＜殉教者サブリーンさんの赤ちゃん＞と書かれたテープを、新生児担当の医師が保育器の中の赤ちゃんに貼りました。 赤ちゃんの名前をつけるべき両親がいないのです。
① 1.4キログラムのみなしご新生児：
2024年4月20日の真夜中、この日もイスラエル軍はガザ南部のラファに爆弾を落とした。サカニさんの家も轟音とともに崩壊し炎が夜空を焦がした。寝ていた床屋のサカニさんと娘のマラクちゃん（3）と奥さんのサブリーンさんは、瓦礫の中から引き出されたが、サカニさんとマラクちゃんは死んでいて、血だらけのサブリーンさんはエミレーツ病院に運ばれた。が、サブリーンさんも死んだ。しかし、お腹の赤ちゃんは、生きていたのだ！医師は緊急の帝王切開手術を行った。わずか1.4キログラムの赤ちゃんは重度の呼吸窮迫状態だった。医師たちはなんとか赤ちゃんを蘇生させようと、優しく胸をたたき、呼吸を促した。そして、肺に空気を送り込むことに成功した！
救急新生児チームのリーダー・モハメド・サラマ医師は、「まだ危険な状態だ。妊娠7か月のこの子は、母親のおなかの中にいるべき時期なのだ。が、この子は誕生の苦難を乗り切った！」と、イスラエル軍による凄惨な病院に灯った小さな明かりに、感謝した。が、
4月23日、ガザ地区南部ハンユニス最大のナセル病院で集団墓地が見つかり、392人の遺体が回収された。遺体の中には子供も含まれ、拷問、処刑、生き埋めの証拠がある。中東衛星テレビ・アルジャジーラがパレスチナ民間防衛チームの話として報じている。
ガザのナセル病院とシファ病院の破壊状況と、イスラエル襲撃後に現場で発見された「集団墓地」の報告を受けたフォルカー・テュルク国連人権高等弁務官は、「ゾッとする」と、糾弾し、即、死者に関する独立調査団を求めた。EUも同調した。が、イスラエル国防軍は声明で、「イスラエル軍がパレスチナ人の遺体を埋めたという根拠などない」と、関与を否定した。4月初旬にシファ病院を視察したWHO世界保健機構は、「病院は廃墟だ。機材は灰燼と化し、中庭には多くの遺体が手足をのぞかせて埋葬されていた」と報告した。ガザ当局の報道官は4月9日、CNNに対し、「シファ病院付近から381人の遺体が回収されたが、この数字には病院の敷地内に埋葬された人びとは含まれていない」と語っている。シファ病院では4月23日も、51人を埋葬した別の集団墓地が発見された。
4月20日、イスラエル軍の空爆で一家が殺され、お腹の中のこの赤ちゃん
だけが生き残ったが、５日後に亡くなった、
② イスラエル軍の諜報長官アハロン・ハリバ少将が引責辞任：
2024年4月20日、イスラエル軍諜報長官アハロン・ハリバ少将は、10月7日のハマスによるイスラエル攻撃前の失敗の責任を取ると、イスラエル国防軍に書簡で辞任を願い出た。彼は、イスラエル史上最悪の犠牲者を出した事件に関し辞任した最初の高官だ。イスラエル軍と諜報機関は、10月7日のハマス大攻勢の前に、複数の警告を知りながら無視していたのだ。ネタニヤフは、「約1,200人のイスラエル人と外国人が殺害され、253人が人質としてガザに連行された」と断定し、「ハマスを破壊し人質を解放するため、ガザで史上最も激しい戦争をやるゾ！」と、開戦に持ち込んだ。そして、ガザ地区のパレスチナ人3万4000人以上 (そのほとんどが子どもと女性) を爆撃で大虐殺した。
「戦争の恐ろしい痛みを永遠に背負って生きていく」と語るハリバ少将は、＜大惨事を起こした要因と状況を徹底的に正確に調査する＞（イスラエル）国家調査委員会の設立を求めた。彼の辞任に続いて、イスラエル軍と諜報機関の上級司令官の間でさらなる辞任が予想された。が、イスラエル国防軍参謀総長のヘルジ・ハレヴィ中将と、シン・ベト治安機関のローネン・バール長官は、イスラエル人を守れなかった責任を認めたが、ガザ戦争に留まると表明した。4月22日、イスラエルのニュースが、イスラエル戦争内閣の首相ネタニヤフは自身の責任を認めず、治安責任者に責任を転嫁しようとしていると伝え。「ガザでの戦争が終わるまで、全面的な調査を待つべきだとの主張をネタニヤフは繰り返している」と、言及した。野党党首のヤイル・ラピド氏はXで、ハリバ少将の辞任決定は「正当で名誉ある」ものだと述べ、ネタニヤフも「同じことをすべきだった」と付け加えた。
ネタニヤフは、ガザ人口の約7割の150万人が避難する最南部ラファに全面侵攻を目指し、2戦闘部隊を編成し、批難を交わすためガザ難民用簡易テントを準備した。
全面侵攻予告で脅しつつ、ネタニヤフタニヤフは23日もパレスチナ自治区ガザ全域で空爆と砲劇を激化させている。ネタニヤフは避難警告と警戒警報を絶え間なく流し、戦闘ドローンをホーバリング（空中停止）させ、ガザ住民の精神を攻撃する心理作戦も続けている。
③ 人道主義が売りのバイデン米政権は、イスラエル戦争内閣に金と兵器で貢ぐ；
