韓国初の、難聴者のみで結成されたK-POPグループ<Big Ocean(ビッグ・オーシャン大洋)>がデビューアルバムを発売し、ライブをやりました。 BBCコリアが作った2分24秒の画像を見ましたか? 化粧をした3人の男の子たちが、「ビッグ・オーシャン、よろしくお願いしま~~す」と、手話で語りかけています。
<砂漠の空>は、西サハラ寄せ集め少年サッカーチームの名前です。
① やりたいことをやり続ける:
<ビッグ・オーシャン>というグループ名が、時代を先取りしてカッコイイ。ビッグ・オーシャンの3人組は、全員が人工内耳と補聴器を装着している。補聴器を外すと、無音の水中にいるような気分になるそうだ。69%しか聞こえない、左耳が全く聞こえない、ほとんど聞こえないと、3人の音をとらえるポイントが違うので、曲と踊りのタイミングを合わせるのが難しいという。腕に巻いたスマート・ウォッチの振動が、3人に指令を出している。かくして、最新のテクノロジーと人工知能(AI)を駆使し、他のアイドルと同じようにパフォーマンスを成功させた。
西サハラ難民キャンプでも、西サハラ難民青年スポーツ省が、音楽とスポーツに力を入れている。半世紀に近い難民キャンプ生活で、難民キャンプしか知らない2世代目、そして3世代目が増えてきた。砂漠の砂嵐と磁気でネット状況は非常に悪いが、難民キャンプでもSNSが盛んで、ビッグ・オーシャンを見ることができる。
ボクシングが好きだったアマル少年は、スペインに住む西サハラ亡命者に助けられて、スペインのプロボクシング・クラブ入門を果たした。そして、6月末、西サハラのボクサー・アマルは、第一ラウンドでモロッコ人の対戦相手を打ちのめした!西サハラ難民キャンプのSNSは、「植民地支配王国モロッコを倒した」とばかり、気温50度の中で熱く燃え上がった。難民ボクサー・アマル・ハルーブは「やりたいことはやり続ける」と、仲間にVサインを送った。
西サハラ難民キャンプにある女子ボクシング・クラブでは、アラブ女性独特の喜びの叫び・ザグラダが呼応し、「あたしも~やるよ~~!」と、叫んだ。
② 西サハラ少年サッカーチームがやるぞ~~:
西サハラ難民ユース・スポーツ省が支援する<西サハラ少年サッカーチーム>は、2024年7月1日から7日までバスクのサンセバスチャンで開催された国際サッカー大会「ドノスティ・カップ」に出場した。代表チームは、西サハラの難民キャンプからの8人、ヨーロッパの西サハラ共同体からの10人で構成されている。親と一緒にヨーロッパ亡命している西サハラ少年たちは亡命地のクラブに所属し、正式メンバーを目指している。
<砂漠の空>と名付けた西サハラ少年サッカーチームは、国際的なスポーツイベントで西サハラ国旗を翻らせ、世界から忘れられている西サハラ問題を想起させようとしている。半世紀にわたる西サハラの難民や被占領民や亡命者の辛い日常生活と、モロッコ植民地支配国による迫害と非合法性を、サッカー選手やファンに知って欲しいと願っていた。<ドノステイ・カップ>の開会式は、20,000人以上の観客で埋め尽くされた。観客と共に、29か国900以上のチームが、サンセバスチャンの空にはためく西サハラ国旗を見た! ヤッター!!
