私の結論は以下のとおりです。
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吉田所長の1F構内待機指示は、柏崎刈羽メモに明確に記載されていたし、15
日朝8時30分の東電本店記者会見で配布された資料にも明記されていた。
そして、東電は、この会見時には、650名の2Fへの移動の事実が判明してい
たにもかかわらず、この事実を明らかにせず、退避した社員は1F近くに待機し
ていると発表していた。
650名の2Fへの移動は所長の指示命令に明らかに反しており、だからこそ、
東電は記者会見においてこの事実を隠蔽したのだと考えられる。
吉田所長の1F内待機の指示の存在を認めながら、この指示があいまいなもので
あったかのように分析するPRC見解は、これらの客観的資料やこれと符合する吉
田調書をあえて無視し、推測にもとづいて議論を組み立てている。事実と推測を
混同しているのは吉田調書報道ではなく、このPRC見解の方である。
真実にたどり着いていない者に、真実を明らかにしようとする者を批判する資格
はない。
朝日新聞社も含めて、すべてのジャーナリストには、3月15日朝の福島第一原
発の真実を明らかにするという責任が残されている。
資料2は
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/j110315a-j.pdf
資料3はユーチューブで確認可能です。
http://www.youtube.com/watch?v=QXxDQuX8UPc
資料4は
http://www.nsr.go.jp/archive/nisa/earthquake/plant/1/plant-1-2303.html
資料5は一般に入手が難しいため柏崎刈羽メモを添付します。(PDFは省略しました―編集部)
海渡 雄一