッコが停戦違反を告発していることを確認した。ご存知のように、この種の告発は双方からの申告が必要だ。そのために、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)が双方の地に展開している。そのミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票)から、違反とみられる行動は報告されていない」と、回答した。
1月10日、モロッコ王室御用達ニュースソースMWN(モロッコ世界ニュース)も、モロッコの排除外交や捏造外交に注意を促している。MWN(モロッコ世界ニュース)は、「モロッコにとって友好的でないとみなすジャーナリストを妨害したり国連組織から排除したり、著名な団体などのアクセスを拒んだりすることは、モロッコにとって逆風になり、頭の痛い外交問題を多発している。その結果、モロッコは、正当な論戦の場とチャンスを失うことになってしまった。」という記事は、まさに、国連ビルからヒラールが追放した、西サハラを取材するマチュウー・リー記者追放事件の失敗を非難している。
しかし、リー記者は年が明けて2019年になっても、国連禁足を食らったままだ。
篠塚さん、あなたも<西サハラはモロッコのもの>というモロッコ宣伝の御先棒を担がされたことになります。モロッコ・ラリー(別名アフリカ・エコ・レース)は、モロッコの西サハラ領有権を目論むフランス大統領サルコジ(当時)肝いりで、2009年に始まった。
(3)新安保理理事国の南アフリカは西サハラを100%支援:
2019年1月13日、南アフリカのダーバンで、南アフリカ大統領シリル・ラマポーザが、「西サハラ人民の自由と独立を目指す正当な闘争を、全面的に支援する」と、第107回ANC(アフリカ民族会議)記念講演で語った。「自由と独立の西サハラ人民闘争は、我々自身の闘争でもある。ANCとして、我々は、ポリサリオ戦線に寄り添って、西サハラ人民が民族自決権を行使できるように支援し続ける。AUアフリカ連合の中でそして国連レベルで、最後のアフリカ植民地・西サハラ全土の主権回復のために、西サハラ政府への支援を惜しまない」と、熱弁を振るった。そして南アフリカ大統領シリル・ラマポーザは、2019年1月から2年間にわたる国連安保理の一員として、西サハラを100%支援していくことを誓った。
西サハラ全面支援を宣言する南アフリカ大統領シリル・ラマポーザ
SPSサハラ・プレス・サービスも、MWN(モロッコ世界ニュース)も、南アフリカ大統領の演説を、2019年1月13日付けの記事に、そのまま引用した。一方モロッコ報道官ムスタファ・エル・ハルフィは、「西サハラはモロッコ内にあり、国内問題だ。手出し無用」との見解を繰り返した。
アフリカ大陸で一番の大国は、南アフリカだ。AUを牽引しているのは間違いなく南アフリカとナンバー2のアルジェリアだ。両国とも、アフリカ大陸から忌まわしい植民地をなくそうと国連や国際社会で論陣を張っている。アフリカ最後の植民地・西サハラを開放しようとしている。TICADアフリカ開発会議の成功は、この2大国の協力にかかっている。
1978年に、オートバイ・ライダーのティエリー・サビーヌが仲間を誘って、世界一過酷なモータースポーツ競技<パリ・ダカール・ラリー>を始めました。 しかし、1986年パリダカ(パリ・ダカール・ラリー)を援護していたヘリコプターが墜落し、同乗していたサビーヌも亡くなりました。
パリダカの浪漫はサビーヌと共に死んでしまいました。 1月14日はサビーヌの命日です。
篠塚さん、西サハラが独立した暁には、パリ、西サハラのダハラ、そしてダカールを繋ぐ文字通りのパリダカ・サハララリーにご参加ください。
Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2019年1月15日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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