CO2温暖化を巡る裁判報告

著者: 近藤邦明 こんどうくにあき : 「『環境問題』を考える」管理者
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 さて、福島第一原発事故を巡る連載の中で少し触れてきましたので、人為的CO2地球温暖化仮説というものが、先進工業国グループの原子力発電システムなどの「エコ商品」を世界市場で売り込むために政治的にでっち上げられてきたものであることがある程度ご理解いただいていると思います。
 福島第一原発事故において図らずも、政府や東電の情報隠蔽工作に加担している気象庁、気象庁と一体となった日本気象学会(学会組織でありながら気象庁内に事務所がある!)、そして東京大学などが国民の安全よりも原子力発電を守るために行動していることが明らかになってきました。
 槌田敦氏と私は、人為的CO2地球温暖化仮説に基づく今日の原子力発電推進体勢を一貫して批判してきました。槌田氏と私は信頼性の高い観測結果を分析することによって人為的CO2地球温暖化説が誤りであることを示し、これを2つの論文にまとめて日本気象学会誌「天気」に投稿しました。
 日本気象学会は、学会組織として人為的CO2地球温暖化仮説を支持するという立場をとっています。これは、気象学に関する学問・研究の自由を守り、発展するという本来の目的から逸脱した異常な体質です。図らずも今回の福島第一原発事故後の日本気象学会理事長新野宏が会員に対して配布した文章にもその体質がよく表れています。
 気象学会に投稿した槌田-近藤論文に対して気象学会誌編集委員会は何ら自然科学的に合理的な理由を示せないまま、気象学会が支持する人為的CO2地球温暖化仮説を否定するものであるという唯一の理由だけで論文掲載を拒否しています。
 第一論文に対する裁判は既に最高裁で敗訴が確定していますが、4月13日から第二論文に関する裁判が東京地方裁判所で開始されます。福島第一原発事故で明らかになったように、この裁判の帰趨は単に日本気象学会だけでなく、政府や電力事業者に関わる内容であるため、敗訴した第一裁判同様、国家的な圧力が作用する非常に厳しい裁判となりますが、読者諸賢には傍聴等を通じてご支援賜りたいと思います。

気象学会論文掲載拒否事件第二裁判
第一回口頭弁論 2011年4月13日10:30~ 東京地方裁判所708号法廷
 更に、前東大総長である小宮山宏(現三菱総研理事長)は、「原子力ルネサンス」を掲げ、原子力発電の導入を強力に推し進めようとしていますが、彼らにとっても人為的CO2地球温暖化仮説に否定的な意見があることは目障りであったため、東大在任中に住明正に指示して東大IR3S叢書『地球温暖化懐疑論批判』という冊子を国費で作り、否定的な論者を誹謗・中傷によって社会的に一掃することを画策しました。槌田氏と私もこの冊子の中で謂れのない非科学的な中傷によって名誉を著しく毀損されました。
 この件に関しましては別件裁判として既に東京地裁で係争中ですが、裁判の途中で突然裁判官が差し替えられ、原告側の証人として招致しようとしていた小宮山らの招致を認めないという判断が出されました。そこで、更に小宮山宏、明日香壽川らを被告とする名誉毀損訴訟として提訴することになりました。こちらの裁判に関しましてもご支援をお願いいたします。

 尚、裁判経過につきましては随時、槌田氏の裁判報告として報告いたしますので、これもご参照ください。

CO2温暖化を問う2つの裁判報告(19 (槌田敦 2011/03/24)New!
CO2温暖化を問う2つの裁判報告(20 (槌田敦 2011/04/05)New!
上申書 (槌田敦 2011/03/23)New!

『環境問題』を考える http://env01.cool.ne.jp/index02.htm より転載。 

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座  http://www.chikyuza.net/
〔opinion0415 :110411〕