News Letter第1号を発行 日本生協連が平和への取り組みの一環として

 ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ紛争を機に平和運動に力を入れることになった、生協の全国組織・日本生活協同組合連合会(土屋敏夫会長・組合員3000万人)が、このほど「平和の取り組みに関するNews Letter」第1号を発行した。

 第1号は、「平和の取り組みに関するNews Letter」発行の狙いを述べているが、こう書かれている。
 「日本生協連は創立以来『平和とよりよい生活のために』という理念を掲げ、平和の問題に取り組んできました。広島、長崎、沖縄で開催しているピースアクション、被爆体験を継承する取り組み、ユニセフ募金、戦争や漢兵器に関する学習会など全国の生協で組合員、・役職員が幅広い活動をおこなっています。ウクライナ、イスラエル・パレスチナなどで惨禍が繰り返される中、戦後80年に向けて、多くの方に平和の取り組みを知っていただくためのニュースレターを発行いたします」

 その後、News Letterは、まず、ビキニ事件後に日本国中で盛り上がった原水爆禁止署名運動で、生協組合員が大きな役割を果たしたことを記述している。
 ビキニ事件とは、70年前の1954年3月1日に太平洋のビキニ環礁で行われた米国の水爆実験で、静岡のまぐろ漁船・第五福竜丸の乗組員らが「死の灰」を浴びて放射能症になった事件。これを機に東京・杉並の主婦たちが始めた原水爆禁止署名が全国に波及、それを背景に1955年に原水爆禁止世界大会が広島で開かれるわけだが、News Letterは「杉並の署名で大きな役割を担ったのは杉並区内の生協で活動する女性たちでした」とし、さらに「原水爆禁止世界大会の実行委員会に日本生協連も参加しました」としている。

 次いで、News Letter は、第五福竜丸のエンジン保存運動にも生協が大きな役割を果たしたことを取り上げている。
 被災した福竜丸のエンジンは、貨物船に付け替えられたが、その船が紀伊半島熊野灘で沈没、エンジンは海底に沈んだまま放置されていた。それを引き揚げ、東京・夢の島に保存されている福竜丸のわきに移送する運動が1998年から1998年にかけて行われた。Letterはその経過を詳述しているが、その中で、和歌山県、東京都の生協と日本生協連が懸命に努力したことを報告している。

 日本生協連の広報部によると、「平和の取り組みに関するNews Letter」の発行日は決まっておらず、適宜発行するという。ネットで日本生活協同組合連合会と検索すれば同連合会のホームページが現れるのでそこで閲覧できる。

初出 :「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/

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