ICC国際刑事裁判所はノーサレンダー! アメリカ・ファ―ストはイスラエル・ファースト

 2018年9月10日、アメリカのジョン・ボルトン国家安全保障補佐官はICC国際刑事裁判所にサレンダー(降伏)を命じました。 しかし、ICC国際刑事裁判所はサレンダー(降伏)を拒絶しました。
 そのボルトンは2007年11月に「サレンダー イズ ノット アン オㇷ゚ション(降伏は選択肢にない)」という本を出しています。 降伏したくないのは、ジョン・ボルトンさん、あなただけではありません。 ICCもPLOも、みんなアメリカに降伏したくないと、断言しています。
  
(1) PKO(United Nations Peacekeeping Operations)削除を企むアメリカ:
 アメリカが議長国をやる9月の国連安保理は、PKOの審査をする。かねがねPKOの無駄遣いを非難してきたアメリカは、15以上あるPKOのうち不用だと査定を下したPKOを、情け容赦なく排除する積りらしい。「ファイア!(首だ)」の♠米大統領とジョン・ボルトン米大統領安全保障補佐官などが描くシナリオで、好戦的なニッキー・ヘイリー女大使が<排除!>と見得を切る。アメリカの差別主義と特権意識が、これほどハッキリ世界に露わにされたことはない。そんなアメリカに、世界はこれ以上オベッカを使うのか? 使ったって、何も見返りをよこさないよ、、国連一般討論で、どの国が堂々とアメリカに向きあえるのかな??
 9月のアメリカ国連安保理議長国が審判を下すPKOは、リビアUNSMIL,、ハイチ MINUJUSTH、アフガニスタンUNAMA 、ソマリアUNSOM、コンゴ民主共和国、  MONUSCO などである。そして、MINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)が最終の9月28日に予定されている。
PKOとは国連平和維持活動のことで、1948年から今日まで63が設立されてきたが、2010年以降は約15のPKOが紛争地に展開している。

(2) パレスチナ遊牧民とPLOの殲滅作戦:
 国連ヌーン・ブリーフィングでは9月10日、11日、12日と連日にわたって、記者たちから<イスラエルによるパレスチナ遊牧民とPLO(パレスチナ解放機構)の排除>に関する質問があいついだ。国連事務総長のパレスチナ排除に対する見解を問い質したのだが、「見解は未だ聞かされていない」と、ステファン国連事務総長報道官もファルハーン副報道官も短い答えを繰り返すだけだった。

国連総会で演説するアラファトPLO議長、その頃に戻ったパレスチナ問題

 排除劇その①は9月10日にジェリコとエルサレムを結ぶ幹線道理脇の砂漠で、イスラエルが起こした。イスラエルとヨルダンの国境から死海を左に見ながらまっすぐ聖都エルサレムを目指す道路の脇には、パレスチナ遊牧民の純毛で編んだ黒いテントが点在している。その中で比較的大きく235人が住むテント集落ハン・アル・アーマルにイスラエルは目を付け、立ち退きを命じた。パレスチナ遊牧民たちは「ここは我々の地だ。たとえイスラエル軍のブルドーザーで全滅させられても、我々はまた戻ってくる」と、立ち退きを拒み、遊牧民応援のパレスチナ人たちは宵闇に紛れてテント集落の脇にコンテナハウスを運んだ。衝突劇は避けられない。
 排除劇その②は9月10日にアメリカの首都ワシントンで、アメリカが起こした。ワシントンのPLO(パレスチナ解放機構)代表部に立ち退きを命じたのだ。「パレスチナがアメリカ提案の和平交渉に応じないから」と、いうのが排除という制裁の理由だという。
 これまでパレスチナ側の和平交渉チームを率いてきたサーエブ・エラカート団長は、「代表部の閉鎖は中東地域の紛争を煽っている、、アメリカは人道的事業への資金援助を削減し、イスラエルの犯罪を闇に葬るために国際司法体制を解体しようとしている」と、猛反発した。エラカート団長には、ジェリコにある自宅でインタヴューをしたことがある。鶏やあひるたちが、植物園のような居間で同居していた。
♠米大統領特別顧問で娘婿のジャレッド・クシュナーが中東和平仲介者とか?パレスチナ誌アルクッズのインタヴューで「♠米政権の中東和平案は完成に近い。パレスチナのアッバス議長は和平交渉に戻って和平案を承認すべきだ。まあ、パレスチナの同意なしでも、一方的に公表はするけど、、」と、語った。敬虔なユダヤ教徒のクシュナー・ユダヤ一家はイスラエル首相ネタニヤフ一家と、長年にわたって家族付き合いをしているそうだ。クシュナーがネタニヤフに注ぐ眼差しは、敬愛と信頼に満ちている。義理の父♠には??小利巧で冷淡な義理の息子の目は、義理の父♠が座る米大統領の椅子に注がれているとか?

(3)アメリカにノーサレンダーのICC!:
9月10日のホワイトハウスから、「合衆国はICC(国際刑事裁判所)という類の組織に、我々の憲法と権威を脅かされることは断じてない。ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官がアメリカの立場を説明する講演を、本日、行う。彼は<我々はICC に協力しないし、ICCに援助しないし、断固としてICCに参加しない>と、語っている」とのメールが発信された。そして、「アメリカ人ファースト」と、締めくくっていた。
9月10日、ジョン・ボルトンは「国際刑事裁判所(ICC)が米国民を起訴したら、米政府はICCに制裁を科す」と、ワシントンの講演で発言した。ボルトンのICC拒絶理由は
二つあり、その一つめはイラク侵略戦争やアフガニスタン戦争などに於けるアメリカとアメリカ人の戦争犯罪をICCがより上げようとしていること、その二つめはパレスチナ自治政府がガザ地区やヨルダン川西岸地区における人権侵害疑惑でイスラエルをICCに訴えようとしていること、この二つだ。一つめのアメリカ人やアメリカ軍の戦争犯罪は、ボルトン自身が戦争当事者だったから、ブッシュを始め戦争犯罪者たちに背中を押され、ボルトンは自分のためにも必死だ。二つめのパレスチナによるICC起訴の阻止は、♠の娘婿クシュナーとイスラエル首相ネタニヤフの命令だ。
 ICC国際刑事裁判所は、国際関心事である重大な犯罪について責任ある個人を訴追・処罰する。侵略犯罪についても2010年の再検討会議 で認める改正条項が採択された。ヨーロッパとアフリカ諸国の多数がICC国際刑事裁判所に加盟している。が、安保理常任理事国のうちでアメリカと中国とロシア、そしてイスラエルは未加盟だ。
  
ICC国際刑事裁判所は、アメリカの脅しに耳をかす必要はありません。 支援金も出さない、加盟もしていないアメリカなど無視して、ICC国際刑事裁判所は正義の裁きを決行してください。 日本を含めICC加盟123か国を、アメリカは馬鹿にしてきました。

 そのお返しと言ってはなんですが、、
アメリカをバカにしましょう!  アメリカを無視しましょう!! 

Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2018年9月14日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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