4月20日に米下院は、安全保障支援を目的とした950億ドル規模の法案を超党派で可決した。ウクライナ支援に608億4000万ドル（米国の武器・在庫・設備の補充向け230億ドルを含む）、イスラエル向けに260億ドル、台湾を含むインド太平洋地域に81億2000万ドルを拠出する法案だ。
4月23日、ユダヤ教の祝日・過越祭の2日目の夜に＜イスラエルの武装をやめさせる街頭集会＞を、ユダヤ系ニューヨーカーとその賛同者たちが、上院民主党院内総務チャック・シューマーの自宅から1ブロック離れたニューヨークのブルックリンで行った。＜ガザ戦争の即時停戦＞＜イスラエル戦争内閣のジェノサイド反対！＞を叫ぶ数百人のユダヤ人が逮捕された。イスラエル支援金に反対する集会の数時間後、上院民主党院内総務チャック・シューマーの先導で、米上院は＜ウクライナ・イスラエル・台湾への軍事的支援法案＞を可決した。突然血色がよくなったバイデン米大統領が、4月24日、法案にサインした。
「ガザ市民の被害を最小限に限定して攻撃するように、、食料を雨のようにばら撒いてやればいい、、」と、バイデンがネタニヤフを諭す振りをするのは、ネタニヤフとの連座制でバイデン自身に国際社会の批判が及ぶのを避ける、パフォーマンスに過ぎない。従って、金と武器を湯水のように使って、ネタニヤフ戦争内閣のガザ・ゼノサイドを援護射撃するのは、予定の行動だ。みなしごのガザ新生児に涙するような、おじいちゃんではない。
アメリカの大手メディアは？アメリカ大統領選挙を見すえて、ボケを武器にする老獪バイデン民主党大統領候補を庇う。バイデンの選挙資金源でもある全米ユダヤ人協会に逆らうことはしない。しかも、アメリカのマスコミを牛耳っているのは、全米総人口の2％という少数派のユダヤ人だ。ユダヤ人が仕切るアメリカで、ユダヤ・シオニストの母国イスラエルに向かって＜即時停戦＞＜ガザ・ジェノサイド反対＞を叫ぶのは、勇気がいる。そんな中で、＜デモクラシー・ナオ＞米国衛星ニュース・テレビはガザ戦争即時停戦の立場を貫き、パレスチナ・アメリカ人はもとより、ユダヤ・アメリカ人の叫びも取り上げてきた。
2024年4月23日の＜デモクラシー・ナオ＞は、アメリカの大学で燃え上がっている、＜バイデン政権のガザ戦争反対＞＜バイデン政権のイスラエル軍事援助反対＞のデモを報道した。イスラエルによるガザ・ゼノサイドとガザ戦争とアメリカのイスラエル支援に反対する抗議行動は、ニューヨークのコロンビア大学、コネチカットのイエール大学、ボストンのハーバード大学、カリフォルニアのバークレー大学。、と、全米の大学に広がり、数百人以上が逮捕された。
アメリカの大手マスコミは、＜親パレスチナの学生による限定的な行動＞という評価で、バイデン政権と全米ユダヤ団体に忖度し、全く取り上げないか取り上げても人目につかないような報道をしている。＜自由の女神＞もビックリの不自由な民主主義国家です！
アントニオグテーレス国連事務総長は、ネタニヤフ戦争内閣がガザ総攻撃を予告しているのに、どうして体を張って止めないのでしょうか？ ガザ戦争の殉教者は袋に詰められた35,000をはるかに超えています。 瓦礫の下に、まだ見つかっていない集団墓地の中に、たくさんの無念の人が埋まっています。
生まれながらのみなしご新生児は、5日間だけこの世にいましたが、あの世に旅立ってしまいました。 合掌、、イスラエルに殺された全ての子供たちに、合掌
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者：平田伊都子、写真構成：川名生十、画像提供：アマイダン・サラー、SPS、
定価：本体1,800円+税、
発行人：松田健二、
発行所：株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話：03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ（2015年）」、「アリ 西サハラの難民と被占領民（2020年2月）」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」（Referendum）もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL： https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL：https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長：川名生十 2024年4月27日
SJJA（サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション）代表：平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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