スペイン・バスクのサンセバスチャンは、フランスとの国境に近くビスケー湾に面した、食べ物がおいしい有名な観光地だ。スポーツも盛んで、サッカー、自転車ロードレース、バスケット、ラグビーなどが世界的に人気を博している。
いじけないよう、くじけないよう、西サハラ難民被占領民の親たちは、子供たちに楽しい夏休みを計画する。それが、スペインやフランスでの「バケーション・イン・ピース(平和の休暇)」だ。西サハラ難民通信によると、毎年、数千人の難民キャンプの子供たちが、ヨーロッパのホストファミリーと、夏休みを過ごす。今年最初の「バケーション・イン・ピース」は、スペイン・カンタブリアで、始まった。6月30日、80人の西サハラ難民の子供たちが、同地に到着した。カンタブリア・フォー・フリー・サハラ(カンタブリア自由サハラ)が60人の子どもたちの世話を、カンタブリア・エル・アウダ(カンタブリアに帰還)が残りの20人の子どもたちの世話を、と、二つの西サハラ支援団体が面倒をみる。
カンタブリアは、北は大西洋のカンタブリア海に面し、南は重要な天然資源のある山地になっている。規模は小さいが、伝統的な畜産農産業が今も活動している。
1979年、100人の西サハラ難民の子供大使到来を皮切りに、<平和の休暇>は45年目を迎えた。サンチェス・スペイン首相は、「西サハラはモロッコ領土内の地方自治州である」とする書簡をモロッコ国王に送り、モロッコの西サハラ領有権を認めてしまったが、スペイン野党や国民は変わらず、西サハラの民族自決権と独立を支持している。
③ やりたいことがやれないまま、殺されていくガザの子供たち:
ガザ保健省の発表によると、2023年10月7日から2024年7月4日まで、イスラエル・シオニストに殺されたガザの人々は、38,011人に上る。そのほとんどが女性と子供たちで、子供の死者数は20,000人を超えている。孤児になった子供たちは30,000人近くになり、瓦礫に埋まったままの子供たちや行方不明の子供たちを含むと、約25,000人のガザの子供たちを、大人が戦争で殺してしまったことになる!
ガザ戦争を止めようとしない、ネタニヤフ・イスラエル首相とバイデン米大統領にも不肖の息子がいる。自分の息子を庇う<親心>は持っているのに、こんなにたくさんの子供たちを殺しても<親心>は痛まないのだろうか?!
7月1日、イスラエル刑務所から7か月ぶりに解放されたガザ北部のシファ病院アブサルミヤ院長は、迎えた息子の頭を抱きしめて、非情な拷問を暴露し、餓死に晒されている子供たちの惨状を訴えた。非人道的なイスラエル刑務所の扱いを非難した米紙ニューヨークタイムズにネタニヤフ首相は、「イスラエルの方針をニューヨークタイムズごときにとやかく言われる筋合いはない!」と、逆切れした。
7月2日、ガザ南部のハーンユニスでは、再び、イスラエル軍が、「空爆するから出ていけ」と命令を出した。「出て行けって?どこに行けばいいんだ??」と、機能していない病院で避難生活をしていたガザ北部の老人が、カメラに叫んだ。そして、予告通り、イスラエルはガザ南部を空爆し、子供たちを殺した。
シオニストに報道活動を禁じられていても、アルジャジーラはユーチューブで子供たちの映像を流し続けている。7月3日、シオニストに空爆されたガザ北部のジャバリア・難民キャンプは、瓦礫しか残っていない。瓦礫を積んで木の板を乗せ、幼い子供たちがシーソー遊びをしていた。それを眺めながら年かさの少年が、「去年の夏はサッカーボールを蹴飛ばしていた、、今は、腹が減ってて、そんな気になれない、、」と、カメラに訴えた。
7月に入って国連事務総長報道室では、連日、ガザ・ジェノサイドに無策な国連に対し、不毛な質疑応答が繰り返されている。
質問:バイデンがガザ人道物資搬入用に設置した米浮桟橋は、再稼働しているのか?
解答:ノー。チャレンジ中
質問:イスラエルが占拠したエジプトとパレスチナの検問所は、再開したのか?
解答:ノー。チャレンジ中
バイデンが人道主義アメリカの宣伝のため、2億3千万ドル(約363億円)をかけて設置した浮き桟橋は、5月17日に運用が開始され10日後にはガザの荒波で損傷し、ガザ北部に放置し、廃止するらしい。ラファ検問所も同様に、溜まった生ものは、腐敗が激しい。
イスラエル・シオニストが物流を許可すればいいだけなのに、しかも安保理もIJC国際司法裁判所もICCも許可を命じているのに、応じない。ガザの子供全員が餓死するまで、イスラエル・シオニストは戦闘行為も飢餓作戦も止めないつもりだ。
6月26日、潘基文前国連事務総長が「紛争で悲惨な代償を払い続ける子どもたち」と題して語りました。「ガザの子供にも、どの紛争地の子供にも、やりたいことがやれるような状況を作ってやることが、大人の義務だ」と、前事務総長はカッコイイ大人を演じました。彼は難民キャンプを訪れ早期の和平解決(国連人民投票)を約束しましたが、約半年後に任期が切れ、約束は放置されたままになっています。
残念ながら現事務総長は、モロッコ国連大使の恫喝に晒され、腰が引けています。 前任者の約束を完遂して、カッコイイ大人になってください。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年7月6日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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