30日放映 ETV特集のご案内「黒いダイヤは見ていた〜三池炭鉱・与論からの移住120年」

著者: 熊谷博子 くまがいひろこ : 映画監督
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熊谷博子です。いつも応援をいただきありがとうございます。

久しぶりにTV番組のお知らせです。

11月30日(土)23時〜 NHK・ETV特集

『黒いダイヤは見ていた〜三池炭鉱・与論からの移住120年」

https://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2019-11-30/31/14796/2259681/

12月 5日(木) 0:00~ (水曜深夜) 再放送

今年は、鹿児島県の最南端、与論島から三池炭鉱へ、最初の集団移住が

行われてから120年目になります。

仕事は、ごんぞうと呼ばれる船積みの厳しい労働。言葉や風習が違うという

偏見の中で、長い間差別が続きました。

三池の与論会の方々が、三池炭鉱のあった大牟田市の夏祭り「大蛇山」に、

与論の名前を出して参加したのはやっと12年前です。町の一角に

与論の人(ユンヌンチュ)の共同納骨堂がありますが、そこには、出自を終生周囲に

明かさないまま眠っていらっしゃる方もいます。

私自身はその事実を知ってはいましたが、当事者の方たちが口を閉ざしている以上、

どう伝えるべきかずっと悩んでいました。しかし、与論の中学生たちが、先祖たちの

歴史を学んで向き合い、三池炭鉱跡に修学旅行に行くようになりました。

彼らが現地で、移住の経緯を語る「黒いダイヤの涙」(与論の川畑アキラさん詞・曲)

を歌う姿に、思わず涙がこぼれそうなります。

小さな島の小さな歴史かもしれないけれど、私はこの国の普遍的な事柄だと感じています。

どう次世代に真実をありのままに伝えるのか、深いテーマです。

実は九州・沖縄地区で、別の形で25分番組を放映したのですが、その反応が私の予想を

超えるものでした。多くの感動の言葉と、伝えようとする制作者の勇気に言及してくれた

ものもありました。

与論の青い海、島を出た後の仕事と暮らし、それ受けとめ、苦難したであろう先祖たちの

前で歌う中学生たち・・・

伝える大人の責任もひしひと感じつつ。

 

どうかご覧下さい。