SJJA& WPO【西サハラ最新情報】587 俺たちの選挙を返せ

 「俺たちの選挙を返せ」と大書された国旗を、ウクライナのサッカーファンが、サイドスタンドに掲げました。 EURO2024(サッカー欧州選手権)のグループステージ第2戦中で、ウクライナ代表とスロバキア代表が戦っていました。 
 日本の東京では、石丸伸二・東京都知事候補のおかげで、楽しい都知事選が展開中です。
 が、残念なことに、公開討論会はもうやらないとか? イギリスでも、市民参加の公開党首討論会がロンドン市民を沸かせました。 

① 任期切れのゼレンスキー大統領閣下が外交集金活動:
 「俺たちの選挙を返せ」のウクライナ旗は、試合から25分後に、撤去させられた。因みに、勇猛なウクライナ・アゾフ旅団の前身は、ハルキウ・サッカークラブのフーリガンだ。
 試合は2対1でウクライナが勝った。が、対ロシア戦ではウクライナが負け続けている。
 2019年5月20日、コメデイアンのウラジミール・ゼレンスキーは、ウクライナ大統領選挙に勝ち、第6代ウクライナ大統領に就任した。41才だった。アレッ!石丸伸二・都知事候補も41才では? ウクライナ大統領は5年が任期で、大統領選挙は、3月半ばに行われるはずだった。が、ゼレンスキーは<戒厳令下では選挙をやらなくてもいい>とする憲法を盾に、戒厳令を延長した。しかし、BBCによると、この一項は大統領選ではなく最高会議(議会)選に関する規定であり、ゼレンスキーの拡大解釈は、ロシアを始めウクライナ国内でも疑問視されている。
 ロシアの対外情報局(SVR,前KGB)は5月20日、ゼレンスキー政権への軍や国民の支持率は17%以下と発表した。昨年の反転攻勢で成果を出せずに軍の犠牲が膨らみ、当時のザルジニー総司令官との摩擦が表面化したことなども、支持率を下降させたと推測している。米紙ワシントン・ポストは5月18日、ゼレンスキー政権ではイェルマーク大統領府長官が人事権を掌握し、対外交渉も独占していると伝えている。米実業家のサックス氏はSNSで、「西側は<(ウクライナの)民主主義を救う>はずだったのに専制主義を生み出した」と、皮肉った。
 正統性を疑われるウクライナ大統領が、<世界和平会議>を仕切ったり、国賓級外遊で集金したり、そんな空しい姿に「俺たちの選挙を返せ!」の声が広がってきた、、
 ロイター通信がゼレンスキーのX投稿を引用して、「ウクライナのゼレンスキー大統領は6月13日、日本の岸田文雄首相と会談し、10年間の安全保障協定に署名したことを明らかにした、、2024年に日本はウクライナに45億ドルを提供するほか、協定に基づき支援を継続する」と報じた。二国間合意文書によると、「日本は、2022年3月以降、2024年の45億ドルを含む総額120億$(約1兆9000億円)を超える支援を提供」とある。  
 そんな話、税金をぼられまくっている庶民は、聞かされてないヨ!そもそも、ゼレンスキーの大統領期限は5月20日に切れているのだから、疑わしい人物との約束は破棄してください!

② 民主主義のお手本?英国で選挙賭博:
 スナク英首相が5月22日に下院議会の解散を発表してから、その投開票日がいつになるかをネタに、与党・保守党の複数関係者が賭博を始めた。イギリス政府は賭博監督機関「賭博委員会」を設置して。事件の調査に当たらせた。
 BBC英国TVは、「賭博委員会がブックメーカー(胴元)に対し、7月に選挙が行われることに20ポンド以上を賭けた人物の詳細を提供するよう要請した」と、報じた。
 現在、保守党から総選挙に出馬しているローラ・ソーンダース氏とクレイグ・ウィリアムズ氏の2人が、委員会から調査を受けていることを認めている。ウィリアムズ氏はかつてスーナク首相の議会担当秘書官だった。6月19日には、首相の警備チームの一人だった警察官が選挙日程について賭けていた疑いで、ロンドン警視庁に17日、逮捕されていたことも分かった。
 全世界に植民地を持つ立憲君主制の英国では、来る7月4日に総選挙の投開票が行われる。BBCは6月26日、リシ・スーナク首相と最大野党・労働党党首のサー・キア・スターマーによる、ノッティンガム・トレント大学での公開討論会を報じた。税金や移民、ジェンダー、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)や選挙賭博が争点になった。市民の1人が2人に対し、「あなたたち2人は本当に、この偉大な国の首相として、私たちに与えられた最善の選択肢なんですか?」と尋ねた。この有権者は、二人の党首に「ノー」を突きつけたのだ。
 東京都知事選でも、都民が参加する討論会を開催してください。 日本全国が期待してます。

③ 「俺たちの選挙を返せ」ニューカレドニア・カナク先住民:
 6月9日に開票されたEUヨーロッパ議会の選挙では、フランスでも極右勢力が与党連合が惨敗する結果となり、マクロン仏大統領は議会の解散を表明して6月30日と7月7日に実施されることになった。窮地に陥ったマクロン政権に追い打ちをかけて、フランスが実質的に支配するニューカレドニアの首都ヌメアで、反フランス暴動が再勃発した。
 マクロン仏大統領は、ニューカレドニアの支配権を確立させようと2023年末にニューカレドニア住民投票を行った。住民投票は、フランス帰属を目指すフランス系入植者と独立を願うカナク先住民との戦いとなった。ニューカレドニアはニッケルを産出する豊かな島であるだけでなく、サンゴ礁が見事な観光地でもある。マクロンは、完全支配を目論んだ。
 フランス系入植者たちとマクロンによる巧妙な投票操作で、結局、独立派は負けた。
 フランス系入植者たちとマクロンは、さらに、ニューカレドニアを完全なフランスの地方州にしようと、フランス憲法改正に着手した。巧妙な植民地化に激怒したカナク先住民独立派は、2024年5月、第一次暴動を起こした。7人が犠牲になった。5月23日に現地入りしたマクロンは、改憲手続きの延期を明言した。さらにマクロンは、カナク先住民独立運動指導者クリスチャン・ティン氏に会い、独立派との交渉継続を約束した。
 しかし、6月半ば、フランス系入植者が仕切る検察がティン氏を含む独立運動指導者7人を拘束し、6月22日には7人の身柄をフランス本国に引き渡した。マクロンの裏切りを知ったニューカレドニア独立運動組織は第二次暴動を起こした。「俺たちの選挙を返せ!」と叫びながら、独立派は警察車両を燃やし、道路を封鎖し、町役場に放火し、消防車両を銃撃した。戒厳令が敷かれ、一部の学校は休校となった。
 「俺たちの選挙を返せ!」は、西サハラ人民投票を約束しながら一度も実行しない国連に向けた、西サハラ難民被占領民の叫びでもある。フランスが推薦する<モロッコ自治州案>は、ニューカレドニアのフランス地方州案と同じカラクリだ。
 

「俺たちの選挙を返せ」と、西サハラの国旗を掲げて、国連西サハラ人民投票の
早期実施を訴える西サハラの若者

 
 6月27日(日本時間の28日日)のアメリカ大統領選挙討論会を見ましたか?
有権者も参加していたら、もっと面白かったのに、、
 ぜひぜひ、第二回東京都知事選挙公開討論会を、有権者も交えてお願いします。
 日本だけではない、世界も注目しているようです。
 
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861

同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
 
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2024年6月29日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
 
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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