2024年5月6日、エジプトと国境を接するガザのラファでは、「停戦だ!」と大人も子供も、空腹を忘れて喜びの声を上げました。 空っぽの鍋をドラム替わり叩きました。
ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが、エジプトとカタールの提案する和平合意を呑むと発表したからです。
「イスラエル軍の砲弾に怯えることなく眠れるゾ!」「 みんなでたらふくパレスチナの炊き込みご飯マグローバを食べれるゾ!」 と、すご~く期待しました。 が、、
優しくないネタニヤフ・ユダヤ首相は、喜ぶ人々に爆弾を乱発したのです!
① 女王も学生も難民も、ネタニヤフ戦争内閣に反対:
美しいヨルダンのラーニア・アル・アブドゥッラー女王は、5月の初めに複数の米テレビ局インタビューに応じた。
「アラブ世界は米国をイスラエルの<支援者>と見なしています、、人々は米国をこの戦争の当事者と見なしています」と、絹のブラウスに身を包んだラーニア女王は、CBSTVマーガレット・ブレナン記者に言ってのけた。
「今日、ガザで何が起きているのか?イスラエルが何をやっているのか?これは、戦争犯罪です」と、黒装束のラーニア女王は、ジョイ・リード記者にイスラエルを糾弾した。
「ガザの政治組織ハマスは、占領から住民を解放するために戦っています」と、勇気ある美しい人は、CNNのリモート・インタビューに答えた。モサドにお気をつけください!
米テレビ各局は、<女王はパレスチナ人>という但し書きをつけた。
しかし、パレスチナ人でなくても、誰の目にもイスラエルのジェノサイドは戦争犯罪だ。
アメリカの学生たちは、ますます「ガザ戦争即時停戦」「イスラエルのジェノサイド反対」の声を高揚させている。アイルランド・ダブリンの学生やスペイン・バルセロナの学生たちも、「ガザ戦争反対」を叫び始めた。
アフリカ南端の南アフリカは、IJC国際司法裁判所にイスラエルのジェノサイド裁判を起こし、事あるごとに訴追を続けている。アフリカ北端のアルジェリアは、国連安保理で、
イスラエルの戦争犯罪を糾弾し続けている。アルジェリアの砂漠に居候する西サハラ難民は、アルジェリアと南アフリカに連帯しつつ、自らの主権獲得のためにも闘い続けている。
② 優しい戦士・ガリ難民大統領:
コロナや戦争で難民キャンプでのイベントを自粛していた西サハラ難民は、久方ぶりに<フィ・サハラ映画祭>をアウセルド難民キャンプで再開させた。5月3日には、<世界報道の自由デー>に合わせて、国際ジャーナリスト大会も開いた。ただ、国際ジャーナリストたちはガザ戦争に追われていて、盛会とは言えなかったが、記者会見でガリ大統領は誠意をこめて正直に語った。
冒頭、ガリ大統領は、「我々は現在戦争状態にあり、闘争を続ける。われわれは二度と同じ罠にはまらず、自由を獲得し、AUアフリカ連合(AU)の創設メンバーであるサハラウィ共和国の国境を、取り戻す」と、軍事と政治・両面での独立闘争を明確にした。
イスラエルを真似て国際法や国連憲章を無視するモロッコに関して、ガリ大統領は、「モロッコは常に脅しと賄賂で譲歩を押し付けようとしてきたが、その時代は過ぎ去った。我々はもう騙されない、、。賄賂が賄賂を生むという悪循環で欧州議会議員を貶めたのは、元ッコだ。我々は、人民戦線と共和国の一員として、国際社会と国際的正当性に則って、脱植民地化を進めていく。我々は、紛争を終わらせ、前提条件なしで交渉を行う用意がある」と、裏工作のモロッコに逆らい、正攻法の反植民地闘争を主張した。
サンチェス・スペイン首相の裏切り行為についてガリ大統領は、「アフリカ人の私たちは、ヨーロッパが法、正義、価値観を支持していると信じていた。しかし、時が経つにつれて、人間は弱い立場に追い詰められと、より弱くなることを発見した。スペイン議会とスペイン政党でさえ、約40年間変わらず西サハラ民族自決権を支持してきた立場を、サンチェスが突然、反対方向へ変わった本当の理由を見出していない、、我々はサンチェス・スペイン政権との公式な関係を凍結した。が、我々はまだ、政権が立場を修正するのを待っている。しかし、これはスペイン社会や連帯運動との関係を凍結することを意味するものではなく、むしろ、スペイン社会とは強力で緊密な関係が育ち続けている。この連帯運動が、サンチェス首相を正しい道に導いてくれることを願う」と、<寝返り男>に優しい。
国連特使のスタファン・デ・ミストラ氏について、ガリ大統領は「国連事務総長の個人特使の仕事は、まだ旅の始まりにあるため、これまでの評価はできないが、前任者の経験から教訓を引き出し、彼らの過ちから学ぶことを願っている。 そして、その成功部分を土台に、平和交渉を築き上げていけばいい」と、<タヌキ寝入り男>にも、優しい。
世界報道の自由デーで、記者会見するブラヒム。
ガリ・サハラウィ・アラブ民主共和国大統領・ポリサリオ戦線議長(右)
③ アブデルマジド・テブン、アルジェリア大統領は西サハラとパレスチナの守護者:
5月8日、アルジェリア国防省本部を訪問したテブン大統領は、「パレスチナの大義と西サハラの人々の自決権を頂点とする正義に対して、アルジェリアは確固たる無条件の支援を約束する」と、改めて表明した。
さらにアルジェリア大統領は、「西サハラの人々は、それが独立につながるのか?それとも他の選択につながるのか?、、とにかく、住民投票を行わなければならない。決めるのは西サハラの民であり、誰も彼らに代わって決めることはできない。アルジェリアの西サハラ難民キャンプで生まれ、45歳になった元若者もいる。国連はその役割を果たさなければならない。国連脱植民地化委員会の議題に、いまだにその運命が託されている民族がある。それが、西サハラ民族だ。私たちは脱植民地化のプロセスを早めなければならない。我々は決してサハラの人々を見捨てない」と述べた。アルジェリアは、まさに、45年以上、西サハラ難民の面倒をみてきた。テブン・アルジェリア大統領が強く推奨する<国連西サハラ人民投票>は、ラマポーザ南アフリカ大統領もその即時実施を主張している。
アルジェリアの要請を受け、UNSC(国連安全保障理事会) は5月7日の夜、ガザ地区で発見された集団墓地に関する非公開の協議会合を開催した。
5月10日、ニューヨークの国連総会は、パレスチナの正式国連加盟国入りを、賛成143、反対はアメリカとイスラエルを含む9、棄権はイギリスを始めとする25で可決した。エルダン・イスラエル国連大使はミニシュレッダーで国連憲章を粉砕し、「Shame on you シェイム・オン・ユー恥を知れ!糞ったれ!!」と、悪態をついて国連の演壇を降りた。
5月9日、「ネタニヤフ戦争政権が攻撃を日々強化しているガザ南部のラファを、約10万人が避難場所のあてもなく去った」と、国連が報告しました。 エイプトとガザの国境になるラファをイスラエルは占拠し、ガザ住民への援助物資を遮断しました。
ガザ殲滅戦争を続行したいネタニヤフは、ハマスが承諾した停戦案を拒否する、、餓死していく子供たちを唇をひん曲げて冷笑する、、ネタニヤフ・ユダヤ首相とは、一体、何なんでしょうね??
ネタニヤフ・ユダヤ首相は、優しさをどこに置き忘れたのでしょうか?
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年5月11日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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